2019年09月27日

一国主義に立つ世界と後れをとった日韓A

 ●反国家に立つ韓国の反日種族主義と日本のリベラル紙
 現在の険悪な日韓関係を象徴しているのが文在寅大統領の盗人猛々しい(「賊反荷杖」)≠ニいうことばだろう。
 ホワイト国から除外された腹いせからだけではない。
 歴史認識として、韓国人は、かつて、朝鮮半島を植民地支配した日本をドロボーと見ているである。
 スイスの国連人権理事会で、「徴用工の強制連行や奴隷労働はなかった、賃金の民族的差別はなかった」と講演した李宇衍は、韓国で、歴史を歪曲してきた人々を反日種族主義者≠ニ呼んだ。
「日本は絶対悪、韓国は絶対善」とする反日教育の申し子で、今回、日本製品不買運動に走った人々もそのなかにふくまれるが、なんといっても代表は反日を煽る韓国の新聞マスコミだろう。
 李宇衍らが共同執筆した「反日種族主義」が、目下、ベストセラーになっているのは意外だが、韓国世論は、もともと、保守と左翼、中間派で三分されていて、マスコミがつたえるように、左翼・反日一色ではない。
 もっとも、反日が正義にして良心の韓国にあって、保守派も反日の例外ではない。
 かれらが、表立って反日を叫ばないのは、現在の韓国が、いわゆる、日帝36年を土台にしている歴史や、日本から素材や部品、技術が入ってこなければ経済が成り立たない事情を知っているからである。
「日本製品不買運動」や徴用工・慰安婦問題の「反日デモ」ばかり報道されるが、文在寅打倒のデモや集会も頻繁で、「光復節集会」では、左派(左派従北集会)を圧倒する20万人動員(「太極旗連合集会」)で気勢をあげた。
 右派勢力のなかには、文在寅を「與敵罪(死刑)」で告発するグループがあるほか、北朝鮮を仮想敵にしてきた韓国軍の一部の退役軍人会派にはクーデターやテロの可能性までささやかれている。

 韓国の国論を分けている分水嶺が、国家と民主主義である。
 国家を念頭におくのが保守主義で、財界や経営者らに支持されている。
 一方、民主主義をささえるのは、反国家の立場に立つ組合や新聞マスコミで、保守がつくった国家を悪とみる人々である。
 民主主義は、革命理論で、国家と民主主義は、もともと、敵対関係にある。
 民主主義が、人類が最後にゆきついた最高哲学であるかのようにいうひとがいるが、革命によって、伝統や文化、習俗を失って、残ったのが多数決のみというのが民主主義の実態である。
 したがって、民主主義の信奉者は、例外なく、国家を否定する。
 国家観や歴史観をもちあわせないのが、文在寅と反日種族主義者である。
 それがかつて、事大主義や両班の退廃をうみだし、現在、南北統一=革命を夢想する朝鮮半島の土着的精神で、国家を忘れた韓国儒教の後遺症といえる。
 李宇衍は、慰安婦問題も徴用問題も、日本の良心的知識人からはじまったと指摘した。
 李のいう良心的知識人というのは、朝日・毎日、岩波書店のことである。
 歴史歪曲と国家侮辱、歴史冒涜をもって、かれらは、日本の良心的知識人を自認してきた。
 文在寅と反日種族主義者、日本の朝毎ら左翼マスコミの三者に共通しているのが、国家観念と国家にたいする現実感覚の欠落である。
 平和主義と民主主義さえあればよい左翼にとって、国家も主権も、軍備も防衛も、夢うつつの観念論で、現実の問題ではない。
 文在寅が提唱する大国参与型のユートピア的安全保障や、憲法9条が戦後の平和をまもってきたとする夢想的平和主義がそれで、防衛や安全保障が切実な世界との落差はいかばかりか。
 現在、世界情勢は、空想どころか、あざとい現実主義が、緊迫の度をましている。
 国家資本主義(ステートキャピタリズム)や中国モデルの世界浸透、パクス・アメリカーナと中国覇権主義の対決が、世界版図を大幅に書きかえようとしているのである。
 かつて、フランシス・フクヤマの『歴史の終わり』によって、自由民主主義にもとづく欧米型資本主義が、いったんは、完全に勝利したかにみえた。
 だが、自由民主主義を否定する中国資本主義が、日本を抜いて世界第二位の経済に躍り出るや、中国モデルが世界中にひろがって、欧米型資本主義は後退を余儀なくされている。
 国家資本主義は、ロシアや中国からインドやブラジルへ、ヨーロッパでもハンガリーやポーランドへひろがって、世界を自由主義や民主主義だけで語ることができなくなりつつある。
 国家資本主義が台頭してくると、自由主義や民主主義などのイデオロギーや文化的価値観にかわって、経済が、国家運営や外交戦略の要となってくるだろう。
 国家資本と、資本の国際化のハザマのなかで、貿易摩擦から防衛問題までが大きな問題として浮上してくるはずだが、歴史が教えるところでは、経済問題は、戦争で決着をつけるしかない。
 今後、世界情勢は、中国覇権主義とパクス・アメリカーナの対決という構図のなかで、熾烈さをましてゆくはずである。
 次回以降、朝鮮半島を視野の一角にいれて、日・米・中の国家戦略を展望していこう。
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2019年09月20日

