●韓国総選挙で反日を叫ぶ野党が大勝、日韓融和をめざすユン大統領の与党が大敗
韓国の総選挙で、革新系の野党が過半数の議席を獲得、一方、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領をささえる保守系で親日的な与党は大敗した。
大統領任期の3年間 尹政権は 相当に苦労することになるだろう。
最近、韓国の議員らが竹島に上陸するなど、尹政権に対日政権の変更を迫るうごきが目立っていた。
今回の選挙の結果は、反日を叫ぶと選挙に勝つという韓国の選挙事情がもろにでた結果といえよう。
だが、ユン大統領は 歴史の感情論にうごかされるような人物ではない。
国家理性をもって 国家の利益をみすえることができる政治家だ。
かつて、韓国には、権力のために国益を捨てる大統領が存在した。
親日的な政策をとってきた李明博(イ・ミョンバク)大統領が人気取りのために 竹島に上陸して国民の喝采を浴びたのである。
韓国はそういうことが平気でできる国である。
だが ユン政権にその懸念はない。
概して、韓国人は 歴史にたいして 感情的になりやすい。
大事なのは 歴史の感情論ではなく 現在と未来にたいする理性であろう。
歴史というものは 強者がつくるもので 弱者はつねに悪者にされる。
げんに戦争に負けた日本は ずっと悪者にされつづけてきた。
歴史になかに閉じこもって 感情論に走るのは賢明ではない。
中国が台湾を攻めたら 北朝鮮は韓国を攻めると断言する識者がいる。
北朝鮮が韓国を攻めるということは 朝鮮半島で戦争がはじまるということである。
そうなれば わが国が 多大な影響をうけることになる。
1950年の朝鮮戦争では 兵器も戦略も未熟で 日本に届くミサイルもなかった
現在 北朝鮮はミサイル大国で 頻繁にミサイル試射をおこなっている。
朝鮮半島で戦争がはじまれば 北朝鮮軍と韓国軍、駐韓米軍(韓国国連軍)がたたかうことになる。
日本にある7つの米軍基地には 国連軍の施設がおかれている。
げんに 7つの米軍基地には 日本の国旗とアメリカの国旗、国連旗の3つが掲げられている。
朝鮮半島で戦争がおきれば 日本は 北朝鮮のミサイルの危機にさらされる。
日本は 韓国と 軍事的な同盟関係をむすんでいるわけでない。
だが、日本は 北朝鮮と韓国、国連軍の戦争にまきこまれずにいない。
朝鮮半島で戦争がはじまれば 日本の7つの米軍基地から 韓国国連軍が出撃することになるからである。
国連軍の支援組織も日本に本部をおいている。
そうなれば 日本は 第二次朝鮮戦争の当事国になってしまうのである。
韓国が 日本をきらいとやら関係がないとやらといったところで 戦争になれば 両国は 友軍としてともにたたかう運命共同体的な関係になる。
韓国人は はたして そのことをわかっているのだろうか。
もっとも、韓国人のすべてが日本をきらっているわけではない。
現在、政権をにぎっている韓国人は、韓国の利益のためには日本とどうつきあうべきかという国家理性をわきまえている。
だが、残りの約半数は、北朝鮮とかわらないレベルの低さで、感情論だけでうごいている。
朝鮮半島で動乱が生じても かつての朝鮮戦争のように 日本は 経済的利益だけをむさぼるというわけにはいかない。
日本の7つの米軍基地は 韓国国連軍の基地でもあって 朝鮮半島有事のときには その基地から国連軍が戦線へ出てゆく。
そのとき 北朝鮮のミサイルが 日本を標的にすることは 十分に考えられる。
日本に米軍の基地が7つもあって そこから 国連軍が前線にでてゆくからである。
そのとき 日本は 戦争の当事者となるのである。
韓国が同盟国となる日本を敵視する根拠はどこにもないのである
ところが、韓国は 日本に負けまいとして 軍事力を強化している。
韓国の野党や反日勢力が日本に敵対心をもつのは敵と味方≠フ区別がつかないからで、戦争がおきれば 日韓ともに運命共同体のなかにひきずりこまれていく。
ユン政権は そのことを理解して 日本と融和政策をとっている。
日本政府は そのユン政権を支援してゆかねばならない。
そして 今後3年間のユン政権と ユン政権をひきつぐであろう五年間の保守政権を師事してゆかねばならない。
日本の安全保障を考えたとき 朝鮮半島の安定が きわめて重要である。
明治時代から 朝鮮半島は ロシアや中国の脅威にさらされていた。
下関条約(日清戦争の講和条約)の第一条に 朝鮮民族を独立させることととある。
それで 李朝が終わって 大韓民国がうまれた。
その歴史的事実にしっかり目をむけるべきだ。
現在 韓国の反日勢力 野党がいま勢力をつよめている。
だが 対決ではなく 融和の姿勢をとったほうが 両国の利益につながる。
だが 韓国の反日勢力 野党にそんな気はさらさらない。
そうならば 現在のユン政権を応援して 野党に政権が移るのを防がねばならない。
日本の安全保障にとって 朝鮮半島の安定がどれほど大事なことか。
その意味からも、日本政府には、現在のユン政権をしっかりささえてもらいたい。
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2024年05月26日
2024年05月19日
山本峯章チャンネル 苦言直言第24回
●アメリカのグローバルパートナーになる前に 日本は憲法を改正して 一人前の国家にならなければならない
訪米した岸田首相が アメリカ議会で 日本は アメリカのグローバルパートナーになるという アメリカにとって たいへん力強い演説をおこなった。
安全保障や外交の分野で アメリカと対等の立場に立とうとするなら 日本はまっさきに憲法を変えなければならない。
国連憲章51条でみとめられている個別的や集団的自衛権を、日本国憲法は禁止している。
わが国は、憲法ではなく、どんな国もじぶんの国をまもる権利をもっているという国際法にもとづいて 自衛権を行使しているのである。
そんな情けない国がアメリカのグローバルパートナーになれるだろうか?
グローバルパートナーということを口にしたからには そんな消極的な防衛思想は通用しない。
30年ほど前 イラクがクエートを攻めた中央戦争の折り 国連の有志軍が結成されて 日本にも自衛隊をだすように要求があった。
このとき、自民党の幹事長だった小沢一郎は 憲法がある以上 自衛隊はだせませんとこれを断わった。
そして 1兆5億円ものカネをだした。
だが 戦勝パーティに日本は招待されなかった。
わずか300人ほどの兵隊をだしたアジアの小さな国が招待されて 感謝状までもらっているにもかかわらずに、である。
岸田さんは これからは アメリカさんだけにはまかせません グローバルパートナーとして日本がバックアップしますと公言した。
それが本気だったのなら 日本は まっさきに憲法を改正しなければならない。
外交や防衛で グローバルパートナーになるといったからには 場合によっては 地球の裏側まで出ていかなければならないからだ。
その覚悟がなくて グローバルパートナーといったのなら無責任きわまりない。
安倍さんがきめた安保法案の範囲は いったいどこまでなのか。
この重大なテーマが 日本の国会では いちども討議されたことがない。
そして 連日 カネと政治の問題ばかりを議論してきた。
まったく情けなくなる。
もっと大事なものがたくさんあったはずだ。
安倍さんが第二次安倍内閣をつくる前 参院議員の自民党会長だった村上正邦先生と中曽根事務所の小島信夫さん そしてわたしの三人が安倍さんの激励会をおこなったことがあった。
いまのままでは自民党はダメになる 安倍さんもういちど総理をやりなさいとハッパをかけたのである。
このとき 安倍さんは 食事もとらず憲法改正論に熱弁をふるわれた。
その光景を目にして 安倍さんはやる気だなと われわれはおおいに期待した。
その一週間後 赤坂の料亭で 参院議員16人ほど集めて激励会がひらかれた。
このときも 安倍さんは とうとうと憲法改正論をくりひろげた。
憲法改正は 国会で 衆参議員3分の2以上、国民投票で過半数の賛成を必要とすると憲法で定められている。
それが だれもが知っている憲法改正の手続だが そのほかに 憲法72条に別の規定がある。
内閣総理大臣の職務のなかに 憲法改正の議案を国会に提出する権限があるのである。
安倍さんはこれを使うのかなとわたしは期待した。
だが 安倍さんはとうとう憲法72条を使わなかった
結局 きめたのは 国民投票権だけだった。
岸田首相が 首相の任期中に 憲法と皇室典範の改正の二つはぜひともやりたいと宣言して わたしはおおいに期待した。
だが なにもできなかった
日本の首相たるものがアメリカ議会で 日本はアメリカのグローバルパートナーになるといいながら その前提となる憲法改正もすすんでいない。
これでは グローバルパートナーどころか 国内の世論の統一もままならない。
憲法9条を改正しなければ 日本の国論は 国家の防衛を 憲法で定める派と国連憲章に頼る派に二分されたままである。
憲法学者は95%が 自衛隊は憲法違反だとして ゆずらない。
そんな状況のなかで 地球の裏側まで自衛隊を派遣するグローバルパートナーなど とうてい不可能である。
不可能ことを約束してはならない。
グローバルパートナーを口にするなら その前に 憲法を改正しなければならなかったはずだ。
憲法9条を改正して 日本の自衛隊が 名誉あるたたかいができる体制をつくるべきだった。
その体制をつくらなかったのは 政治家の怠慢というほかない。
アメリカのグローバルパートナーになるという前に 憲法を改正しなさいと 岸田首相にいいたい。
下記のURLをクリックすると本ブログのYOUTUBE版(山本峯章チャンネル24)へ移動します
https://www.youtube.com/watch?v=nM4-PZMQaaU
訪米した岸田首相が アメリカ議会で 日本は アメリカのグローバルパートナーになるという アメリカにとって たいへん力強い演説をおこなった。
安全保障や外交の分野で アメリカと対等の立場に立とうとするなら 日本はまっさきに憲法を変えなければならない。
国連憲章51条でみとめられている個別的や集団的自衛権を、日本国憲法は禁止している。
わが国は、憲法ではなく、どんな国もじぶんの国をまもる権利をもっているという国際法にもとづいて 自衛権を行使しているのである。
そんな情けない国がアメリカのグローバルパートナーになれるだろうか?
グローバルパートナーということを口にしたからには そんな消極的な防衛思想は通用しない。
30年ほど前 イラクがクエートを攻めた中央戦争の折り 国連の有志軍が結成されて 日本にも自衛隊をだすように要求があった。
このとき、自民党の幹事長だった小沢一郎は 憲法がある以上 自衛隊はだせませんとこれを断わった。
そして 1兆5億円ものカネをだした。
だが 戦勝パーティに日本は招待されなかった。
わずか300人ほどの兵隊をだしたアジアの小さな国が招待されて 感謝状までもらっているにもかかわらずに、である。
岸田さんは これからは アメリカさんだけにはまかせません グローバルパートナーとして日本がバックアップしますと公言した。
それが本気だったのなら 日本は まっさきに憲法を改正しなければならない。
外交や防衛で グローバルパートナーになるといったからには 場合によっては 地球の裏側まで出ていかなければならないからだ。
その覚悟がなくて グローバルパートナーといったのなら無責任きわまりない。
安倍さんがきめた安保法案の範囲は いったいどこまでなのか。
この重大なテーマが 日本の国会では いちども討議されたことがない。
そして 連日 カネと政治の問題ばかりを議論してきた。
まったく情けなくなる。
もっと大事なものがたくさんあったはずだ。
安倍さんが第二次安倍内閣をつくる前 参院議員の自民党会長だった村上正邦先生と中曽根事務所の小島信夫さん そしてわたしの三人が安倍さんの激励会をおこなったことがあった。
いまのままでは自民党はダメになる 安倍さんもういちど総理をやりなさいとハッパをかけたのである。
このとき 安倍さんは 食事もとらず憲法改正論に熱弁をふるわれた。
その光景を目にして 安倍さんはやる気だなと われわれはおおいに期待した。
その一週間後 赤坂の料亭で 参院議員16人ほど集めて激励会がひらかれた。
このときも 安倍さんは とうとうと憲法改正論をくりひろげた。
憲法改正は 国会で 衆参議員3分の2以上、国民投票で過半数の賛成を必要とすると憲法で定められている。
それが だれもが知っている憲法改正の手続だが そのほかに 憲法72条に別の規定がある。
内閣総理大臣の職務のなかに 憲法改正の議案を国会に提出する権限があるのである。
安倍さんはこれを使うのかなとわたしは期待した。
だが 安倍さんはとうとう憲法72条を使わなかった
結局 きめたのは 国民投票権だけだった。
岸田首相が 首相の任期中に 憲法と皇室典範の改正の二つはぜひともやりたいと宣言して わたしはおおいに期待した。
だが なにもできなかった
日本の首相たるものがアメリカ議会で 日本はアメリカのグローバルパートナーになるといいながら その前提となる憲法改正もすすんでいない。
これでは グローバルパートナーどころか 国内の世論の統一もままならない。
憲法9条を改正しなければ 日本の国論は 国家の防衛を 憲法で定める派と国連憲章に頼る派に二分されたままである。
憲法学者は95%が 自衛隊は憲法違反だとして ゆずらない。
そんな状況のなかで 地球の裏側まで自衛隊を派遣するグローバルパートナーなど とうてい不可能である。
不可能ことを約束してはならない。
グローバルパートナーを口にするなら その前に 憲法を改正しなければならなかったはずだ。
憲法9条を改正して 日本の自衛隊が 名誉あるたたかいができる体制をつくるべきだった。
その体制をつくらなかったのは 政治家の怠慢というほかない。
アメリカのグローバルパートナーになるという前に 憲法を改正しなさいと 岸田首相にいいたい。
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2024年05月12日
山本峯章チャンネル 苦言直言第23回
中国領土問題の歴史的経緯とスチムソンドクトリン(アメリカの干渉)
中国の辺縁に位置するチベットやモンゴル、ウイグルを中国の一部と思っているヒトがすくなくない。
だが、中国史において チベットや内モンゴル、ウイグルが中国の一部だった事実はない。
中国は 近世において 漢民族の明から満州族の清へ王朝が交替している。
清王朝300年を支配していたのは 漢民族ではなく 満州族だったのである。
明朝以前は 元が王朝を建てたが、これも万里の長城の外からやってきた侵略王朝だった。
清朝末期に満洲が建国された直後、アメリカが干渉してきた。
スチムソンという国務長官を歴任した反日的な政治家が 満洲は中国のものだと蒋介石をけしかけて 日本と戦争をさせようとしたのである。
「スチムソンドクトリン」と呼ばれるこの謀略が 満州事変や支那事変の原因となって 第二次世界大戦につながってゆく。
満洲が中国の領土というなら チベットやモンゴル、ウイグルなどの周辺国も中国領という理屈になる。
孫文の辛亥革命は 漢民族の中華民国が 満州族の満州をとりもどそうとしたくわだてで これに頭山満や内田良平、宮崎滔天ら日本の大陸浪人がくわわって 日本は 辛亥革命の基地となった観があった。
当時、アメリカはフィリピンやハワイ、グアム島のほかにはアジア太平洋に利権をもっていなかった。
アメリカは、日本が中国大陸に満州という大きな利権をもったことがゆるせなかった。
なんとしても日本を中国から叩きだしたい。
アメリカにたきつけられて蒋介石は 日本を敵にまわしたのである。
このとき アメリカは いかなる応援もすると軍事保障を請け負っている。
アメリカは 日本と蒋介石をたたかわせようといろいろと策を練った。
その結果、日本は 支那との戦争に突入するのである。
チベットやモンゴル、ウイグルなど周辺国が 中国のものだと主張しはじめたのは 蒋介石の時代(中華民国)になってからである。
満州族が清国という国家をつくったとき 版図(地図)のなかに周辺国がくみこまれていた。
現在の中国は それを土台にして 自国の領土としている。
清国は満州族が支配していた。
満州族と中華民族はちがう。
だが、中国は、それらの国の文化から歴史、伝統まで すべてを奪って その上に君臨している。
言語から宗教にいたるまで 中国化しようというのである。
チベットは仏教国家である。指導者のダライラマは インドのダラムサラに亡命政府を樹立(1958年)している。
内モンゴルも アメリカのニューヨークに亡命政府をもっている。
民族として歴史や文化、伝統を維持して 独立をめざしているのである。
中国の領土観は 清国からうけついだものである。
清国は 満州族がつくった国家で 漢民族の国家ではない。
蒋介石の親方 孫文が三民主義を謳って 辛亥革命を実現させた。
中国から満州族を追い出して 漢民族を復興させよう(滅満興漢)という運動で、辛亥革命によって 満州族が中国から放逐されて 後に満州国でつくる。
それまで、中国が周縁国を治めてきたというにはまったくのウソ。
全体主義 権威主義でなければ 超大国の中国を治めることはできない。
アメリカは ソ連と対決するため 中国を自由陣営にひきいれようとした。
中国も 92年のニクソン訪中に象徴される「米中融和路線」に転換した。
だが、失敗して 90年代 ふたたび 全体主義 威主義へと もどってゆく。
中国が民主主義国家になることは 以上の経過から ありえない。
だが、中国はなんとしてでも共産党でまもらなければならない。
自由民主主義になったら(中国は)崩壊する。
自由民主主義なら チベットやウイグル、内モンゴルにたいして抑圧的な政策をとれなくなるからである。
この3国の人口は 合計でも5%にみたないが 面積では40%にたっする。
中国人が化外地と呼んだ チベットやウイグル、内モンゴルなど万里に長城の外に広大な土地がひろがっている。
万里の長城の内側にある中華文明が 長城の外側の化外の文明に脅かされかねないのである。
げんに中国は、歴代、元や満という異民族に支配されてきた。
自由民主主義が採用されたら 中国は崩壊をすることになる。
独立運動がおこるからで 海外に亡命政府もおかれている。
アメリカはそういう現実をわかっていない。
アメリカがどう工作したところで 中国は民主主義にはならないのである。
下記のURLをクリックすると本ブログのYOUTUBE版(山本峯章チャンネル23)へ移動します
https://www.youtube.com/watch?v=LHiwXPOjfNY&ab_channel
中国の辺縁に位置するチベットやモンゴル、ウイグルを中国の一部と思っているヒトがすくなくない。
だが、中国史において チベットや内モンゴル、ウイグルが中国の一部だった事実はない。
中国は 近世において 漢民族の明から満州族の清へ王朝が交替している。
清王朝300年を支配していたのは 漢民族ではなく 満州族だったのである。
明朝以前は 元が王朝を建てたが、これも万里の長城の外からやってきた侵略王朝だった。
清朝末期に満洲が建国された直後、アメリカが干渉してきた。
スチムソンという国務長官を歴任した反日的な政治家が 満洲は中国のものだと蒋介石をけしかけて 日本と戦争をさせようとしたのである。
「スチムソンドクトリン」と呼ばれるこの謀略が 満州事変や支那事変の原因となって 第二次世界大戦につながってゆく。
満洲が中国の領土というなら チベットやモンゴル、ウイグルなどの周辺国も中国領という理屈になる。
孫文の辛亥革命は 漢民族の中華民国が 満州族の満州をとりもどそうとしたくわだてで これに頭山満や内田良平、宮崎滔天ら日本の大陸浪人がくわわって 日本は 辛亥革命の基地となった観があった。
当時、アメリカはフィリピンやハワイ、グアム島のほかにはアジア太平洋に利権をもっていなかった。
アメリカは、日本が中国大陸に満州という大きな利権をもったことがゆるせなかった。
なんとしても日本を中国から叩きだしたい。
アメリカにたきつけられて蒋介石は 日本を敵にまわしたのである。
このとき アメリカは いかなる応援もすると軍事保障を請け負っている。
アメリカは 日本と蒋介石をたたかわせようといろいろと策を練った。
その結果、日本は 支那との戦争に突入するのである。
チベットやモンゴル、ウイグルなど周辺国が 中国のものだと主張しはじめたのは 蒋介石の時代(中華民国)になってからである。
満州族が清国という国家をつくったとき 版図(地図)のなかに周辺国がくみこまれていた。
現在の中国は それを土台にして 自国の領土としている。
清国は満州族が支配していた。
満州族と中華民族はちがう。
だが、中国は、それらの国の文化から歴史、伝統まで すべてを奪って その上に君臨している。
言語から宗教にいたるまで 中国化しようというのである。
チベットは仏教国家である。指導者のダライラマは インドのダラムサラに亡命政府を樹立(1958年)している。
内モンゴルも アメリカのニューヨークに亡命政府をもっている。
民族として歴史や文化、伝統を維持して 独立をめざしているのである。
中国の領土観は 清国からうけついだものである。
清国は 満州族がつくった国家で 漢民族の国家ではない。
蒋介石の親方 孫文が三民主義を謳って 辛亥革命を実現させた。
中国から満州族を追い出して 漢民族を復興させよう(滅満興漢)という運動で、辛亥革命によって 満州族が中国から放逐されて 後に満州国でつくる。
それまで、中国が周縁国を治めてきたというにはまったくのウソ。
全体主義 権威主義でなければ 超大国の中国を治めることはできない。
アメリカは ソ連と対決するため 中国を自由陣営にひきいれようとした。
中国も 92年のニクソン訪中に象徴される「米中融和路線」に転換した。
だが、失敗して 90年代 ふたたび 全体主義 威主義へと もどってゆく。
中国が民主主義国家になることは 以上の経過から ありえない。
だが、中国はなんとしてでも共産党でまもらなければならない。
自由民主主義になったら(中国は)崩壊する。
自由民主主義なら チベットやウイグル、内モンゴルにたいして抑圧的な政策をとれなくなるからである。
この3国の人口は 合計でも5%にみたないが 面積では40%にたっする。
中国人が化外地と呼んだ チベットやウイグル、内モンゴルなど万里に長城の外に広大な土地がひろがっている。
万里の長城の内側にある中華文明が 長城の外側の化外の文明に脅かされかねないのである。
げんに中国は、歴代、元や満という異民族に支配されてきた。
自由民主主義が採用されたら 中国は崩壊をすることになる。
独立運動がおこるからで 海外に亡命政府もおかれている。
アメリカはそういう現実をわかっていない。
アメリカがどう工作したところで 中国は民主主義にはならないのである。
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