2019年10月21日

日・米・中・韓の新時代と日本の役割@

 ●日本が種付けして、育成した中国資本主義
 日本の開国は、地政学的にも時代背景的にも、奇跡といってよいほどの立地条件に恵まれていた。
 地政学的には、中国大陸と朝鮮半島を海洋で封じて、アメリカとは、太平洋の西と東でむきあっている。
 イギリスと並ぶ堂々たる海洋国家の立ち位置で、海岸線の長さはアメリカを抜いて世界第六位、中国の約二倍である。
 日本が開国した1868年も絶妙のタイミングで、産業革命やアメリカ独立戦争、フランス革命から百年もたっていない。
 産業革命以前のヨーロッパからえるものはなにもなく、それ以後(19世紀末〜20世紀)であれば、帝国主義から世界戦争へむかう英仏独らの欧州列強や米ロにのみこまれていた可能性もあった。
 17世紀の江戸時代、日本は、世界に冠たる都市国家を成立させ、明治維新後の近代化のちからをたくわえていた。
 シルクロード文明の最終地点たるユーラシア大陸東岸の島国に、中華文明と異なる日本文明(『文明の衝突』ハンティントン)ができあがったのは、はやくから、単一民族による単一国家が成立していたからで、大和朝廷が成立したのは、中国で律令体制が完成した隋や唐の数百年前である。
 日本を独立国家たらしめた立地条件は、かつて、黄金の国ジパング(『東方見聞録』マルコ・ポーロ)呼ばれた金銀ではなく、四季と温暖な気候、四大海流などの天然資源だった。
 日本は、長い海岸線と河川、森林がつくりあげた良好な近海漁場と、広大な沖積平野がつくりあげたゆたかな穀倉地帯の上に、なにものも依存しない独立国家を建立したのである。
 中国や朝鮮との距離は絶妙で、交流や交易には近隣でも、遠征侵略には遠隔とあって、大陸から日本への侵攻は二度の元寇だけだった。
 日本は、海洋で、中国や朝鮮を封じる要塞国家でもあって、その象徴がかつて中・韓を苦しめた倭寇である。
 中・韓が日本を侵略国家とみるのは、倭寇が中国や朝鮮半島の沿岸を荒らしまわった遺伝子的記憶のせいで、朝鮮の高麗と中国の明が衰退したのは、倭寇の侵犯をうけたからだった。
 近代以降、日本は、日清・日露の両戦に勝って、朝鮮半島や台湾を支配下におき、蒋介石の中華民国とたたかった。
 第二次大戦に負けて、日本は、戦前の権益をすべて失ったが、戦後、短時日で復興して、ふたたび、大国の立場を回復した。
 大陸や半島には、日本帝国時代の有形無形の資産がそっくり残って、それが中国(満州)や韓国、北朝鮮のインフラの基礎となった。
 日本は、中国大陸を侵略、朝鮮半島を併合したが、帝国主義や戦争の時代において、軍事力にモノをいわせるのが国家正義で、侵略をうけるのは、国家をまもることができない負け犬でしかなかった。
 現在、中国や韓国、北朝鮮が戦勝国のようにふるまい、日本が卑屈になっているのは、WGIP(ウオー・ギルド・インフォメーション・プログラム)と憲法(前文・9条)の毒薬が利きすぎたのと、政治家が愚かだったせいである。
 日本が堂々とふるまっていれば、中・韓とも、いまほど増徴することはなかったのである。

 中国経済は、日本を抜き、世界第2位となって、目下、アメリカと貿易戦争をひきおこしている。
 その中国経済に種をつけたのは日本で、文化大革命を終えたばかりの当時の中国には、資本主義のシの字もなかった。
 毛沢東の死後、華国鋒政権の下で、1977年、劉少奇主席に次ぐ走資派として冷遇されていたケ小平が復権した。
 そして、78年に華国鋒を追い落として、資本主義を導入する改革開放路線をすすめた。
 ケ小平が資本主義のモデルにしたのが日本だった。
 1978年に「日中平和友好条約」を締結した直後、ケ小平は、中国の指導者としては戦後初となる日本への正式訪日をおこない、新日鉄・日産・松下の3社を見学した。
 新日鉄の君津製鉄所を見学したケ小平は、工場の設備や技術について詳しくたずね、日本の生産技術を中国に移入するための具体的な方法まで聞き出している。
 それが、新日鉄の支援で創業された上海宝鋼、のちの中国最大手の宝山鋼鉄である。
 ケ小平氏の訪日後、中国で「日本ブーム」がわきおこって、多くの視察団が日本にやってきて、日本人の専門家や研究者、技術者が中国に招かれた。
 政府のメンバーによる会議もさかんにおこなわれ、経済・貿易・技術における官民一体の協力体制は、当時、緊密なものだった。
 現在、中国で稼動している大工場の多くが、日本人が関与したものである。
 ケ小平の成功例が「経済特区」の創設で、これは、市場経済への移行するための踏み切り盤だった。
 外国資本や技術の導入、人民公社解体にともなう管理能力の育成を眼目に、広東省の深センや珠海、汕頭、福建省の厦門が指定されて、それぞれ高い実績をあげて、それが、全国へひろがっていた。
 そして、いまや、中国経済は、世界第2位となって、アメリカと貿易摩擦をひきおこしている。
 中国経済が、ここまでのびたことによって、自由と民主主義が勝利宣言した「歴史の終わり」(フランシス・フクヤマ)に疑問符が投げかけられたほどである。
 中国資本主義は、現在もなお、日本をモデルにしている。
 日本の1960年代の高度経済成長とバブル経済、バブル崩壊から不良債権処理、そして、デフレ脱却まで、日本経済の歩みが、そのまま、中国経済のテキストになっているのである。
 それにしても、中国経済は、なぜ、ここまでのびたのか。
 その謎解きとなるのが、最近、話題になっている現代貨幣理論(MMT)である。
 MMTのもっとも顕著な成功例が日本という指摘もある。
 次回、国家資本主義の台頭に重なりあうMMTについても言及しよう。
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2019年10月15日

一国主義に立つ世界と後れをとった日韓C

 ●ノーベル賞の日本の技術に依存して反日≠フちぐはぐ
 同じ反日でも、民族的反日の韓国よりも、政策的反日の中国のほうが、はるかに冷静で、中国人は、日本の製造業が世界一のレベルにあることや、中国経済が、その日本経済をモデルに成長してきたことも、内心で承知している。
 中国メディア(『今日頭条』)は、中国が日本に歯が立たない製造業の分野に「半導体材料」「スマホ材料・部品」「専門的生産技術」「ハイテク素材」「工業ロボット」「宇宙開発」次の6つをあげた。
 半導体材料は、中国や台湾でも生産できるが、精度や性能の面で、日本には遠くおよばない。
 この分野で、日本が市場を独占しているのは、市場は最高の品質をもとめるからで、二番手、三番手は、ほとんど、市場競争力をもたない。
 韓国政府は、半導体材料の国産化に、毎年1兆ウォンの予算をあてる構想を発表したが、付け焼刃で、製造業王国の日本に追いつけたら苦労はない。
 スマホについていえば、韓国のサムソンも中国のファーウェイも、材料や部品の大部分は、日本製で、韓国や中国は、組み立てて、商品化しているだけである。
 中国は「日本製の部品を排除したらスマホを生産できない」とみとめているが、韓国は、その事実に目をむけない。
 そして、半導体素材の輸出管理強化(ホワイト国から除外)に反発して、ビールやラーメン、化粧品、ユニクロなどの日本製品の不買運動や日本の旅行中止をもって、日本に一泡ふかしたと思いこんでいる。
 不買運動をやるなら、対日貿易赤字が240億ドルにたっする素材や部品の不買運動をやったらどうか。
 半導体製品が主力の韓国の製造業では、日本から輸入した素材・部品を完成品に組み立てて世界に輸出するという日韓の分業体制が確立していて、それが韓国経済を世界10位の経済大国におしあげてきた。
 東南アジアの国々が、日本を隣国にもつ韓国の立地条件をうらやむのはそのせいで、保守派も、韓国経済が日本に依存している事実を十分にわきまえている。
 だが、文在寅政権やマスコミ、親北派や民主労総傘下の労組は、反日有理の一辺倒で、国民の多くは、反日を煽る新聞に踊らされている。
 日本経済は、消費財ではなく、生産財(材料・部品)や資本財(道具や機械)の経済で、中国や韓国ばかりか、成長いちじるしいアジアの経済もその恩恵をうけている。
 ボーイング787の翼や機体の素材をつくっているのは日本企業で、世界の一流工場で稼動しているのも、多くは日本の工業ロボットや工作機械である。
 日本の科学技術力の高さを証明したのが、小惑星「イトカワ」から帰還した「はやぶさ」や、地球から2億8千万kmの小惑星「リュウグウ」に着陸して岩石標本を採取した探査機軌道「はやぶさ2」で、NASA(アメリカ航空宇宙局)でさえなしえなかった科学の一つの頂点である。

 日本経済が科学や技術の経済であることを証明したのが、吉野彰のノーベル化学賞受賞である。
 吉野彰ら3人のノーベル賞学者が開発したリチウムイオン電池は、世界的なインフラをつくりあげて、2026年には、約12兆億円の市場規模になると予想されている。
 リチウムイオン電池は、1991年に商用化されて以来、携帯電話やノートPC、デジタルカメラからEV(電気自動車)に使用されて、電子機器時代の申し子となった。
 リチウムイオン電池の原理を開発したのが、米テキサス大学のグッドイナフ教授(97)とニューヨーク州立大学のウィッティンガム教授(77)、そしてリチウムイオン電池を商品化したのが名城大学教授の吉野彰(71)である。
 欧米が基礎研究、日本が応用研究というパタンのもとで、特許数がほとんど同じというのがこの世界の熾烈さだが、この戦場に、中国や韓国は参戦していない。
 技術やソフトを盗用して、経済規模を拡大させてきただけだが、そんなやりかたでは、かならず、壁にぶつかる。
 技術革新は、基礎・応用研究の上に開花するもので、日米欧の企業がつねに新技術をつくりだしてゆくのにたいして、その技術をみようみまねで盗むだけの中・韓に、どんな展望もひらかれない。
 ローテクならそれで間に合っても、ハイテク、スーパーハイテクになったらそうはいかなくなる。
 中国から東南アジア、インド、アフリカ、中東、欧州へとつらなる習近平の「一帯一路」は、インフラ整備やカネ、軍事力による他国の領地化で、基礎となっているのはハードとローテクである。
 一方、日本の「自由と繁栄の弧(価値観外交)」は、地域こそ「一帯一路」と重なるものの、軸になっているのは、自由と民主主義、基本的人権と法の支配、市場経済というソフトと、科学や技術のハイテクで、一帯一路とは、思想も構造も異なる。
 今後、世界は、飢餓や戦争、貧困という負の因子と、文明や科学、豊かさという正の因子へ二極化して、経済や交易、安全保障も、そのなかでゆれうごくことになる。
 日・米・欧・豪のグループと、中・ロ・韓・印とアジア、アフリカ、南米のグループが共存する世界のなかで、キーとなるのは、科学と技術であろう。
 韓国のネットには、日本で、科学分野でのノーベル賞受賞が24人目となることを挙げ、「不買運動で日本をうちのめしても、韓国経済が日本の基礎科学や技術に依存している現実をみなければ、韓国に明日はない」「日本のビールなどを標的にした不買運動をするなら、リチウムイオン電池を使ったスマホやノートパソコンなどを捨てるべきではないか」などの書き込みがあったという。
 日本を仮想敵に仕立て、南北統一をめざしてきた韓国の親北派にも、そろそろ、ほころびがみえてきたのである。

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2019年10月04日

一国主義に立つ世界と後れをとった日韓B

 ●左右対決に代わる民主主義と全体主義の対決
 朝鮮半島の動揺が、日・米・中の関係国ばかりか、ロ・印・豪などの辺縁国をまきこみ、さらに、中東やアフリカ、ヨーロッパにまで影響をおよぼそうとしている。
 韓国が、経済・軍事とも、世界のトップ10に入る強国なら、北朝鮮も核をもつ軍事大国(総兵力120万人/韓国軍66万人)である。
 その両国が、核保有や南北統一、米中関係などをめぐって揺れ動いて、その余波が、アジアのみならず世界におよばないわけはない。
 さらに、日韓緊張という吹き出物もあって、朝鮮半島は、東アジアのトラブルメーカーにして、世界の火薬庫なのである。
 朝鮮半島の動向が、大きなインパクトをもつのは、世界版図を二分するパクス・アメリカーナと中国モデルの境界線が、朝鮮半島のド真ん中(38度線)をとおっているからである。
 この境界線(新アチソンライン)と連動しているのが第七艦隊で、同艦隊の母港が、アメリカ最大の海外基地である横須賀である。
 横須賀の第七艦隊と横田の第5空軍、沖縄の第3海兵遠征軍と自衛隊の編成軍が日米安保軍で、NATO(北大西洋条約機構)と並ぶアメリカ主導の世界集団防衛体制である。
 日米安保を拡張した防衛戦略が「インド太平洋構想(日本・アメリカ・インド・オーストラリア)」である。
 同構想が実現すれば、これまで、国内に限定されていた自衛隊の活動範囲が太平洋からインド洋にまでひろがる。
 安全保障と足並みを揃えて、第一次安倍内閣(麻生太郎外相)の産物だった経済圏構想(「自由と繁栄の弧(インド・中東・中央アジア・ヨーロッパ)」がふたたびうごきだした。
 かつて、日本は、「自由と繁栄の弧」が、中国包囲網とうけとられかねないとして、福田康夫内閣や民主党内閣がこれを封印するというばかな真似をした。
 親中派や親韓派がのさばっていた時代の話だが、逆に、中国や韓国から反日という冷や水を浴びせかけられて、第二次安倍内閣以降、すっかりおとなしくなった。
 安倍首相は、ベルギーのブリュッセルでひらかれたEUの関連会合で、基調講演をおこない、EUと積極的に経済協力をすすめる考えを明らかにした。
 具体的には、EUと協力して、東欧やアフリカでインフラ整備をすすめるというもので、これによって、自由や民主主義、人権や法の支配、市場経済などの普遍的な価値を共有する「自由と繁栄の弧」が最終ゴールに到達したことになる。
 EUとのタイアップによって、価値観外交(「自由と繁栄の弧」)が、中国の経済圏構想「一帯一路」と対抗する決定的な存在となった。
 日本とEUが、アフリカから東欧、イタリアにまで手をのばしてきた中国の経済覇権を阻止しようというのである。
 中国の「一帯一路」が他国の領土化≠セったことは「中国パキスタン経済回廊」にもとづくパキスタンのグワダル港開発をみれば明らかで、巨額借金のカタに港湾を奪われて、将来、同港が中国の軍港になるのは目に見えている。
 受けた援助が、巨額の借金に化けて、建設中のインフラ設備をまるごと奪われる――それが「一帯一路」の借金漬け領地略奪法で、典型的なケースがスリランカのハンバントタ港だろう。
 2010年、ハンバントタ港建設に際して、スリランカが中国から借入した13億ドル(約1421億円)は、年6・3%という高利で、インフラ整備によって、多少、生産性が上がっても、容易に返済できる金額ではない。
 中国の資金源になっているのがアジアインフラ投資銀行(AIIB)である。
 アジアには、1966年に設立されて以来、融資やグラント(無償支援)のほか、アジア地域の経済・技術協力、貧困の対策などに取り組んできたアジア開発銀行(ADB)があって、日本が主導してきた。
 これにたいして、中国の習近平主席の肝いりでうまれたのが、アジアインフラ投資銀行(AIIB)で、これに、アジア諸国を中心に50か国がとびついたが、そのなかに、イギリス、フランス、ドイツがふくまれていた。
 これは、英仏独の誤りで、中国の「一帯一路」は、金融やインフラ整備などをとおして、地政学的なメリットをもとめる戦略であって、日・米・欧の技術型・科学型経済戦略とは、相容れない。
 日本の価値観外交には、自由や民主主義、基本的人権や法の支配、市場経済のほかに、技術や科学という要素がもりこまれている。
 日・米・欧は、技術と科学で、世界をリードする立場にあって、地下資源や安い労働力、旺盛な消費力に代わって、知力を経済の原動力にしている。
 かつて、共産主義と自由主義が牙を剥き合ったが、現在は、民主主義と全体主義の対立へと様相を変えた。
 パクス・アメリカーナと中国モデルが、世界版図を二分しているというのはその意味合いにおいてで、両者を分けているのが、技術力と科学力なのである。
 中国のメディア(『今日頭条』)は、日本の製造業を他の国と比較した記事を掲載して、そのなかで、「中国が日本にかなわない理由」を4つ上げている。
 日本は「生産効率」「高品質」「工作機械」「素材」の4分野で、米国を抜いて世界一だという。
 経済と軍事力、技術・科学が大国の条件になっていることは、この3分野で、アメリカが断トツの第一位であることからもわかろう。
 ■ノーベル賞受賞者数の国別ランキングトップ10
 1位アメリカ339/2位イギリス110/3位ドイツ82/4位フランス58/5位スウェーデン32/6位スイス27/7位日本22/8位ロシア(旧ソ連)20/9位オランダ16/10位カナダ14/10位イタリア14
 科学系の受賞者は、中国とインドが1、韓国は0で、欧米の合計678とは比較にならない。
 ところが、経済や軍事力では、中国やインド、韓国が上位にのぼってくる。
 ■軍事力の国別ランキングトップ15
 1位アメリカ/2位ロシア/3位中国/4位インド/5位フランス/6位日本/7位韓国/8位イギリス/9位トルコ/10位ドイツ/11位イタリア/12位エジプト/13位ブラジル/14位イラン/15位パキスタン
 以下インドネシア、イスラエル、北朝鮮、オーストラリア、スペイン、カナダ、台湾、ベトナム、ポーランド、サウジアラビア、タイとつづく。
 ■GDPのランキングベスト20
 1位アメリカ/2位中国/3位日本/4位ドイツ/5位イギリス/6位インド/7位フランス/8位ブラジル/9位イタリア/10位カナダ/11位ロシア/12位韓国/13位オーストラリア/14位スペイン/15位メキシコ/16位インドネシア/17位トルコ/18位オランダ/19位サウジアラビア/20位スイス
 今後、世界は、ハードウエア型の中国や韓国、ロシアと、ソフトウエア型のアメリカと日本、ヨーロッパがしのぎを削ってゆくことになる。
 次回以降、経済や技術、安全保障について、世界スケールで考えていこう。
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2019年09月27日

一国主義に立つ世界と後れをとった日韓A

 ●反国家に立つ韓国の反日種族主義と日本のリベラル紙
 現在の険悪な日韓関係を象徴しているのが文在寅大統領の盗人猛々しい(「賊反荷杖」)≠ニいうことばだろう。
 ホワイト国から除外された腹いせからだけではない。
 歴史認識として、韓国人は、かつて、朝鮮半島を植民地支配した日本をドロボーと見ているである。
 スイスの国連人権理事会で、「徴用工の強制連行や奴隷労働はなかった、賃金の民族的差別はなかった」と講演した李宇衍は、韓国で、歴史を歪曲してきた人々を反日種族主義者≠ニ呼んだ。
「日本は絶対悪、韓国は絶対善」とする反日教育の申し子で、今回、日本製品不買運動に走った人々もそのなかにふくまれるが、なんといっても代表は反日を煽る韓国の新聞マスコミだろう。
 李宇衍らが共同執筆した「反日種族主義」が、目下、ベストセラーになっているのは意外だが、韓国世論は、もともと、保守と左翼、中間派で三分されていて、マスコミがつたえるように、左翼・反日一色ではない。
 もっとも、反日が正義にして良心の韓国にあって、保守派も反日の例外ではない。
 かれらが、表立って反日を叫ばないのは、現在の韓国が、いわゆる、日帝36年を土台にしている歴史や、日本から素材や部品、技術が入ってこなければ経済が成り立たない事情を知っているからである。
「日本製品不買運動」や徴用工・慰安婦問題の「反日デモ」ばかり報道されるが、文在寅打倒のデモや集会も頻繁で、「光復節集会」では、左派(左派従北集会)を圧倒する20万人動員(「太極旗連合集会」)で気勢をあげた。
 右派勢力のなかには、文在寅を「與敵罪(死刑)」で告発するグループがあるほか、北朝鮮を仮想敵にしてきた韓国軍の一部の退役軍人会派にはクーデターやテロの可能性までささやかれている。

 韓国の国論を分けている分水嶺が、国家と民主主義である。
 国家を念頭におくのが保守主義で、財界や経営者らに支持されている。
 一方、民主主義をささえるのは、反国家の立場に立つ組合や新聞マスコミで、保守がつくった国家を悪とみる人々である。
 民主主義は、革命理論で、国家と民主主義は、もともと、敵対関係にある。
 民主主義が、人類が最後にゆきついた最高哲学であるかのようにいうひとがいるが、革命によって、伝統や文化、習俗を失って、残ったのが多数決のみというのが民主主義の実態である。
 したがって、民主主義の信奉者は、例外なく、国家を否定する。
 国家観や歴史観をもちあわせないのが、文在寅と反日種族主義者である。
 それがかつて、事大主義や両班の退廃をうみだし、現在、南北統一=革命を夢想する朝鮮半島の土着的精神で、国家を忘れた韓国儒教の後遺症といえる。
 李宇衍は、慰安婦問題も徴用問題も、日本の良心的知識人からはじまったと指摘した。
 李のいう良心的知識人というのは、朝日・毎日、岩波書店のことである。
 歴史歪曲と国家侮辱、歴史冒涜をもって、かれらは、日本の良心的知識人を自認してきた。
 文在寅と反日種族主義者、日本の朝毎ら左翼マスコミの三者に共通しているのが、国家観念と国家にたいする現実感覚の欠落である。
 平和主義と民主主義さえあればよい左翼にとって、国家も主権も、軍備も防衛も、夢うつつの観念論で、現実の問題ではない。
 文在寅が提唱する大国参与型のユートピア的安全保障や、憲法9条が戦後の平和をまもってきたとする夢想的平和主義がそれで、防衛や安全保障が切実な世界との落差はいかばかりか。
 現在、世界情勢は、空想どころか、あざとい現実主義が、緊迫の度をましている。
 国家資本主義(ステートキャピタリズム)や中国モデルの世界浸透、パクス・アメリカーナと中国覇権主義の対決が、世界版図を大幅に書きかえようとしているのである。
 かつて、フランシス・フクヤマの『歴史の終わり』によって、自由民主主義にもとづく欧米型資本主義が、いったんは、完全に勝利したかにみえた。
 だが、自由民主主義を否定する中国資本主義が、日本を抜いて世界第二位の経済に躍り出るや、中国モデルが世界中にひろがって、欧米型資本主義は後退を余儀なくされている。
 国家資本主義は、ロシアや中国からインドやブラジルへ、ヨーロッパでもハンガリーやポーランドへひろがって、世界を自由主義や民主主義だけで語ることができなくなりつつある。
 国家資本主義が台頭してくると、自由主義や民主主義などのイデオロギーや文化的価値観にかわって、経済が、国家運営や外交戦略の要となってくるだろう。
 国家資本と、資本の国際化のハザマのなかで、貿易摩擦から防衛問題までが大きな問題として浮上してくるはずだが、歴史が教えるところでは、経済問題は、戦争で決着をつけるしかない。
 今後、世界情勢は、中国覇権主義とパクス・アメリカーナの対決という構図のなかで、熾烈さをましてゆくはずである。
 次回以降、朝鮮半島を視野の一角にいれて、日・米・中の国家戦略を展望していこう。
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2019年09月20日

