2018年10月15日

神道と世界最古の文明「縄文文化」65

 ●自主憲法制定と日米地位協定(2)
 親米保守というのは、ありえないスタンスで、親米なら革新でなければならない。
 なぜなら、アメリカは革命国家で、独立宣言以前の歴史や伝統をひきついでいないからである。
 スペイン人がマヤ文明やアステカ文明を滅ぼしたように、アメリカ人はインディアンを絶滅させ、数億頭いたバッファロー(野牛)をすべて撃ち殺した。
 ヨーロッパのプロテスタンティズムや産業革命をうけついでいるが、これは歴史の連続性をひきついだわけではなく、移民文化であって、そこが新興国家アメリカのスタート地点となった。
 親米保守の保守は、もともと、反共という意味合いで、1950年代のマッカーシズム以降、アメリカは、反共に転じたが、前大戦では、共産党国家ソ連と同盟関係にあった。
 日本の親米保守は、したがって、親米反共という意味になるが、反共ということばは、すでに死語である。
 すると、保守も反共もふっとんで、吉田茂以来の親米云々は、親米従属なるただの対米コンプレックスだったことになる。
 吉田ドクトリンは、安全保障をアメリカに依存して、経済復興と経済発展を最優先させる軽武装・経済外交型の国家戦略のことで、これと相補的な関係にあったのが、陸海空戦力と交戦権の放棄を謳った憲法9条だった。
 吉田ドクトリンは、憲法9条をテコに、日本の防衛をアメリカにおしつけるもので、このいびつな日米関係が、サンフランシスコ講和条約以降、日本の対米依存の基本構造となった。
 いびつというのは、9条というモラトリアム(責任免除)法が、対等であるべき二国間関係を阻害しているからで、アメリカにしてみれば、国家防衛(核の傘を含む)を依存しておいて、対等な国家関係をもとめるのは虫がよすぎるという理屈になる。
 もっとも、このいびつな関係は、アメリカにとって好都合でもあって、日本防衛を口実に極東に軍事拠点をもてるばかりか、自衛隊を極東米軍の支援部隊とすることができる。

 いずれにしても、憲法9条というモラトリアム法があるかぎり、アメリカは対日関係において、優位に立つことができる。
 それが如実にあらわれているのが日米地位協定と駐留米軍経費負担である。
 日独伊の駐留米軍経費負担率は次のとおり(2002年)である。
 日本   負担率74・5% 44億1134万ドル
 ドイツ  負担率32・6% 15億6392万ドル
 イタリア 負担率41・0%  3億6655万ドル
 日本の駐留米軍経費負担率は独伊の2倍余、金額にして3〜15倍の開きがある。
 さらに大きな差があるのは、地位協定で、米独、米伊関係が対等なのにたいして、日米関係だけが不平等になっている。
 たとえば、駐留米軍への適用法規だが、独・伊では、国内法が適用されるのにたいして、日本では、国内法が適用されない。
 米軍基地への立ち入り権についても、独・伊とも無条件に可だが、日本は不可である。
 訓練演習に対しては、独・伊の場合、事前通告と承認が必要となるが、日本の場合、通告も承認も必要がない。
 事故の調査権でも、独・伊が独自で調査できるのにたいして、日本は米軍の同意が必要となる。
 さらに差別的なのは、一般犯罪の捜査で、容疑者の米国兵士が基地内にいる場合、日本の捜査権・逮捕権・裁判権がおよばないばかりか、米軍が容疑者を除隊帰国させてしまうケースもあって、お手上げ状態である。

 日本がアメリカに譲歩的なのは、自国防衛をアメリカにゆだねているからである。
 現実はどうあれ、法の上では、日本は無防備で、交戦権をもたない。
 交戦権をもたないということは、国家主権を放棄するということで、国家としてこれほど恥ずべき醜態はないが、戦後のゆるみきった世相において、その反省はないにひとしく、かつて、誇り高かった日本人の名誉は完全に失われている。
 現在、日本は、解釈改憲で、世界第六位の軍事力を有している。
 だが、現実に、日本の軍事力を担保しているのは、日米安保条約である。
 対米関係がなければ、日本は、法文(条約)上、丸腰で、領土を奪われても攻め込まれても、抵抗もできない弱虫国家ということになる。
 国家主権の放棄――これを平和主義というのは、日本共産党とそのシンパの悪質なデマゴギーで、自国を防衛できない国は、平和どころか、紛争当事国となるのが、歴史の教訓である。
 独立国家の気概や尊厳を捨て去って、アメリカや中国、ロシアなどの大国と張り合うのはできない相談で、それどころか、日本は、韓国や北朝鮮からもばかにされている。
 憲法改正あるいは、自主憲法を制定すれば国家国民の誇りを取り戻すことができるだろうか。
 否である。
 自民党の改憲案にして、9条温存など、解釈改憲から大幅に後退している。
 これに公明党の環境権や社民主義的な人権法や福祉法、国家主権の制限法がくわわって、新憲法が現在のものより左翼的になるのは火を見るよりも明らかである。
 というのも、改憲議論になれば、朝日・毎日・中日を中心に新聞左翼がキャンペーンを張るはずだからで、民主主義に批判的な保守の論旨より民主主義に追従する革新・左翼の論調のほうが大衆受けするのである。
 次回以降は、天皇条項を中心に、自主憲法制定の基本ラインをのべよう。

posted by office YM at 02:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月08日