一国主義に立つ世界と後れをとった日韓@

 ●「反日」とリベラルという日韓に吹く左翼風
 韓国の文在寅大統領が、不透明な資産運用など数々の疑惑の渦中あった側近のチョ・グクを法相に任命して、日本のテレビも、一時、その話題でもちきりだった。
 といっても、スキャンダルの扱いで、通称タマネギ男≠フ身辺をさぐっておもしろがっただけだった。
 これはメディアの重大なミスリードで、日本を敵性国家にすえ、南北統一と国家の社会主義化をめざす文政権の脅威も、文在寅の後継者で、文に勝るとも劣らない反日主義者チョ・グクの正体をつたえることもなかった。
 文政権が革命政権であることは、前政権がむすんだ条約や外交上の約束事を平然とふみにじるところにあらわれているが、さらに際立っているのが、文が希代の空想家という点である。
 マルクス主義が、かつて、空想的社会主義と呼ばれたように、左翼の根本にあるのが空想で、文在寅が、非現実的で支離滅裂、虚言家なのは、根っからの左翼だからである。
 文は、保守派と親日派がつくったものだとして、現在の韓国をみとめない。
 8月15日の光復節には、2つの意味があって、一つは、植民地支配からの解放(1945年)で、もう一つは、大韓民国の建国(1948年)である。
 歴代大統領は、この日、式典で、民族解放と国家建国の両方を祝賀してきたが、文在寅は、今年の光復節で、大韓民国建国に一言も触れなかった。
 韓国には国家としての正統性はなく、北朝鮮こそが朝鮮民族の真の国家だとする歴史観に立っているからで、この現実離れが、文政権の本質である。
 なぜ、韓国人は、文のような風変わりな夢想家を支持するのか。
 韓国国民の3割が左派で、3割が保守、3割が浮動票といわれる。
 そのなかで、文政権を支持しているのは3分の1以下で、与野党の差も拮抗している。
 それでも、文の支持率が40%台を維持しているのは、民労総がメディアの個別労組をうごかして、報道や世論調査を操作しているからという。
 くわえて、韓国では、日本悪玉論が国民的常識および良心で、政権が反日を叫ぶほど支持率が上がる独特の風土にある。
 日本人は、大統領制を民主主義政体と思っているが、実際は、議会や憲法をこえる権力をもつ独裁体制である。
 とくに、李承晩がつくった韓国の大統領制は、ヒトラーをうみだしたナチス独裁とかわるところがない。
 韓国大統領は国家元首で、三軍(陸・海・空)の統帥権をもつほか、三権の長や長官・大臣の任命権を有し、立法や司法にたいしても憲法で一定の権限をみとめられている。
 韓国の大統領独裁は、北朝鮮の金正恩の地位に似てなくもなく、文が政府の中枢をすべて腹心で固めたら、北の金王朝に対抗する南の文王朝ができあがる。
 文は、保守派・親日派の粛清と企業の国有化という大手術を施して、韓国を社会主義化したのち、北との統一を実現しようというのであろうが、夢想的というしかない。
 げんに、現実主義者の金正恩は、トランプだけに顔をむけて、文には罵倒を浴びせた。
 そのトランプは、中長距離弾道ミサイルさえ放棄すれば米朝間に問題はないとして、強硬派のボルトン補佐官を解任して、金に大甘なところをみせた。
 混沌としているのは、南北問題やアジアの安全保障、米中貿易摩擦だけではない。
 冷戦構造崩壊後、米ロ中から欧州までが一国主義に走って、集団安保や相互防衛、バランス・オブ・パワーから核の傘(相互確証破壊)の論理に至るまでがかつての有効性を失いつつある。
 そして、数十億ドルを費やした最新鋭の防空システムをくぐって、おもちゃのような小型無人機(ドローン)が、サウジアラビアの巨大な石油産業施設を壊滅的に破壊する事件がおきた。
 地殻変動がおきているのは、防衛や安全保障、国際関係だけではない。
 中国やロシア、インド、ブラジルなど、資本主義と国家主義が合体した国家資本主義の台頭が著しく、米ソ貿易摩擦は、欧米型資本主義と国家資本主義のたたかいということもできる。
 中国経済は約600兆元(約9700兆円)の負債をかかえ、若者は平均で年収の1・5倍の借金(消費者金融)を負っている。
 金融バブルだが、中国政府が人民元を刷りまくって、帳尻を合わせている。
 アメリカ経済も、国家が救済しなければ、リーマンショックをひきおこしたサブプライムローンのような問題がいつおきるかわかったものではない。
 世界の動向は、安全保障も経済も、一国主義へむかいつつあって、日米安保も、けっして、磐石ということはできない。
 ところが日本では、武器を捨てると平和になる、憲法9条が平和をまもってきたという夢想的平和主義がまかりとおって、世界を覆っている一国主義のリアリズムから遠く隔たっている。
 どこかの国と似ていないだろうか?
 反日を叫ぶ新聞世論に引きずられて、左傾化へとむかう韓国と、平和を叫ぶリベラル派にひきずられて、憲法9条の廃棄や核ミサイル配備をふくめた自主防衛の議論ができない日本は、じつは、似た者同士なのである。
 韓国は反日主義に、日本は平和主義に足をひっぱられて、それぞれ、現実を見失っている。
 防衛や経済などの分野で、世界が直面しているリアリズムと、日本や韓国が浸っている空想論とのちがいはいかばかりか。
 次回から、世界へ目を転じて、反日へ走る日本と韓国の空想的左翼の病根をさぐってゆこう。

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2019年09月09日

恨(ハン)と反日をうんだ朝鮮半島の地政学的悲劇C

 ●反日をバネに南北統一をめざす文在寅の野望
 韓国の反日は、複合的な民族感情で、一筋縄ではゆかない。
 小中華思想にもとづく対日蔑視、中国の属国だった事大主義と恨(ハン)という情念、儒教の後進性と李王朝の腐敗と貧困、日本の属国になった負い目が重なって、反日という日本憎しの民族感情がうまれた。
 その反日感情を政策化したのが、戦後の初代大統領、李承晩だった。
 当時、日本から分断された韓国は、世界の最貧国へと没落して、日本時代を懐かしむ声が国中にあふれていた。
 独裁者として、最高権力を握った李承晩は、この声を封殺すべく、新聞社や教育機関を総動員して、日本時代が地獄だったとするデマゴギーをふりまいた。
 韓国の三大紙が、いまなお反日の宣伝塔となっているのは、その名残である。
 李承晩は、李承晩ラインを敷いて、日本の漁民3929人を抑留、29人を殺して、さらに、竹島を奪っている。
 李承晩は、民間人6万人余を虐殺した済州島「四・三事件」(1948年)の責任者で、1960年の退陣要求デモでは、警官隊に発砲を命じて186人の命を奪った。
 史上最悪の大統領、李承晩の反日は、独裁から目を逸らさせ、自国民の大量虐殺という惨事を隠蔽するためだった。
 この政策的反日を再現したのが、李承晩失脚から43年後、李承晩とは正反対の左翼政権だった。
 盧武鉉大統領と文在寅大統領秘書室長コンビによる「反日法」(親日派財産を没収する特別法)の公布と日本の原発を標的とした巡航ミサイル「玄武3」の配備がそれである。
 中央日報によると、盧武鉉は米韓安保協議会(SCM)で日本を米韓共通の仮想敵国にするように提案して、当時のラムズフェルド国防長官に深い不信感を抱かせている。
 日韓GSOMIAの破棄につづく竹島での軍事演習、日本を仮想敵国とする軍事予算の拡大(4兆円/日本5兆円)は、盧武鉉から文在寅へひきつがれた反日戦略の一環で、この段階で、日本は、韓国の仮想敵ではなく、正敵と位置づけられた。
 その先にあるのは、自由主義陣営からの離反で、文在寅は、保守派と親日勢力の一掃と大企業の国営化という社会主義化の方向へ舵を切ったのである。
 韓国経済を牽引してきたサムスングループの李在鎔副会長を逮捕起訴したのは、国有化の布石で、サムソンは、すでに、生産拠点をベトナムへ移し、他の有力企業も、いくつか、本社機能の移転を検討している。
 とくに、親日派企業は、反日法や司法につよい影響力をもつ国民情緒(法)によって、いつ、権力から摘発されてもおかしくない危機にさらされている。

 国家元首と行政府の首班を兼ねる韓国の大統領は、警察・検察・司法をふくめたすべての国家権力機関の長を任命できる絶大な権限をもっている。
 それが、李承晩がつくった青瓦台(大統領府)の独裁体制である。
 文在寅は、すでに、政府や官僚組織、軍隊にまで手をのばして、要職を左翼陣営で固めた。
 その仕上げが、゙国(チョ・グク)元大統領府首席秘書官の法務大臣起用である。
 文在寅は、゙国を使って、韓国で圧倒的な力をもつ検察を掌握、その゙国を次期大統領に据えるはらづもりである。
 検察をふくめたすべての権力を掌握して、文在寅後も、゙国を次期大統領にすえて、じっくりと韓国の社会主義化をすすめようというのである。
 
 盧武鉉から文在寅、゙国ら韓国左翼は、朝鮮半島の国家の正統性を北におく特有の歴史観、価値観の上に立っている。
 本来、北の社会主義者とともに、祖国統一をめざさなければならなかったのに、保守派が親日派と手を握ったために、分裂国家になってしまったというのである。
 したがって、国家を分断した親日派・保守派を真っ先に清算しなければならない。
 韓国左翼にとって、朴正煕の「漢江の奇跡」も日本の経済援助も、南北統一の妨害でしかなかったのである。
 文政権(青瓦台)の周辺には、共産主義者や北朝鮮の主体思想にカブれた極左や「日本は絶対悪、韓国は絶対善」を信奉する反日原理主義がごろごろしている。
 文大統領は、「光復節」で「2045年までに南北統一を実現させ、8千万人の単一市場と日本をおいこす平和経済を構築する」と謳いあげた。
 かつて、金日成が提案した高麗連邦構想の二番煎じだが、妄想である。
 韓国と北朝鮮の体制上のちがいは、資本主義と共産主義だけにとどまらない。。
 決定的なのは、近代国家と前近代社会のちがいで、北朝鮮は、金正恩の私物国家である。
 金正恩は、民主主義も自由主義も、人権も法の下の平等も、議会などの近代的制度もうけいれない。
 最大の問題は、独裁と普通選挙法の相違で、これは永遠に解決がつかない。
 現体制のまま、南北統一すれば、粛清によって、南の保守系が皆殺しになるか、それとも、金正恩以下、金一族が刑務所に送りこまれるかどちらかになる。
 そもそも、原爆やミサイルの共同管理がかんたんにゆくわけはない。
 米韓軍事訓練をきっかけに、突如、金正恩が、文在寅を罵倒しはじめた理由がそこにある。
 南北統一は、金正恩にとって、原爆を使って、南を屈服させることで、民主化でも自由化でも、まして、金王朝を否定する高麗連邦共和国でもなかったのである。
 金正恩が生きているかぎり、南北統一は100%実現しないと断言できる。
 それより可能性が高いのは、韓国の中国化で、文在寅の社会主義化がすすんでゆけば、韓国は、中国の一部となる可能性がでてくる。
 統一新羅から高麗、李王朝にいたるまで、朝鮮は、みずからすすんで中国の属国となってきた千年の歴史があり、小中華思想は、韓民族の誇りでもある。
 韓国が中国の一部なれば、朝鮮半島は、二国二体制で、南北が共存できる。
 文在寅が、金正恩から罵倒されても、韓国の社会主義化という方針にぶれがなかったのは、中国の一部になるという小中華へのノスタルジーがはたらいていたせいだったろう。
 韓国の「反日・離米」がつづけば、トランプの公約どおり、近い将来、アメリカは半島から撤退する。
 すると、東アジアの勢力版図は、劇的に、ダイナミックに変化してゆく。
 1950年にアチソン米国務長官が「共産主義を封じ込める」ために、宗谷海峡から日本海、対馬海峡、台湾東部、フィリピンへ抜けるアチソンラインという防衛線を設定した。
 北朝鮮が南朝鮮へ攻め入ったのは、当初、朝鮮半島がアチソンラインの外側にあったからで、北は、アメリカが朝鮮半島に介入しないと読みちがえたのである。
 アチソンラインがふたたび朝鮮半島の外側に引かれると、東アジアは、日清戦争以前の混沌とした状態になる。
 そうなると、日本は、赤化朝鮮や共産党独裁の中国と、直接、対峙しなければならなくなる。
 日米同盟の強化が望まれるが、中国と朝鮮半島、ロシアの3国に対抗するには、それだけでは、不十分である。
 安倍首相が提唱して、トランプ大統領やマンモハン・シン印首相が賛同する日米印同盟(インド太平洋構想)がその対抗軸として浮上してくる。
 太古の昔から日本を悩ませてきた半島問題には、大きな視野をもってあたらねばならないのである。
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2019年09月04日

恨(ハン)と反日をうんだ朝鮮半島の地政学的悲劇B

 ●事大主義と小中華思想に回帰する文在寅
 韓国の反日には、2つの要素が重ね合わさっている。
 一つは、歴史や宗教、民族性など、両国の文化的差異である。
 海洋国家と内陸国家、神道と儒教、単一民族と複合民族など、両国には多くのちがいがあるが、なかでも、とりわけ、韓国が、日本と異なるのは、周囲を中国や北方民族、ロシアら強国にとりまかれている地政学的な特殊性である。
 そこから、小中華主義や事大主義、そして、恨(ハン)という文化が生じた。
 朝鮮半島の恨(ハン)文化は、恩や感謝、和などの日本人の価値観の対極にあって、水に流す文化と恨み500年では、とうてい、わかりあえない。
 反日や嫌韓の前に、日韓には、そもそも、相互理解の土壌がなかったのである。
 それならば、条約や法、外交手続きだけのクールな付き合いしかないということになる。
 ところが、韓国は、時別扱い(ホワイト国)をやめると激昂、国をあげての反日運動に走って、謝罪は永遠にくり返せ、外交上の合意はいつでもひっくり返せる(文在寅大統領)などといいだす始末で、手に負えない。
 二つ目が、文大統領の個人的野心で、来年の国政選挙で勝ち、2021年の大統領選挙で後継者に政権をゆずるまで、現在の左翼政権をまもろうというのである。
 保守つぶしと北の金王朝への接近をはかる文政権が、切々とうったえているのが、反日で、反日教育が徹底している韓国では、反日をうったえるだけで、南朝鮮(韓国)の北朝鮮化にドライブがかかる。
 識者の多くは、日韓併合が反日の原因というが、韓国の反日は、朝鮮民族の遺伝子というべき恨(ハン)からにじみでてくるもので、根っこにあるものはもっと深い。
 韓国人は、日本人を劣等民族として蔑視する特有の世界観をもっている。
 それが、小中華思想で、日本人は、かれらにとって、夷狄や禽獣(東夷)のたぐいで、蔑視の対象だった。
 反日の根拠は、そこにあって、東夷として蔑んできた日本に支配され、援助をうけてきたコンプレックスがねじれ曲がって、日本憎しの感情を増幅させている。
 これは、朝鮮が、夷狄とする清の属国となったのと同じ構造で、朝鮮王の仁祖は、清の太宗の足下で「三跪九叩頭(額を地面に9回も打ちつける)の礼」をもって、屈辱の服従をしいられている。
 朝鮮は、紀元前3世紀、衛氏朝鮮が冊封されて以来、日清戦争で日本が清を破って、朝鮮を独立させる(下関条約)まで、中国の属国だった。
 七世紀、日本と百済、高句麗が接近すると、新羅は、唐と同盟関係をむすんで、朝鮮半島の大部分を奪い取る。
 その最後の決戦が、白村江の戦い(663年)で、日本・百済遺民の連合軍が、唐・新羅連合軍に破れた6年後、高句麗も滅ぼされる。
 統一新羅から高麗へ政権が移っても、属国関係はつづき、モンゴル帝国(元朝)の支配下にあった高麗は、二度にわたって日本侵攻(元寇)にくわわっている。
 高麗王位を簒奪した李成桂は、1392年、李氏朝鮮の初代国王に即位して明の洪武帝から朝鮮という国号と権知朝鮮国事(明の属国)の称号を授かった。
 属国関係は、清の時代へひきつがれて、結局、朝鮮は、660年の唐・新羅の同盟から、1910年の日韓併合まで1250年にわたって、中国の属国だったことになる。
 小国が大国に事(つか)える事大主義が、強大国にとりかこまれた弱小国が生きのびる方策の一つだったとはいえ、朝鮮半島は、そのために大きなツケを払わなければならなかった。
 それが、モラルの崩壊で、事大主義は卑屈と依存心を、小中華思想が傲慢と独善を、かつて、儒教は、両班の身分主義や勤労蔑視をうみだした。
 裏切りやウソ、恩知らずなど、精神文化が荒廃したなかで、決定的だったのが独立心の欠落だった。
 ソウル市にある「独立門」は、日本が日清戦争に勝って、韓国を独立させたことを記念する建物だが、文大統領は、これを韓国独立のモニュメントとカン違いして、2018年、独立門でおこなわれた式典に参列して万歳している。
 韓国が独立したのは、米軍統治下にあった1948年で、以後、朝鮮戦争とベトナム戦争において、韓国軍は米軍(国連軍)や米韓連合司令部の指揮下にあって、いまなお、韓国の戦時作戦統制権は米軍が握っている。
 これが「日・米・韓」と「中・朝」が、38度線を挟んでたもってきた軍事バランスで、その象徴がGSOMIA(軍事情報包括保護協定)だった。
 文大統領が、GSOMIAを破棄したのは、「日・米・韓」の枠組みを勝手に破った裏切りで、韓国は、アメリカにも牙をむいたのである。
 アジア安全保障は、ヨーロッパにおけるNATOのような多国間の集団安全保障体制ではなく、アメリカを軸とした二国間同盟の連結体で、アメリカは、アジア安保に中心(ハブ)的な役割をはたしてきた。
 それが、日米安全保障条約や米韓相互防衛条約、米比相互防衛条約、米豪の太平洋安全保障条約、台湾の防衛義務を定めた台湾関係法などで、アメリカを抜き去ると、アジアは、安保にかんして、無条約地帯になってしまう。
 よろこぶのは、核を保有する中国と北朝鮮で、アメリカという背骨を失った韓国は、中・朝の餌食になるだけである。
 ちなみに、日韓には、同盟関係はなく、PKO活動でも、日韓共同の作戦は韓国が拒絶するので、友軍関係にもない。
 文大統領がめざしているのは、南北統一と中国への属国化で、そのためなら日米を敵に回してでもよいというハラである。
 これは、小中華思想や事大主義への回帰で、恨(ハン)の思想が転化して、反日になったといえよう。
 次回は、文大統領の野望と反日で燃えたぎる韓国の行く末、東アジアの軍事バランスを検証してみよう。

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