一国主義に立つ世界と後れをとった日韓@

 ●「反日」とリベラルという日韓に吹く左翼風
 韓国の文在寅大統領が、不透明な資産運用など数々の疑惑の渦中あった側近のチョ・グクを法相に任命して、日本のテレビも、一時、その話題でもちきりだった。
 といっても、スキャンダルの扱いで、通称タマネギ男≠フ身辺をさぐっておもしろがっただけだった。
 これはメディアの重大なミスリードで、日本を敵性国家にすえ、南北統一と国家の社会主義化をめざす文政権の脅威も、文在寅の後継者で、文に勝るとも劣らない反日主義者チョ・グクの正体をつたえることもなかった。
 文政権が革命政権であることは、前政権がむすんだ条約や外交上の約束事を平然とふみにじるところにあらわれているが、さらに際立っているのが、文が希代の空想家という点である。
 マルクス主義が、かつて、空想的社会主義と呼ばれたように、左翼の根本にあるのが空想で、文在寅が、非現実的で支離滅裂、虚言家なのは、根っからの左翼だからである。
 文は、保守派と親日派がつくったものだとして、現在の韓国をみとめない。
 8月15日の光復節には、2つの意味があって、一つは、植民地支配からの解放(1945年)で、もう一つは、大韓民国の建国(1948年)である。
 歴代大統領は、この日、式典で、民族解放と国家建国の両方を祝賀してきたが、文在寅は、今年の光復節で、大韓民国建国に一言も触れなかった。
 韓国には国家としての正統性はなく、北朝鮮こそが朝鮮民族の真の国家だとする歴史観に立っているからで、この現実離れが、文政権の本質である。
 なぜ、韓国人は、文のような風変わりな夢想家を支持するのか。
 韓国国民の3割が左派で、3割が保守、3割が浮動票といわれる。
 そのなかで、文政権を支持しているのは3分の1以下で、与野党の差も拮抗している。
 それでも、文の支持率が40%台を維持しているのは、民労総がメディアの個別労組をうごかして、報道や世論調査を操作しているからという。
 くわえて、韓国では、日本悪玉論が国民的常識および良心で、政権が反日を叫ぶほど支持率が上がる独特の風土にある。
 日本人は、大統領制を民主主義政体と思っているが、実際は、議会や憲法をこえる権力をもつ独裁体制である。
 とくに、李承晩がつくった韓国の大統領制は、ヒトラーをうみだしたナチス独裁とかわるところがない。
 韓国大統領は国家元首で、三軍(陸・海・空)の統帥権をもつほか、三権の長や長官・大臣の任命権を有し、立法や司法にたいしても憲法で一定の権限をみとめられている。
 韓国の大統領独裁は、北朝鮮の金正恩の地位に似てなくもなく、文が政府の中枢をすべて腹心で固めたら、北の金王朝に対抗する南の文王朝ができあがる。
 文は、保守派・親日派の粛清と企業の国有化という大手術を施して、韓国を社会主義化したのち、北との統一を実現しようというのであろうが、夢想的というしかない。
 げんに、現実主義者の金正恩は、トランプだけに顔をむけて、文には罵倒を浴びせた。
 そのトランプは、中長距離弾道ミサイルさえ放棄すれば米朝間に問題はないとして、強硬派のボルトン補佐官を解任して、金に大甘なところをみせた。
 混沌としているのは、南北問題やアジアの安全保障、米中貿易摩擦だけではない。
 冷戦構造崩壊後、米ロ中から欧州までが一国主義に走って、集団安保や相互防衛、バランス・オブ・パワーから核の傘(相互確証破壊)の論理に至るまでがかつての有効性を失いつつある。
 そして、数十億ドルを費やした最新鋭の防空システムをくぐって、おもちゃのような小型無人機(ドローン)が、サウジアラビアの巨大な石油産業施設を壊滅的に破壊する事件がおきた。
 地殻変動がおきているのは、防衛や安全保障、国際関係だけではない。
 中国やロシア、インド、ブラジルなど、資本主義と国家主義が合体した国家資本主義の台頭が著しく、米ソ貿易摩擦は、欧米型資本主義と国家資本主義のたたかいということもできる。
 中国経済は約600兆元(約9700兆円)の負債をかかえ、若者は平均で年収の1・5倍の借金(消費者金融)を負っている。
 金融バブルだが、中国政府が人民元を刷りまくって、帳尻を合わせている。
 アメリカ経済も、国家が救済しなければ、リーマンショックをひきおこしたサブプライムローンのような問題がいつおきるかわかったものではない。
 世界の動向は、安全保障も経済も、一国主義へむかいつつあって、日米安保も、けっして、磐石ということはできない。
 ところが日本では、武器を捨てると平和になる、憲法9条が平和をまもってきたという夢想的平和主義がまかりとおって、世界を覆っている一国主義のリアリズムから遠く隔たっている。
 どこかの国と似ていないだろうか?
 反日を叫ぶ新聞世論に引きずられて、左傾化へとむかう韓国と、平和を叫ぶリベラル派にひきずられて、憲法9条の廃棄や核ミサイル配備をふくめた自主防衛の議論ができない日本は、じつは、似た者同士なのである。
 韓国は反日主義に、日本は平和主義に足をひっぱられて、それぞれ、現実を見失っている。
 防衛や経済などの分野で、世界が直面しているリアリズムと、日本や韓国が浸っている空想論とのちがいはいかばかりか。
 次回から、世界へ目を転じて、反日へ走る日本と韓国の空想的左翼の病根をさぐってゆこう。

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2019年09月09日

恨(ハン)と反日をうんだ朝鮮半島の地政学的悲劇C

 ●反日をバネに南北統一をめざす文在寅の野望
 韓国の反日は、複合的な民族感情で、一筋縄ではゆかない。
 小中華思想にもとづく対日蔑視、中国の属国だった事大主義と恨(ハン)という情念、儒教の後進性と李王朝の腐敗と貧困、日本の属国になった負い目が重なって、反日という日本憎しの民族感情がうまれた。
 その反日感情を政策化したのが、戦後の初代大統領、李承晩だった。
 当時、日本から分断された韓国は、世界の最貧国へと没落して、日本時代を懐かしむ声が国中にあふれていた。
 独裁者として、最高権力を握った李承晩は、この声を封殺すべく、新聞社や教育機関を総動員して、日本時代が地獄だったとするデマゴギーをふりまいた。
 韓国の三大紙が、いまなお反日の宣伝塔となっているのは、その名残である。
 李承晩は、李承晩ラインを敷いて、日本の漁民3929人を抑留、29人を殺して、さらに、竹島を奪っている。
 李承晩は、民間人6万人余を虐殺した済州島「四・三事件」(1948年)の責任者で、1960年の退陣要求デモでは、警官隊に発砲を命じて186人の命を奪った。
 史上最悪の大統領、李承晩の反日は、独裁から目を逸らさせ、自国民の大量虐殺という惨事を隠蔽するためだった。
 この政策的反日を再現したのが、李承晩失脚から43年後、李承晩とは正反対の左翼政権だった。
 盧武鉉大統領と文在寅大統領秘書室長コンビによる「反日法」(親日派財産を没収する特別法)の公布と日本の原発を標的とした巡航ミサイル「玄武3」の配備がそれである。
 中央日報によると、盧武鉉は米韓安保協議会(SCM)で日本を米韓共通の仮想敵国にするように提案して、当時のラムズフェルド国防長官に深い不信感を抱かせている。
 日韓GSOMIAの破棄につづく竹島での軍事演習、日本を仮想敵国とする軍事予算の拡大(4兆円/日本5兆円)は、盧武鉉から文在寅へひきつがれた反日戦略の一環で、この段階で、日本は、韓国の仮想敵ではなく、正敵と位置づけられた。
 その先にあるのは、自由主義陣営からの離反で、文在寅は、保守派と親日勢力の一掃と大企業の国営化という社会主義化の方向へ舵を切ったのである。
 韓国経済を牽引してきたサムスングループの李在鎔副会長を逮捕起訴したのは、国有化の布石で、サムソンは、すでに、生産拠点をベトナムへ移し、他の有力企業も、いくつか、本社機能の移転を検討している。
 とくに、親日派企業は、反日法や司法につよい影響力をもつ国民情緒(法)によって、いつ、権力から摘発されてもおかしくない危機にさらされている。

 国家元首と行政府の首班を兼ねる韓国の大統領は、警察・検察・司法をふくめたすべての国家権力機関の長を任命できる絶大な権限をもっている。
 それが、李承晩がつくった青瓦台(大統領府)の独裁体制である。
 文在寅は、すでに、政府や官僚組織、軍隊にまで手をのばして、要職を左翼陣営で固めた。
 その仕上げが、゙国(チョ・グク)元大統領府首席秘書官の法務大臣起用である。
 文在寅は、゙国を使って、韓国で圧倒的な力をもつ検察を掌握、その゙国を次期大統領に据えるはらづもりである。
 検察をふくめたすべての権力を掌握して、文在寅後も、゙国を次期大統領にすえて、じっくりと韓国の社会主義化をすすめようというのである。
 
 盧武鉉から文在寅、゙国ら韓国左翼は、朝鮮半島の国家の正統性を北におく特有の歴史観、価値観の上に立っている。
 本来、北の社会主義者とともに、祖国統一をめざさなければならなかったのに、保守派が親日派と手を握ったために、分裂国家になってしまったというのである。
 したがって、国家を分断した親日派・保守派を真っ先に清算しなければならない。
 韓国左翼にとって、朴正煕の「漢江の奇跡」も日本の経済援助も、南北統一の妨害でしかなかったのである。
 文政権(青瓦台)の周辺には、共産主義者や北朝鮮の主体思想にカブれた極左や「日本は絶対悪、韓国は絶対善」を信奉する反日原理主義がごろごろしている。
 文大統領は、「光復節」で「2045年までに南北統一を実現させ、8千万人の単一市場と日本をおいこす平和経済を構築する」と謳いあげた。
 かつて、金日成が提案した高麗連邦構想の二番煎じだが、妄想である。
 韓国と北朝鮮の体制上のちがいは、資本主義と共産主義だけにとどまらない。。
 決定的なのは、近代国家と前近代社会のちがいで、北朝鮮は、金正恩の私物国家である。
 金正恩は、民主主義も自由主義も、人権も法の下の平等も、議会などの近代的制度もうけいれない。
 最大の問題は、独裁と普通選挙法の相違で、これは永遠に解決がつかない。
 現体制のまま、南北統一すれば、粛清によって、南の保守系が皆殺しになるか、それとも、金正恩以下、金一族が刑務所に送りこまれるかどちらかになる。
 そもそも、原爆やミサイルの共同管理がかんたんにゆくわけはない。
 米韓軍事訓練をきっかけに、突如、金正恩が、文在寅を罵倒しはじめた理由がそこにある。
 南北統一は、金正恩にとって、原爆を使って、南を屈服させることで、民主化でも自由化でも、まして、金王朝を否定する高麗連邦共和国でもなかったのである。
 金正恩が生きているかぎり、南北統一は100%実現しないと断言できる。
 それより可能性が高いのは、韓国の中国化で、文在寅の社会主義化がすすんでゆけば、韓国は、中国の一部となる可能性がでてくる。
 統一新羅から高麗、李王朝にいたるまで、朝鮮は、みずからすすんで中国の属国となってきた千年の歴史があり、小中華思想は、韓民族の誇りでもある。
 韓国が中国の一部なれば、朝鮮半島は、二国二体制で、南北が共存できる。
 文在寅が、金正恩から罵倒されても、韓国の社会主義化という方針にぶれがなかったのは、中国の一部になるという小中華へのノスタルジーがはたらいていたせいだったろう。
 韓国の「反日・離米」がつづけば、トランプの公約どおり、近い将来、アメリカは半島から撤退する。
 すると、東アジアの勢力版図は、劇的に、ダイナミックに変化してゆく。
 1950年にアチソン米国務長官が「共産主義を封じ込める」ために、宗谷海峡から日本海、対馬海峡、台湾東部、フィリピンへ抜けるアチソンラインという防衛線を設定した。
 北朝鮮が南朝鮮へ攻め入ったのは、当初、朝鮮半島がアチソンラインの外側にあったからで、北は、アメリカが朝鮮半島に介入しないと読みちがえたのである。
 アチソンラインがふたたび朝鮮半島の外側に引かれると、東アジアは、日清戦争以前の混沌とした状態になる。
 そうなると、日本は、赤化朝鮮や共産党独裁の中国と、直接、対峙しなければならなくなる。
 日米同盟の強化が望まれるが、中国と朝鮮半島、ロシアの3国に対抗するには、それだけでは、不十分である。
 安倍首相が提唱して、トランプ大統領やマンモハン・シン印首相が賛同する日米印同盟(インド太平洋構想)がその対抗軸として浮上してくる。
 太古の昔から日本を悩ませてきた半島問題には、大きな視野をもってあたらねばならないのである。
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2019年09月04日

恨(ハン)と反日をうんだ朝鮮半島の地政学的悲劇B

 ●事大主義と小中華思想に回帰する文在寅
 韓国の反日には、2つの要素が重ね合わさっている。
 一つは、歴史や宗教、民族性など、両国の文化的差異である。
 海洋国家と内陸国家、神道と儒教、単一民族と複合民族など、両国には多くのちがいがあるが、なかでも、とりわけ、韓国が、日本と異なるのは、周囲を中国や北方民族、ロシアら強国にとりまかれている地政学的な特殊性である。
 そこから、小中華主義や事大主義、そして、恨(ハン)という文化が生じた。
 朝鮮半島の恨(ハン)文化は、恩や感謝、和などの日本人の価値観の対極にあって、水に流す文化と恨み500年では、とうてい、わかりあえない。
 反日や嫌韓の前に、日韓には、そもそも、相互理解の土壌がなかったのである。
 それならば、条約や法、外交手続きだけのクールな付き合いしかないということになる。
 ところが、韓国は、時別扱い(ホワイト国)をやめると激昂、国をあげての反日運動に走って、謝罪は永遠にくり返せ、外交上の合意はいつでもひっくり返せる(文在寅大統領)などといいだす始末で、手に負えない。
 二つ目が、文大統領の個人的野心で、来年の国政選挙で勝ち、2021年の大統領選挙で後継者に政権をゆずるまで、現在の左翼政権をまもろうというのである。
 保守つぶしと北の金王朝への接近をはかる文政権が、切々とうったえているのが、反日で、反日教育が徹底している韓国では、反日をうったえるだけで、南朝鮮(韓国)の北朝鮮化にドライブがかかる。
 識者の多くは、日韓併合が反日の原因というが、韓国の反日は、朝鮮民族の遺伝子というべき恨(ハン)からにじみでてくるもので、根っこにあるものはもっと深い。
 韓国人は、日本人を劣等民族として蔑視する特有の世界観をもっている。
 それが、小中華思想で、日本人は、かれらにとって、夷狄や禽獣(東夷)のたぐいで、蔑視の対象だった。
 反日の根拠は、そこにあって、東夷として蔑んできた日本に支配され、援助をうけてきたコンプレックスがねじれ曲がって、日本憎しの感情を増幅させている。
 これは、朝鮮が、夷狄とする清の属国となったのと同じ構造で、朝鮮王の仁祖は、清の太宗の足下で「三跪九叩頭(額を地面に9回も打ちつける)の礼」をもって、屈辱の服従をしいられている。
 朝鮮は、紀元前3世紀、衛氏朝鮮が冊封されて以来、日清戦争で日本が清を破って、朝鮮を独立させる(下関条約)まで、中国の属国だった。
 七世紀、日本と百済、高句麗が接近すると、新羅は、唐と同盟関係をむすんで、朝鮮半島の大部分を奪い取る。
 その最後の決戦が、白村江の戦い(663年)で、日本・百済遺民の連合軍が、唐・新羅連合軍に破れた6年後、高句麗も滅ぼされる。
 統一新羅から高麗へ政権が移っても、属国関係はつづき、モンゴル帝国(元朝)の支配下にあった高麗は、二度にわたって日本侵攻(元寇)にくわわっている。
 高麗王位を簒奪した李成桂は、1392年、李氏朝鮮の初代国王に即位して明の洪武帝から朝鮮という国号と権知朝鮮国事(明の属国)の称号を授かった。
 属国関係は、清の時代へひきつがれて、結局、朝鮮は、660年の唐・新羅の同盟から、1910年の日韓併合まで1250年にわたって、中国の属国だったことになる。
 小国が大国に事(つか)える事大主義が、強大国にとりかこまれた弱小国が生きのびる方策の一つだったとはいえ、朝鮮半島は、そのために大きなツケを払わなければならなかった。
 それが、モラルの崩壊で、事大主義は卑屈と依存心を、小中華思想が傲慢と独善を、かつて、儒教は、両班の身分主義や勤労蔑視をうみだした。
 裏切りやウソ、恩知らずなど、精神文化が荒廃したなかで、決定的だったのが独立心の欠落だった。
 ソウル市にある「独立門」は、日本が日清戦争に勝って、韓国を独立させたことを記念する建物だが、文大統領は、これを韓国独立のモニュメントとカン違いして、2018年、独立門でおこなわれた式典に参列して万歳している。
 韓国が独立したのは、米軍統治下にあった1948年で、以後、朝鮮戦争とベトナム戦争において、韓国軍は米軍(国連軍)や米韓連合司令部の指揮下にあって、いまなお、韓国の戦時作戦統制権は米軍が握っている。
 これが「日・米・韓」と「中・朝」が、38度線を挟んでたもってきた軍事バランスで、その象徴がGSOMIA(軍事情報包括保護協定)だった。
 文大統領が、GSOMIAを破棄したのは、「日・米・韓」の枠組みを勝手に破った裏切りで、韓国は、アメリカにも牙をむいたのである。
 アジア安全保障は、ヨーロッパにおけるNATOのような多国間の集団安全保障体制ではなく、アメリカを軸とした二国間同盟の連結体で、アメリカは、アジア安保に中心(ハブ)的な役割をはたしてきた。
 それが、日米安全保障条約や米韓相互防衛条約、米比相互防衛条約、米豪の太平洋安全保障条約、台湾の防衛義務を定めた台湾関係法などで、アメリカを抜き去ると、アジアは、安保にかんして、無条約地帯になってしまう。
 よろこぶのは、核を保有する中国と北朝鮮で、アメリカという背骨を失った韓国は、中・朝の餌食になるだけである。
 ちなみに、日韓には、同盟関係はなく、PKO活動でも、日韓共同の作戦は韓国が拒絶するので、友軍関係にもない。
 文大統領がめざしているのは、南北統一と中国への属国化で、そのためなら日米を敵に回してでもよいというハラである。
 これは、小中華思想や事大主義への回帰で、恨(ハン)の思想が転化して、反日になったといえよう。
 次回は、文大統領の野望と反日で燃えたぎる韓国の行く末、東アジアの軍事バランスを検証してみよう。

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2019年08月30日

恨(ハン)と反日をつくりだした地政学的悲劇A

 ●なぜ韓国はモラルなき国家になったのか
 現在の韓国の繁栄が、日韓併合36年の延長線上にあるのは、世界史的事実である。
 そして、戦後、韓国は、日本の経済援助によって「漢江の奇跡」といわれる経済発展をとげ、ついに、世界の十指に入る経済大国になった。
 ところが、今年、小学校の教科書から、「漢江の奇跡」という文言が消えた。
 日韓併合が、悪らつな日帝の侵略だったとして、歴史から消されたのにつづく歴史の改ざんで、世界の最貧国だった李朝が、百年かけて、独力で、近代化と経済発展をなしとげたといっているのである。
 恨(ハン)はあるが、恩を知らないのが韓国で、その好例が、日本の資金と技術でつくられたソウル地下鉄(1974年)だろう。
 開通日を日本の終戦記念日(8月15日)に設定して、工事完成を急がせたが、開通式に一人の日本人も招待せず、式典で、日本への謝辞もなかった。
 駅建物から車両、運行システム、整備、運営方法まで、日本の指導をうけたにもかかわらず、である。
 歴史を失った民族は滅びるといわれるが、韓国にとって、歴史は、記憶するものではなく、ねつ造するものなのである。
 李朝末期の朝鮮は、国家的破産状態にあって、防衛や政治などの国家機能も失われて、民衆は、極度の貧困と飢餓、不潔と疫病、無秩序に苦しんでいた。
 そして、労働を蔑視する貴族や官吏、両班(ヤンバン)の搾取に喘いでいた。
 当時、朝鮮にいたイギリス人旅行家、イザベラ・バードはこう書いている。
「朝鮮には、盗む側(王族・両班)と盗まれる側(平民・奴隷)の二つの階級しか存在しない」
 日本が韓国を併合したのは、そのタイミングで、まっさきに、両班の廃止と奴隷の解放をおこなったのは、それが、朝鮮の近代化を阻んでいる元凶だったからだった。
 日本が、巨額の予算と多くの人材を投入して、朝鮮を近代化したのは、朝鮮半島の安定が、日本の安全保障に必要だったからだが、韓国に窮状に同情した伊藤博文らの建国の熱意があったことも否定できない。
 だが、その同情や朝鮮半島を立て直そうとする熱意は、報われなかった。
 それどころか、日韓併合から徴用工、慰安婦から福島原発に至るまで日本に文句をつけまくって、一方、ソウル地下鉄にように、えられた利益にたいする謝辞は一言もないのである。

 韓国では、乙巳五賊や丁未七賊、庚戌国賊などと称して、李完用ら親日的政治家を売国奴リストにのせる墓あばき≠笂韓併合時代の財産を子孫から没収する反日法、そして、文政権下では、日韓併合を賞賛すると2年の懲役刑が科せられる「歴史歪曲禁止法」までが発議される事態になっている。
 過日、「従軍慰安婦は本人にその意志があった」と発言した大学教授が免職の上、懲役6か月の実刑判決をうけたというが、現在、韓国では、親日的発言にたいするリンチ的な刑罰が堂々とまかりとおっている。
 反日法は事後法で、時効や人格権が無視されたが、反日どころか、日本敵視が政策化、法制化されている現在の韓国では、言論の自由や基本的人権、民主主義や法治主義などの近代主義が後退して、一〇〇〇年前からひきずってきたの恨(ハン)という怨念だけがうごめいている。
 恨(ハン)の文化は、内陸を中国や北方民族、ロシアに包囲されて、外洋を日本に封じられた朝鮮半島特有の地政学的、歴史的所産で、そこから生じたのが、小中華思想や事大主義などの特殊な民族性だった。
 小中華思想は、明が清に滅ぼされた(1644年)後、朝鮮が、中華思想を継承したとするもので、清は夷狄で、日本は倭夷、西洋は洋夷とされた。
 清を夷狄としながら、みずからすすんで、清の属国になるのは矛盾だろう。
 ところが、韓国には、へつらう、ウソをいう、裏切る、約束を破る、などの反道徳的な悪をゆるす民族的な感情論がある。
 仕方がなかったといえば、なんでもとおる自己弁護で、これも恨(ハン)の文化である。
 韓国の『中央日報』がこれを国民情緒法と呼んで、論陣(「憲法の上に国民情緒法がある」2002年 2月2日付社説)を張ったが、韓国では、大衆世論が、法律や条例、条約、大韓民国憲法さえも超越する。
 法の支配や時効や法の不遡及などの近代法の原則すら無視されるのは、そのためで、文大統領は、一回の謝罪や合意が、永遠につづくと思うのはおおまちがいだといってのけた。
 国民情緒法は、究極の大衆迎合だが、下級の地方法院から高等法院、大法院(最高裁)にいたるまで、判決の多くが、法よりも情緒、感情論というありさまで、韓国司法のモラル崩壊はとどまるところを知らない。
 モラルの崩壊が、恨(ハン)の文化の一つの側面でもあって、恥や美意識、体裁という観念が払底している。
 それが、世界の都市で問題になっている韓国の売春である。
 これは、朝鮮が中国にたいしておこなった「貢女(コンニョ)」の因習で、当時、朝鮮には、貢女を選別する役所のほか、早期の婚姻を禁止する制度まであった。
 貢女は、奴隷ではなく、エリートで、彼女たちは、身一つで、極貧の朝鮮から中国の上流階級へのしあがっていった。
 韓国で、売春が蔑視されるというのはウソで、最近まで、妓生 (キーセン)制度が残っていたように、韓国では、売春が、おおっぴらにおこなわれてきた公的取引だったのである。
 次回も、恨(ハン)の文化を詳しくみていこう
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2019年08月23日

頭≠ヘ全体主義胴体≠ヘ資本主義の怪物@

 ●反日を煽って南北統一をめざす文在寅
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、反日運動を煽るのは、政治的な思惑があってのことである。
 来年の「国会議員総選挙」と2022年の「大統領選挙」である。
 それまで、国民の支持を与党の「共に民主党」へひきつけておこうというのである。
 その武器が反日で、韓国では、反日を叫んでいれば、国民の支持が集まる。
 教育とプロパガンダで反日が絶対善≠ノなって韓国では、反日ほど国民の支持をえやすい政策はないのである。
 なにしろ、「歴史を反省しない日本」「盗っ人猛々しい」と日本を罵っただけで、過半数にみたない与党の「共に民主党」と文大統領の支持率が、たちまち50%を超えてしまう。
 文大統領が、反日を叫ぶ目的は、最終的に、南北統一である。
 中国が抗日を建国のスローガンにしたように、朝鮮半島も、反日という旗を押し立てて、南北を統一しようというのである。
 ところが、与党も文大統領も、安定的な基盤にのっているわけではない。
 与党の「共に民主党」が128議席、最大野党の自由韓国党が113議席という僅差では、野党5党が結束すれば、与野党の逆転をゆるすことになる。
 次回の総選挙で、保守系に大差をつけて勝たなければ、政権を失うどころか大統領も保守系に奪われて、南北統一という恩師の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領以来の夢が遠のいてしまう。
 文大統領の南北統一の構想は、韓国を社会民主主義に変えて、北朝鮮に資本主義を導入しようというものである。
頭≠ヘ全体主義で胴体≠ヘ資本主義という化け物は、革命にほかならない。
 革命をとおして、南を北に接近させようというプランは、左翼政権以外では実行に移せない。
 文大統領は、なにがなんでも、国民の支持をとりつけて、南北統一へむかいたいのである。

 韓国の保守は、日韓併合と戦後の日本の経済援助が、現在の韓国をつくったという基本認識をもち、その上での反日なので、それほど深刻ではない。
 ところが、左翼の反日は、日韓併合を侵略とみる被害者史観に立っている。
 その上に、恨(ハン)や火病(ファビョン)などの民族感情、周辺緒民族を夷狄や禽獣とみる小中華意識、大国に媚びへつらう事大主義などが複雑からみあって、論理や理性、合理性では説明がつかない反日病≠ニいうべき様相がつくりあげられる。
 朴正煕(パク・チョンヒ)以来、反日を売り物にした最初の大統領が、文在寅の師である盧武鉉だった。
 日本の左翼政党が、じぶんの国家を目の敵にするように、韓国の左翼政党は日本と現在の韓国をつくりあげた自国の恩人たちを目の敵にする。
 日韓併合を悪とする史観に立っているので、あらゆる価値観がねじまがっているのである。
 退任後、自殺に追い込まれた盧武鉉は、葬儀にかけつけたブッシュ大統領と盟友の関係で、米韓関係にはいささかのゆるぎもなかった。
 ところが、日韓関係は、盧武鉉時代に決定的に悪化した。
 政権地盤が弱かったため、日本統治時代の「親日派」の子孫を排斥弾圧する反日法をつくるなど、つぎつぎと反日政策をうちだして、国民の支持をえた。
 盧武鉉が歴代第一位の人気を誇っているのは、もっとも過激な反日派だったからで、韓国が日本全土とりわけ原発を標的とした巡航ミサイル「玄武3」を配備したのは盧武鉉政権のときだった。
「日米韓同盟」などとのんきなことをいっているのは、日本だけで、とりわけ日韓議員連盟は、友好親善をタテマエに、いまなお、韓国の利益代表を自認している。

 文大統領の反日が危険水域≠こえたのは、視野のなかに南北統一があるからで、「北朝鮮と経済協力して日本を追い抜く」というのは、なかば本気なのである。
 それが、いま韓国に漂っている奇妙な高揚感で、曰く、「南北統一が実現すれば核戦力と安い労働力が手に入る」「軍事と経済で日本を圧倒する」という。
 頭のなかで、南北統一という妄想と文在寅の支離滅裂がごちゃまぜになっているのである。
 もともと、韓国の左翼は、反日の延長で、妄想というしかないものである。
 盧武鉉から文在寅にいたる民主党系政権に左翼色がつよいのは、韓国労総がくわわっているからで、政権のまわりを左翼マスコミや韓教組、市民運動などの極左・反日グループがとりまいている。
 韓国では、左翼系と保守系、中間派によって3分割されているといってよい。
 文大統領の南北統一派は、約三分の一にすぎないが、これが、世論の大勢となっている理由は、反日の優等生といわれる朝鮮日報と東亜日報、中央日報の三大紙(これに呼応するのが日本の朝日新聞)が、中間派をまきこんで、南北統一派をバックアップしているからである。
 文政権が、感情論やイデオロギー、洗脳や扇動で、国民を反日にむかわせているのは、自国の体制を北朝鮮・中国側に近づけるためで、もとめているのは共産主義的・全体主義体制の構築である。
 元徴用工や慰安婦、福島第1原発事故に焦点をあてた放射性物質検査などの難問などを日本につきつける「官製反日」の目的は、反日を旗印に韓国国民を南北統一へむかわせるためである。
 韓国では、反日の叫ぶと、内閣の支持率が上がるという方程式が成立している。
 ところが、文大統領の思惑は、もののみごとに外れた。
 金正恩が米韓合同軍事演習に腹を立てて、文大統領の対話呼びかけ拒否したのである。
 すると、文大統領は、日米韓同盟のシンボルというべき軍事情報共有協定(GSOMIA)の破棄を日本に通告してきた。
 金正恩のご機嫌をとるために、同盟国アメリカや友邦の日本を裏切ったのである。
 文在寅の迷走を凝視しているのが、中国で、その背後にロシアが控えている。
 朝鮮半島情勢は、やがて、日米印と中ロのより大きな対立構図へ移ってゆくだろう

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2019年08月09日

タテマエ政治から脱却せよD

 ●韓国の恨(ハン)はどこからきたのか
 日帝36年の植民地支配によって、恨み500年の恨(ハン)や反日の情念が生じたとする識者がすくなくない。
 そうなら、50年も日帝の植民地支配をうけた台湾、戦中、日帝の支配下に置かれたインドネシアなど南アジアの国々が、いまなお、親日的なことにどう説明がつくのか。
 韓国人の恨(ハン)には3つのルーツがあるように思われる。
 1、儒教(朱子学)
 2、小中華思想
 3、建国の歴史
 これに、朝鮮民族特有の精神疾患といわれている「火病(ファッピョン)」をくわえてもよいだろう。
 韓国の恨≠笏ス日は、この3つもしくは4つの要素がからみあった特殊な構造で、両班や科挙、宦官と同様、日本人には永遠に理解できない異文化なのである。
 中国の反日は、あくまで、政策で、一過性的なものである。
 したがって、中国政府が、反日政策をやめて、親日政策をとれば、かつての田中角栄の時代のように、親日パンダ外交となる。
 ところが、韓国の反日は、歴史や文化、民族感情というもっと深いところで生じた溝なので、そうはいかない。
 竹島や4千人の漁民拿捕と50人以上の犠牲者をだした李承晩ライン、韓国人の売春業を日本軍にすりかえた従軍慰安婦問題をみてわかるように、韓国の反日は、理不尽で、合理性のかけらもみあたらない。
 怨念や感情論による反日なので、反日デモでは、異様なことに、キジやブタが虐殺される。
 恨(ハン)が、優越感や傲慢の裏返しだったことを見落としてならない。
 他者を侮っているからこそ、それが、ひっくり返されたとき、悲や怒、憤をとびこえて、一足飛びに、恨というより深い感情があらわれる。
 ニーチェのいうルサンチマンで、弱い者は、強者を悪と見る(=呪う)ことによって、みずからを慰める。
 恨(ハン)こそ、強者を悪として呪うルサンチマンで、韓国にとって、まさしく、日本は、恨の対象だった。
 三韓征伐から豊臣秀吉の朝鮮出兵、実力で李朝に開国を迫って日朝修好条規をむすばせた江華島事件、日清・日露戦争、日韓併合――朝鮮半島は、アジアへ勇躍せんとする日本のいわば主戦場であった。
 小中華思想という固定観念のなかで、日本を蔑視していた韓国が、その日本から逆ねじをくわされて、逆上したのが、反日主義という国民的感情論だったのである。

 恨の韓国には、義理や人情、恩や公の精神≠ェない。
 義理や人情、恩や公の精神≠フ日本には、恨はない。
 このちがいは、歴史のちがいで、民族の心は歴史によってつくられる。
 三国時代の韓国は、中国の地理書『山海経』や『三国志魏志東夷伝』などに穏健にして自尊、武勇、快活さに富むと書かれている。
 当時、朝鮮半島に住んでいた三国人は、日本人に似た気質をもっていたのである。
 とりわけ、半島沿岸部の百済人は、中部の新羅人、北東部の高句麗人と比べて、日本人に近かったとつたえられる。
 中国大陸についてもいえるが、半島の沿岸部は海洋国家的で、大陸や半島の一部が列島とつながっていた時代から、日本と深い交流があって、百済に隣り合っていた任那には日本府があった。
 百済は、仏教のほか千字文(漢字の教本)や『論語』(十巻)がつたえられるなど、日本にとって、兄弟国であった。
 だが、高い徳と文化を誇った三国時代は、新羅による朝鮮半島の統一という予期せぬ出来事によってあっけなく幕を閉じる。
 新羅による朝鮮統一は、外勢である唐と結託して、当時、アジアで最高級の文化と芸術性を誇った百済と軍事的大国だった高句麗を滅亡させるというもので、百済の滅亡(660年)と高句麗の滅亡(668年)は朝鮮半島にとってはかりしれない損失であった。
 このとき、長い歴史を誇った百済と高句麗の文化財は、すべて、灰になった。
 王朝や官僚は、日本に亡命した以外、虐殺されて、民族もちりぢりになった。
 これが、恨(ハン)の構造で、この悲劇は、高麗王朝でもくり返される。
 すすんで、唐や明の属国になることによって、卑怯、利己主義、卑屈、日和見主義をはびこらせ、韓民族を転落させたのだった。
 9世紀にはいって、唐の衰退にともなって、新羅も衰退すると、王建が高麗王朝を建国して、朝鮮半島を統一する。
 高麗は、宋や契丹、金、モンゴルに服従しつつ、5百年近く王朝を維持する。
 二度目の悲劇がおきたのは、1388年、高麗軍の明攻撃のさなかだった。
 高麗の司令官だった李成桂は、敵前逃亡して、鴨緑江から3万8000人の軍勢を平壌に引き返させ、クーデターをおこなうのである。
 高麗500年は、李成桂の裏切りによって、滅びたのである。
 1392年に李朝を創設した李成桂は、明に臣下の礼をとって、属国に成り下がったが、さらに、李朝は、1637年、こんどは、清に服従する。
 事大主義は、孟子の「以小事大」(=小を以って大に事える)の一節で、長いものには巻かれろほどの意味だが、これが、国家と国家の関係では、亡国思想となる。
 主権を放棄して、相手国に媚びることは、相互尊重が基本の国家関係において、あってはならないことである。
 そんなことがおきれば、国家のみならず、国民のモラルまで崩壊してゆく。
 モラルの第一義が国家をまもることで、人間のモラルは、その上に成立している。
 韓国で、国家的・国民的モラルハザードがおきている理由が、これで明らかだろう。
 国家の独立をもとめず、民族的モラルを放棄した結果、韓国は、国家としても民族としても、たちゆかなくなってしまったのである。
 日韓関係は、韓国側の精神疾患的な欠陥が改善されないかぎり、いかなる展望も見出せないのである。
posted by office YM at 11:59| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする