2020年07月31日

コロナ後の世界展望と民主主義A

 ●一国主義≠フなかで立ち枯れる日本
 コロナ以降の世界情勢が反グローバリズムの一国主義≠ヨむかっているのはだれの目にも明らかだろう。
 といっても、ブロック経済や欧米が地球上の土地の84%を支配した20世紀はじめの植民地・帝国主義とは異なる。
 国家の支配イデオロギーが、民主主義や自由・平等、平和主義などの空想的な観念論から、国益や自国優位の国家主義や国家理性、あるいは他国敵視政策へ移り変わってきたのである。
 一国主義の兆候は、すでに、コロナ以前からあらわれていた。
 イギリスの「EU離脱」がその一つで、約20兆ドルと世界GDPの約25%を占める欧州連合の一角が崩れると、その一方で、英仏独など欧州の10か国が移民反対をうちだし、欧州ナショナリズムというべきものの存在をみせつけた。
 イスラム圏7か国の入国規制を打ち出したトランプがメキシコからの不法移民を防ぐため国境に3000Kmの壁を建設するなどはばかげた構想に思えるが、中国総領事館(テキサス州ヒューストン)の閉鎖命令と同様、まぎれもない現実である。
 米中貿易摩擦は、将来、米中のどっちが将来的な世界覇権を握るかというテーマでもあって、対立軸が、経済から科学や技術、軍事面にまでひろがっている。
 いちはやく一国主義を打ち出したのは、アメリカのトランプ、中国の習近平、ロシアのプーチンだが、リードしたのは「一帯一路」の習近平だった。
 といっても、アメリカは、ヘッジファンドを主とした国際金融資本を操作して、国際金融危機とりわけ日本のバブル崩壊やアジア通貨危機をつくりだして、アジアから天文学的な利益を貪った、一国主義の先駆者である。
 グローバリゼーションは、かつて、自由主義経済をリードする思想としてもてはやされたが、文化的にはアメリカ化、経済としてはアメリカ金融資本への隷属以外のなにものでもなかった。
 グローバリゼーションが、実際は、アメリカナイぜーションで、これが一国主義の端緒で、これにつづいたのが、中国の元経済圏構想(一帯一路)だったとといえる。

 米中冷戦が、かつての米ソ冷戦と決定的に異なるのは、東西両陣営という対立軸をつくりださなかったことである。
 米ソ冷戦時代は、アメリカが、NATO(北大西洋条約機構)と日米安保体制の盟主として、ソ連に対抗したが、米中冷戦では、このような対立的な陣営化は生じていない。
 世界には、アメリカと中国の二大大国のほかに、日本やロシア、EU諸国や英国、カナダや豪州、ブラジルやインド、台湾や韓国、トルコやイスラエル、UAE(アラブ首長国連邦)やサウジアラビアなどの強国がひしめきあって、各国がそれぞれ相応の軍事力をもっている。
 核保有国は、NPT(核兵器の不拡散条約)を批准しているアメリカとロシア、イギリス、フランス、中国の5大強国と、NPTを批准していないインドとパキスタン、北朝鮮、イスラエルのあわせて9か国あるが、核は、事実上、使用不可とあって、2大強国をふくめて、各国とも独自の安全保障・防衛構想を立てている。
 かつて核の傘≠ニいう考え方があったが、日本を核攻撃した中国にアメリカが核ミサイルで反撃するということはありえない。
 報復の報復によって、アメリカ国民の生命や国家経済や文化が危機にさらされるからである。
 その意味で相互確証破壊の論理は破綻しているが、原爆使用の報復として、経済その他の制裁をうければ、核の被害は、自国にもおよぶのである。
 韓国は、日本の原発を標的にした巡航ミサイル(玄武3B/3C)を配備しているが、日本も、F-35などに搭載できる国産巡航ミサイルで敵射程外から報復(敵基地攻撃)できる体制をすすめている。

 一国主義において、国家の防衛や安全、繁栄をまもるには、確乎たる信念や自信、使命感がなくてはならないが、その背景にあるのが愛国心や同胞愛、民族や歴史にたいする誇りである。
 それが国をまもる気概で、戦後、日本が失ってしまったのが、自国は自国でまもるというモラルや独立心、自尊心だった。
 自国防衛のモラルを捨て、国防をアメリカに依存する腑抜けた姿勢を平和主義と呼んできたが、実際は、平和ボケで、精神の退廃である。
 この精神のゆるみが、新コロナウイルス対策にもあらわれて、日本はコロナ第二波≠フ脅威にさらされておる。
 日本は、協力要請だけで、これまで、コロナ防衛で、いちども命令を発令していない。
 命令という強権をふるうには、国家や国民を思うつよい決意や情熱がはたらかなければならない。
 安倍首相は、マスクの2回目の給付をきめて不評を買い、二階幹事長は「GOTOキャンペーン」で墓穴を掘った。
 命がけで国家をまもる気がないので、強権を発動することができず、一方、利権や既得権の確保には気がむくのである。
 世界が一国主義という戦国時代にむかうなか日本だけが平和ボケ≠ニいうぬるま湯に浸ったままなのである
posted by office YM at 10:59| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする