2019年10月28日

日・米・中・韓の新時代と日本の役割A

 ●GHQがつくった反日の構造≠ゥらどう脱却するか
 日本の大学やマスコミ、学会や論壇、公官庁などに、左翼・反日が巣食っているのは、戦後、本土を占領したGHQによって、21万人ものまともな日本人が、大学から教育、政・官界などの公職、いわゆる知識階級から追放されたからである。
 空いた席へとびこんできたのが、共産主義者で、当時、かれらは、愛国者を公職から追い出して、職場をあたえてくれたGHQを救世主や解放者と呼んだものである。
 1950年の朝鮮戦争や52年のサンフランシスコ講和によって、公職追放は、神道指令とともに消滅したが、人間は、そのまま、そっくり残った。
 日本の大学や学会、言論界や官界に、マルクス主義者が異常に多いのはそのせいで、自虐史観の歴史学会から人権一辺倒の法曹界、反国家の教育界、男女平等雇用法の公官庁にいたるまで、日本の中枢は、いまもなお、反日・左翼の手に握られている。
 左翼・反日が、今日、大勢力となったのは、1946年の公職追放令でのしあがってきたマルクス主義者の二代目、三代目が爆発的に自己増殖したせいである。
 左翼・反日は、一般国民の何倍も声が大きく、何十倍も自己主張がつよいので、マスコミや市民運動などを利用して、たちまち、オピニオン・リーダーとして躍り出てくる。
 日本破壊を企図したGHQの政策は、公職追放令だけではなかった。
 占領基本法だった戦後憲法もそっくり残って、共産主義者やリベラル、反日主義者のバイブルとなった。
 ケーディスやホイットニーらGHQ左翼が目論んだとおりで、謀略で日本を戦争にひきこんだルーズベルト大統領の子分の(ニューディーラー)の多くはスターリンを尊敬する共産主義者だったのである。
 1991年のソ連崩壊以降、マルクス主義者の多くは、反日主義へと転じたが、これが、左翼よりも、もっと始末がわるいものだった。
 目的が、政権奪取ではなく、日本という国の否定とあって、収拾のつかないアナーキズムが、毒ガスのように日本中を覆いつくすのである。
 なにしろ、国家の否定や国威の毀損、伝統破壊だけが目的なので、獅子身中の虫どころか、まるで、全身にまわったウイルスか猛毒である。
 従軍慰安婦問題は、日本の左翼・反日がつくって、韓国に伝染させたウイルスのようなもので、左翼反日には、祖国の尊厳や名誉、誇りを地に堕とすことが快感なのである。
 日本破壊というGHQの目的にそって、じぶんの国を貶めるほど、じぶんの立場がよくなる敗戦国特有のねじまがった現象を、渡部昇一は敗戦利得構造と称した。
 左翼・反日は、革命をもとめる情熱などではなく、わが身かわいさのあまり祖国を売る売国奴の思想≠セったのである。
 日本の歴史や文化、尊厳などの国体をまもってきたのは、敗戦利得者である日本のエリートではなく、一般の善良な国民だった。
 日本は、戦後から今日まで、60年安保をふくめて、敗戦利得者層と一般国民が、国体と国益、国家の安全保障をめぐって、水面下で、しのぎを削ってきたといってよい。
 優位に立ったのは、知的権威たる大学や論壇、教育や法曹、マスコミ報道を掌握する反日エリートで、言挙げしない一般国民は、終始、劣勢に立たされてきた。
 
 その反日エリートの一群に、インテリ女性の系譜があって、源流をたどると連合赤軍の永田洋子につきあたる。
 榛名山など山岳アジトで仲間12人を殺害した永田と、反日インテリ女性を同列に扱うのは短絡とみえようが、善や徳、文化を涵養する国家の伝統を悪の権化とするところは同根で、しかも、気ままで幼稚、自己中心的という大きな共通点がある。
 戦後、監獄から解放されて、日教組代表となったマルクス主義者の羽仁五郎は、反日主義の権化で「革命がおきたら反動はみなギロチンだ」などの過激な発言で、マスコミの寵児となった。
 その羽仁が、1972年の「あさま山荘事件」について「人民を追い込んだ全責任は権力にある」と連合赤軍を擁護した。
 この論理の上に立っているのが、反日の女性エリートで、反権力・反伝統を最大の善としている。
「生理的にイヤ、ああいうシステム、ああいう一族、ものすごく気持ち悪い」と皇室を侮蔑した辻本清美やNHKと組んで「女性国際戦犯法廷」なるものをでっち上げて、昭和天皇に有罪判決(「強姦と性奴隷制にたいする責任」)を下した松井やより(元朝日新聞編集委員)、「まったく論理必然ではない」と皇位の男系相続を否定した山尾志桜里(元検察官・衆院議員)らにあったのは、歴史や伝統、権威にたいする不遜さと道徳的なふしだらさだった。
 それが、むきだしになったのが、ありもしなかった従軍慰安婦を、あったといって騒ぎまわった慰安婦騒動である。
 従軍慰安婦問題で、福島瑞穂(社民党元党首)や田嶋陽子(元法政大学教授)は、韓国で、血眼で証拠や証言を集めたが、すべて、ガセだった。
 円より子(参議院財政金融委員長)は日本政府に謝罪をもとめ、岡崎トミ子(国家公安委員会委員長)は、韓国で慰安婦の反日デモに参加した。
 反日のデパートのような弁護士の千葉景子(元法務大臣)や東大教授で戦闘的フェミニストの上野千鶴子、原発推進派を「心の病気」と断じる精神分析の香山リカ(立教大学教授)、反安倍の最右翼で、一ドル50の円高を主張する国際経済学者の浜矩子ら、反日女性に共通するのは、未熟さと、それとは裏腹の傲慢さである。
 それが、左翼が変形した反日の特性で、本人は、インテリで頭がよいつもりであろうが、幼稚で、性格がわるいだけである。
 反日女性エリートのシンボル的存在となっているのが、奥平康弘東大教授が呼びかけ人となった「九条の会(大江健三郎ら9人)」である。
 世話人をつとめているのが、東大教授で、9・11テロを神風特攻隊になぞらえた小森陽一である。
 小森の盟友高橋哲哉(東大教授)は、松井やよりの「女性国際戦犯法廷」を高く評価する一方、辻元清美のピースボートの水先案内人をつとめた愚か者である。
 東大3ばか教授の一人、姜尚中は「横田めぐみの拉致をいうなら在日同胞も日本に拉致された。めぐみさんの両親の横田滋や横田早紀江が目の前にいても同じことをいう」といってのけた大ばか者である。
 次回以降、反日の構造をもっとつぶさにみていこう。
 反日という迷妄を払えば、日・米・中・韓の新時代と、日本の役割がもっとはっきり見えてくるはずである。
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2019年10月21日

日・米・中・韓の新時代と日本の役割@

 ●日本が種付けして、育成した中国資本主義
 日本の開国は、地政学的にも時代背景的にも、奇跡といってよいほどの立地条件に恵まれていた。
 地政学的には、中国大陸と朝鮮半島を海洋で封じて、アメリカとは、太平洋の西と東でむきあっている。
 イギリスと並ぶ堂々たる海洋国家の立ち位置で、海岸線の長さはアメリカを抜いて世界第六位、中国の約二倍である。
 日本が開国した1868年も絶妙のタイミングで、産業革命やアメリカ独立戦争、フランス革命から百年もたっていない。
 産業革命以前のヨーロッパからえるものはなにもなく、それ以後(19世紀末〜20世紀)であれば、帝国主義から世界戦争へむかう英仏独らの欧州列強や米ロにのみこまれていた可能性もあった。
 17世紀の江戸時代、日本は、世界に冠たる都市国家を成立させ、明治維新後の近代化のちからをたくわえていた。
 シルクロード文明の最終地点たるユーラシア大陸東岸の島国に、中華文明と異なる日本文明(『文明の衝突』ハンティントン)ができあがったのは、はやくから、単一民族による単一国家が成立していたからで、大和朝廷が成立したのは、中国で律令体制が完成した隋や唐の数百年前である。
 日本を独立国家たらしめた立地条件は、かつて、黄金の国ジパング(『東方見聞録』マルコ・ポーロ)呼ばれた金銀ではなく、四季と温暖な気候、四大海流などの天然資源だった。
 日本は、長い海岸線と河川、森林がつくりあげた良好な近海漁場と、広大な沖積平野がつくりあげたゆたかな穀倉地帯の上に、なにものも依存しない独立国家を建立したのである。
 中国や朝鮮との距離は絶妙で、交流や交易には近隣でも、遠征侵略には遠隔とあって、大陸から日本への侵攻は二度の元寇だけだった。
 日本は、海洋で、中国や朝鮮を封じる要塞国家でもあって、その象徴がかつて中・韓を苦しめた倭寇である。
 中・韓が日本を侵略国家とみるのは、倭寇が中国や朝鮮半島の沿岸を荒らしまわった遺伝子的記憶のせいで、朝鮮の高麗と中国の明が衰退したのは、倭寇の侵犯をうけたからだった。
 近代以降、日本は、日清・日露の両戦に勝って、朝鮮半島や台湾を支配下におき、蒋介石の中華民国とたたかった。
 第二次大戦に負けて、日本は、戦前の権益をすべて失ったが、戦後、短時日で復興して、ふたたび、大国の立場を回復した。
 大陸や半島には、日本帝国時代の有形無形の資産がそっくり残って、それが中国(満州)や韓国、北朝鮮のインフラの基礎となった。
 日本は、中国大陸を侵略、朝鮮半島を併合したが、帝国主義や戦争の時代において、軍事力にモノをいわせるのが国家正義で、侵略をうけるのは、国家をまもることができない負け犬でしかなかった。
 現在、中国や韓国、北朝鮮が戦勝国のようにふるまい、日本が卑屈になっているのは、WGIP(ウオー・ギルド・インフォメーション・プログラム)と憲法(前文・9条)の毒薬が利きすぎたのと、政治家が愚かだったせいである。
 日本が堂々とふるまっていれば、中・韓とも、いまほど増徴することはなかったのである。

 中国経済は、日本を抜き、世界第2位となって、目下、アメリカと貿易戦争をひきおこしている。
 その中国経済に種をつけたのは日本で、文化大革命を終えたばかりの当時の中国には、資本主義のシの字もなかった。
 毛沢東の死後、華国鋒政権の下で、1977年、劉少奇主席に次ぐ走資派として冷遇されていたケ小平が復権した。
 そして、78年に華国鋒を追い落として、資本主義を導入する改革開放路線をすすめた。
 ケ小平が資本主義のモデルにしたのが日本だった。
 1978年に「日中平和友好条約」を締結した直後、ケ小平は、中国の指導者としては戦後初となる日本への正式訪日をおこない、新日鉄・日産・松下の3社を見学した。
 新日鉄の君津製鉄所を見学したケ小平は、工場の設備や技術について詳しくたずね、日本の生産技術を中国に移入するための具体的な方法まで聞き出している。
 それが、新日鉄の支援で創業された上海宝鋼、のちの中国最大手の宝山鋼鉄である。
 ケ小平氏の訪日後、中国で「日本ブーム」がわきおこって、多くの視察団が日本にやってきて、日本人の専門家や研究者、技術者が中国に招かれた。
 政府のメンバーによる会議もさかんにおこなわれ、経済・貿易・技術における官民一体の協力体制は、当時、緊密なものだった。
 現在、中国で稼動している大工場の多くが、日本人が関与したものである。
 ケ小平の成功例が「経済特区」の創設で、これは、市場経済への移行するための踏み切り盤だった。
 外国資本や技術の導入、人民公社解体にともなう管理能力の育成を眼目に、広東省の深センや珠海、汕頭、福建省の厦門が指定されて、それぞれ高い実績をあげて、それが、全国へひろがっていた。
 そして、いまや、中国経済は、世界第2位となって、アメリカと貿易摩擦をひきおこしている。
 中国経済が、ここまでのびたことによって、自由と民主主義が勝利宣言した「歴史の終わり」(フランシス・フクヤマ)に疑問符が投げかけられたほどである。
 中国資本主義は、現在もなお、日本をモデルにしている。
 日本の1960年代の高度経済成長とバブル経済、バブル崩壊から不良債権処理、そして、デフレ脱却まで、日本経済の歩みが、そのまま、中国経済のテキストになっているのである。
 それにしても、中国経済は、なぜ、ここまでのびたのか。
 その謎解きとなるのが、最近、話題になっている現代貨幣理論(MMT)である。
 MMTのもっとも顕著な成功例が日本という指摘もある。
 次回、国家資本主義の台頭に重なりあうMMTについても言及しよう。
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2019年10月15日

一国主義に立つ世界と後れをとった日韓C

 ●ノーベル賞の日本の技術に依存して反日≠フちぐはぐ
 同じ反日でも、民族的反日の韓国よりも、政策的反日の中国のほうが、はるかに冷静で、中国人は、日本の製造業が世界一のレベルにあることや、中国経済が、その日本経済をモデルに成長してきたことも、内心で承知している。
 中国メディア(『今日頭条』)は、中国が日本に歯が立たない製造業の分野に「半導体材料」「スマホ材料・部品」「専門的生産技術」「ハイテク素材」「工業ロボット」「宇宙開発」次の6つをあげた。
 半導体材料は、中国や台湾でも生産できるが、精度や性能の面で、日本には遠くおよばない。
 この分野で、日本が市場を独占しているのは、市場は最高の品質をもとめるからで、二番手、三番手は、ほとんど、市場競争力をもたない。
 韓国政府は、半導体材料の国産化に、毎年1兆ウォンの予算をあてる構想を発表したが、付け焼刃で、製造業王国の日本に追いつけたら苦労はない。
 スマホについていえば、韓国のサムソンも中国のファーウェイも、材料や部品の大部分は、日本製で、韓国や中国は、組み立てて、商品化しているだけである。
 中国は「日本製の部品を排除したらスマホを生産できない」とみとめているが、韓国は、その事実に目をむけない。
 そして、半導体素材の輸出管理強化(ホワイト国から除外)に反発して、ビールやラーメン、化粧品、ユニクロなどの日本製品の不買運動や日本の旅行中止をもって、日本に一泡ふかしたと思いこんでいる。
 不買運動をやるなら、対日貿易赤字が240億ドルにたっする素材や部品の不買運動をやったらどうか。
 半導体製品が主力の韓国の製造業では、日本から輸入した素材・部品を完成品に組み立てて世界に輸出するという日韓の分業体制が確立していて、それが韓国経済を世界10位の経済大国におしあげてきた。
 東南アジアの国々が、日本を隣国にもつ韓国の立地条件をうらやむのはそのせいで、保守派も、韓国経済が日本に依存している事実を十分にわきまえている。
 だが、文在寅政権やマスコミ、親北派や民主労総傘下の労組は、反日有理の一辺倒で、国民の多くは、反日を煽る新聞に踊らされている。
 日本経済は、消費財ではなく、生産財(材料・部品)や資本財(道具や機械)の経済で、中国や韓国ばかりか、成長いちじるしいアジアの経済もその恩恵をうけている。
 ボーイング787の翼や機体の素材をつくっているのは日本企業で、世界の一流工場で稼動しているのも、多くは日本の工業ロボットや工作機械である。
 日本の科学技術力の高さを証明したのが、小惑星「イトカワ」から帰還した「はやぶさ」や、地球から2億8千万kmの小惑星「リュウグウ」に着陸して岩石標本を採取した探査機軌道「はやぶさ2」で、NASA(アメリカ航空宇宙局)でさえなしえなかった科学の一つの頂点である。

 日本経済が科学や技術の経済であることを証明したのが、吉野彰のノーベル化学賞受賞である。
 吉野彰ら3人のノーベル賞学者が開発したリチウムイオン電池は、世界的なインフラをつくりあげて、2026年には、約12兆億円の市場規模になると予想されている。
 リチウムイオン電池は、1991年に商用化されて以来、携帯電話やノートPC、デジタルカメラからEV(電気自動車)に使用されて、電子機器時代の申し子となった。
 リチウムイオン電池の原理を開発したのが、米テキサス大学のグッドイナフ教授(97)とニューヨーク州立大学のウィッティンガム教授(77)、そしてリチウムイオン電池を商品化したのが名城大学教授の吉野彰(71)である。
 欧米が基礎研究、日本が応用研究というパタンのもとで、特許数がほとんど同じというのがこの世界の熾烈さだが、この戦場に、中国や韓国は参戦していない。
 技術やソフトを盗用して、経済規模を拡大させてきただけだが、そんなやりかたでは、かならず、壁にぶつかる。
 技術革新は、基礎・応用研究の上に開花するもので、日米欧の企業がつねに新技術をつくりだしてゆくのにたいして、その技術をみようみまねで盗むだけの中・韓に、どんな展望もひらかれない。
 ローテクならそれで間に合っても、ハイテク、スーパーハイテクになったらそうはいかなくなる。
 中国から東南アジア、インド、アフリカ、中東、欧州へとつらなる習近平の「一帯一路」は、インフラ整備やカネ、軍事力による他国の領地化で、基礎となっているのはハードとローテクである。
 一方、日本の「自由と繁栄の弧(価値観外交)」は、地域こそ「一帯一路」と重なるものの、軸になっているのは、自由と民主主義、基本的人権と法の支配、市場経済というソフトと、科学や技術のハイテクで、一帯一路とは、思想も構造も異なる。
 今後、世界は、飢餓や戦争、貧困という負の因子と、文明や科学、豊かさという正の因子へ二極化して、経済や交易、安全保障も、そのなかでゆれうごくことになる。
 日・米・欧・豪のグループと、中・ロ・韓・印とアジア、アフリカ、南米のグループが共存する世界のなかで、キーとなるのは、科学と技術であろう。
 韓国のネットには、日本で、科学分野でのノーベル賞受賞が24人目となることを挙げ、「不買運動で日本をうちのめしても、韓国経済が日本の基礎科学や技術に依存している現実をみなければ、韓国に明日はない」「日本のビールなどを標的にした不買運動をするなら、リチウムイオン電池を使ったスマホやノートパソコンなどを捨てるべきではないか」などの書き込みがあったという。
 日本を仮想敵に仕立て、南北統一をめざしてきた韓国の親北派にも、そろそろ、ほころびがみえてきたのである。

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2019年10月04日

一国主義に立つ世界と後れをとった日韓B

 ●左右対決に代わる民主主義と全体主義の対決
 朝鮮半島の動揺が、日・米・中の関係国ばかりか、ロ・印・豪などの辺縁国をまきこみ、さらに、中東やアフリカ、ヨーロッパにまで影響をおよぼそうとしている。
 韓国が、経済・軍事とも、世界のトップ10に入る強国なら、北朝鮮も核をもつ軍事大国(総兵力120万人/韓国軍66万人)である。
 その両国が、核保有や南北統一、米中関係などをめぐって揺れ動いて、その余波が、アジアのみならず世界におよばないわけはない。
 さらに、日韓緊張という吹き出物もあって、朝鮮半島は、東アジアのトラブルメーカーにして、世界の火薬庫なのである。
 朝鮮半島の動向が、大きなインパクトをもつのは、世界版図を二分するパクス・アメリカーナと中国モデルの境界線が、朝鮮半島のド真ん中(38度線)をとおっているからである。
 この境界線(新アチソンライン)と連動しているのが第七艦隊で、同艦隊の母港が、アメリカ最大の海外基地である横須賀である。
 横須賀の第七艦隊と横田の第5空軍、沖縄の第3海兵遠征軍と自衛隊の編成軍が日米安保軍で、NATO(北大西洋条約機構)と並ぶアメリカ主導の世界集団防衛体制である。
 日米安保を拡張した防衛戦略が「インド太平洋構想(日本・アメリカ・インド・オーストラリア)」である。
 同構想が実現すれば、これまで、国内に限定されていた自衛隊の活動範囲が太平洋からインド洋にまでひろがる。
 安全保障と足並みを揃えて、第一次安倍内閣(麻生太郎外相)の産物だった経済圏構想(「自由と繁栄の弧(インド・中東・中央アジア・ヨーロッパ)」がふたたびうごきだした。
 かつて、日本は、「自由と繁栄の弧」が、中国包囲網とうけとられかねないとして、福田康夫内閣や民主党内閣がこれを封印するというばかな真似をした。
 親中派や親韓派がのさばっていた時代の話だが、逆に、中国や韓国から反日という冷や水を浴びせかけられて、第二次安倍内閣以降、すっかりおとなしくなった。
 安倍首相は、ベルギーのブリュッセルでひらかれたEUの関連会合で、基調講演をおこない、EUと積極的に経済協力をすすめる考えを明らかにした。
 具体的には、EUと協力して、東欧やアフリカでインフラ整備をすすめるというもので、これによって、自由や民主主義、人権や法の支配、市場経済などの普遍的な価値を共有する「自由と繁栄の弧」が最終ゴールに到達したことになる。
 EUとのタイアップによって、価値観外交(「自由と繁栄の弧」)が、中国の経済圏構想「一帯一路」と対抗する決定的な存在となった。
 日本とEUが、アフリカから東欧、イタリアにまで手をのばしてきた中国の経済覇権を阻止しようというのである。
 中国の「一帯一路」が他国の領土化≠セったことは「中国パキスタン経済回廊」にもとづくパキスタンのグワダル港開発をみれば明らかで、巨額借金のカタに港湾を奪われて、将来、同港が中国の軍港になるのは目に見えている。
 受けた援助が、巨額の借金に化けて、建設中のインフラ設備をまるごと奪われる――それが「一帯一路」の借金漬け領地略奪法で、典型的なケースがスリランカのハンバントタ港だろう。
 2010年、ハンバントタ港建設に際して、スリランカが中国から借入した13億ドル(約1421億円)は、年6・3%という高利で、インフラ整備によって、多少、生産性が上がっても、容易に返済できる金額ではない。
 中国の資金源になっているのがアジアインフラ投資銀行(AIIB)である。
 アジアには、1966年に設立されて以来、融資やグラント(無償支援)のほか、アジア地域の経済・技術協力、貧困の対策などに取り組んできたアジア開発銀行(ADB)があって、日本が主導してきた。
 これにたいして、中国の習近平主席の肝いりでうまれたのが、アジアインフラ投資銀行(AIIB)で、これに、アジア諸国を中心に50か国がとびついたが、そのなかに、イギリス、フランス、ドイツがふくまれていた。
 これは、英仏独の誤りで、中国の「一帯一路」は、金融やインフラ整備などをとおして、地政学的なメリットをもとめる戦略であって、日・米・欧の技術型・科学型経済戦略とは、相容れない。
 日本の価値観外交には、自由や民主主義、基本的人権や法の支配、市場経済のほかに、技術や科学という要素がもりこまれている。
 日・米・欧は、技術と科学で、世界をリードする立場にあって、地下資源や安い労働力、旺盛な消費力に代わって、知力を経済の原動力にしている。
 かつて、共産主義と自由主義が牙を剥き合ったが、現在は、民主主義と全体主義の対立へと様相を変えた。
 パクス・アメリカーナと中国モデルが、世界版図を二分しているというのはその意味合いにおいてで、両者を分けているのが、技術力と科学力なのである。
 中国のメディア(『今日頭条』)は、日本の製造業を他の国と比較した記事を掲載して、そのなかで、「中国が日本にかなわない理由」を4つ上げている。
 日本は「生産効率」「高品質」「工作機械」「素材」の4分野で、米国を抜いて世界一だという。
 経済と軍事力、技術・科学が大国の条件になっていることは、この3分野で、アメリカが断トツの第一位であることからもわかろう。
 ■ノーベル賞受賞者数の国別ランキングトップ10
 1位アメリカ339/2位イギリス110/3位ドイツ82/4位フランス58/5位スウェーデン32/6位スイス27/7位日本22/8位ロシア(旧ソ連)20/9位オランダ16/10位カナダ14/10位イタリア14
 科学系の受賞者は、中国とインドが1、韓国は0で、欧米の合計678とは比較にならない。
 ところが、経済や軍事力では、中国やインド、韓国が上位にのぼってくる。
 ■軍事力の国別ランキングトップ15
 1位アメリカ/2位ロシア/3位中国/4位インド/5位フランス/6位日本/7位韓国/8位イギリス/9位トルコ/10位ドイツ/11位イタリア/12位エジプト/13位ブラジル/14位イラン/15位パキスタン
 以下インドネシア、イスラエル、北朝鮮、オーストラリア、スペイン、カナダ、台湾、ベトナム、ポーランド、サウジアラビア、タイとつづく。
 ■GDPのランキングベスト20
 1位アメリカ/2位中国/3位日本/4位ドイツ/5位イギリス/6位インド/7位フランス/8位ブラジル/9位イタリア/10位カナダ/11位ロシア/12位韓国/13位オーストラリア/14位スペイン/15位メキシコ/16位インドネシア/17位トルコ/18位オランダ/19位サウジアラビア/20位スイス
 今後、世界は、ハードウエア型の中国や韓国、ロシアと、ソフトウエア型のアメリカと日本、ヨーロッパがしのぎを削ってゆくことになる。
 次回以降、経済や技術、安全保障について、世界スケールで考えていこう。
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