 神道と世界最古の文明「縄文文化」64

 ●自主憲法制定と日米地位協定(1)
 風さゆる 冬は過ぎて まちにまちし 八重桜咲く 春となりけり
 これは、昭和二十七年四月二十八日、サンフランシスコ平和条約が発効して日本が独立を回復した折に天皇陛下が詠まれた和歌である。
 日本はそれまで旧連合国、現在の国連常任理事国の占領下にあって、言論は統制され、日本の伝統や国体、民族文化が破壊されかねない危機にさらされていた。
 日本が主権を回復したとき、陛下は、明治神宮と靖国神社に参拝された。
 独立回復をよろこび、明治天皇と戦没者にこれをご報告されたのである。
 日本に神風が吹いたというのは、結果として、国体が護持されたからである。
 この時点で、GHQ憲法は無効となっていたはずである。
 イギリスの植民地だったアメリカ、ナチスに屈したフランス、日本との合併下にあった朝鮮が、独立戦争や解放戦争、日本の敗戦によって、それまで隷属的だった法体系から開放されたのは当然で、日本も、そのとき、吉田茂首相が独立宣言をおこなって、憲法廃棄を宣言していれば、現在にまで尾を引く憲法問題は存在しなかっただろう。
 ところが、GHQ憲法を残し、日本をアメリカの庇護下におこうとした吉田茂は、社会党とつうじて、憲法の破棄ではなく、改正という方法論をえらんだ。
 吉田が目をつけたのが、各議院の総議員の三分の二以上、国民の過半数の賛成票を必要とする九十六条の改正条項だった。
 吉田はこのとき、社会党が、憲法改正の拒否できる三分の一票を獲得できるように裏工作をおこない、その社会党に改憲反対をけしかけた。
 以後、憲法議論は、閣議決定や多数決で可能な破棄ではなく、総議員の三分の二以上が必要な改正へふりかえられて現在に到っている。
 渡部昇一や石原慎太郎ら多くの保守論客が憲法破棄論を訴えたが、マスコミは完全無視して、憲法論議を、事実上、実現不可能な改正論へと固定化させた。
 自主憲法制定が党是だった自民党も改憲へと軌道修正した。
 そして、日本共産党が、党勢拡大のために9条護持を謳うにいたって、憲法議論は不毛なデッドロックにのりあげてしまった。
 改憲・自主憲法制定論者を「好戦主義者」とする共産党一流のデマゴギーが世論の一角を占めるにいたって、まともな憲法論議が成り立たなくなってしまったのである。
 
 日本は、現憲法下で世界6位の軍事力をもち、イージス艦6隻、空中給油機6機、準空母2隻を保有するほか、900キロ級の巡航ミサイルの導入までをきめている。
 これを現憲法に照らすと9条2項(「陸海空軍戦力を保持しない」)に抵触するのは子どもでもわかる。
 日本は、憲法を改正せずとも、否、憲法を改正しないほうが、日本は適正な軍事力をもてるのである。
 むろんこれは、アメリカの都合で、トランプが過日、日本が日米貿易摩擦を緩和するに足るほどの米製武器を購入すると上機嫌だったことから、日本の防衛費は、今後、増えつづけると予想される。
 軍事超大国アメリカにとって、日本は、同盟国であるよりも、武器を買ってくれる大のお得意であって、それ以上ではない。
 ナチスに屈服したフランス・ヴィシー政権の法を戦後、撤廃したのはドゴールだったが、ドゴールは「同盟国とは共にたたかうが、運命は共にしない」と名言を吐いてもいる。
 ところが、日本は、アメリカの同盟国であるよりも運命共同体たらんとしている。
 サンフランシスコ講和条約によって、主権返還とGHQの撤退が実現して、日米安保条約発効したが、憲法にリライトされた占領基本法と日米地位協定は旧態依然のまま残った。
 これが対米属国の元凶で、日本国憲法および日米地位協定の主体者はアメリカである。
 憲法と日米地位協定があるかぎり、日本は、アメリカの属国でありつづけなければならないのである。
 安倍首相の9条加憲は、9条二項で「陸海空軍を保持しない」と謳いながら自衛隊を合法化するというもので、これは、精神分裂症的な大矛盾だが、日米の特殊な関係をみればうなずける。
 
 アメリカは日本に最新の武器を売りまくるが、その武器が、対米緊張にむけられたら目もあてられない。
 日本の軍事力が脅威になった場合、アメリカは、日本にたいして、軍隊が存在せず、交戦権ももたないという九条の原則をまもるようにもとめる。
 九条があれば、日米摩擦が生じたとき、時の政権を9条違反でゆさぶることができるのである。 
 アメリカは、ロッキード事件を仕掛けて、田中角栄を抹殺した実績をもっている。
 日本の首相が、武器輸出にからんで賄賂を取ったというスキャンダルを朝日新聞や日本共産党に流せば、まちがいなく、反米政権はつぶれて、親米政権が誕生する。
 日本の政治家を収賄罪でひっかけるにも、9条違反が格好のフックになる。
 アメリカは、超軍事大国であると同時に大謀略国家である。
 CIAがそのくらいのシナリオを書き上げるのは朝飯前だろう。
 しかも、アメリカは、敗戦が決定的だった国に二発の原爆を落として、殺傷能力テストをおこなった有色人種蔑視の国家でもある。
 アメリカにとって、憲法と日米地位協定は、日本を支配下に置くための悪魔の切り札だったのである。
 次回は、テーマを、対米関係から憲法、日米地位協定、防衛、いわゆるA級戦犯、天皇の靖国神社参拝までひろげていこう。
posted by office YM at 00:29| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする