2008年07月07日

主権・国益意識が欠落した日本の政治

 ●後退をつづける福田政治に明日はない 
 安倍晋三前首相の退陣以来、日本の政界は、沈滞したままだ。
 福田康夫首相が、安倍前首相の掲げた政策を片っ端からひっこめ、後退に次ぐ後退をかさねているからである。
 霞ヶ関やマスコミ、中国・韓国が、これを歓迎して、福田批判を控えているため、政界が死んだようにしずかなのである。
 安倍前首相ほど、積極的に前向きな政策を立て、実行に移した宰相は、戦後、例がない。
【実行済みの政策・法案】
「防衛省昇格」「海洋基本法」「(憲法改正のための)国民投票法」「犯罪収益移転防止法(マネーロンダリング法)」「教育基本法改正」「教員免許更新制度」「少年法改正厳罰化」「政治資金法改正」「社保庁解体(非公務員化)」「年金時効撤廃法(時効の貰い損ね救済)」「天下り制限」「サラ金暴利規制」
【阻止した悪法】
「国立追悼施設の建設案」「女系をみとめる皇室典範改悪」「在日外国人参政権」「人権擁護法案」
【準備中だった政策・法案】
「宇宙基本法(偵察衛星)」「国家安全保障会議(日本版NSC)創設」「憲法改正(九条破棄)」「集団的自衛権の確立」「公務員の削減・公務員の給与削減」「マスコミ捏造放送対策」「パチンコ業界規制」「同和利権への規制強化」「在日特権の剥奪」
 安倍政権が、三年もっていたら、日本は、押しも押されもせぬ一人前の国家になっていたはずだが、左傾化した自民党に、安倍をささえる力はなかった。
 それどころか、大勢が、安倍退陣→福田待望論に傾いて、民主党・小沢一郎の安倍潰しに加担した。
 安倍打倒にうごいたのが「公務員法改正」に危機感をいだいた霞ヶ関と、朝日・NHKがターゲットの「捏造放送罰則法案」に反発したマスコミのタッグ・チームだった。
 日本中の役人の後押しをうけたマスコミのすさまじいばかりの安倍叩きで、内閣支持率が急落、安倍は退陣を余儀なくされ、官界・マスコミの期待を担って、福田康夫が首相に就いた。
 福田首相は、その期待どおり、安倍前首相の功績を一つひとつ潰して、官界・マスコミの支持をうけているわけだが、よろこんでいるのは、中国も、同様である。
 東シナ海のガス田開発にたいする福田内閣の迎合姿勢に、中国は、小躍りしているのだ。
 中国は、共同開発の提案に応じないばかりか、すでに四か所の採掘をすすめ、日本側からガスを盗掘している。採掘中止の要請も、馬耳東風である。
 国際法では、隣接する国の領海は、中間線をもって定めるのが鉄則である。
 だが、中国は「わが国の大陸棚に沖縄トラフ(海盆)がふくまれる」として、尖閣諸島どころか、中間線をはるかにこえて、沖縄近辺まで中国の領海だと主張している。
 安倍前首相は、協議がまとまらなければ、日本も試掘を開始すると中国側に通告、元経産相の中川昭一は、帝国石油に試掘権をあたえて、中国の出方に備えていた。
 ところが、福田首相は、さっさと、試掘の先送りをきめてしまった。
 その口実がふるっている。
「日本が試掘をはじめれば、中国が軍艦をだすといっている」
 脅迫に屈した、などということは、一国の首相として、口が腐っても、いってはならないことである。
 だが、主権意識のない福田には、その自覚がない。
 日本の領海なのに、試掘もできないというのでは、中国に、既得権をみとめたようなものだが、そのうえ、福田は、日本領海での共同開発を提案したという。
 中国の譲歩を引き出すためというが、下手にでて、なんども煮え湯をのまされてきたことを、福田は、忘れてしまったのか。
 それとも、福田にとって国益は、中国の国益なのか。
 ちなみに、中川の後任で、じぶんの選挙区に江沢民の銅像を建てようとした媚中派の二階俊博も、まっ先に、試掘放棄をきめ、中国へご注進におよんでいる。
 自民党が、中国に媚びているあいだに、アメリカは、北朝鮮の「テロ支援国家指定」を解除、ロシアのメドベージェフ大統領は「北方領土の早期解決はありえない」と返還交渉にきびしい牽制球を投げこんできた。
 これまで、福田首相の、後退につぐ後退姿勢は、国内問題にかぎられてきた。
 だが、福田首相がホストをつとめる「洞爺湖サミット」では、先進諸国の首脳が、水面下で、国家エゴむきだしのかけひきをくりだす。
 主権と国家理性がぶつかりあう国際社会では、国益がすべてに優先する。交戦権までがゆるされる、「他国はすべて敵」(チャーチル)の世界だが、そういう場へ、福田首相がでていけば、日本の国益は、大きく害われる。
 福田首相は、就任時、靖国問題について、こう返答している。
「参拝? ヒトのイヤがることはしない。国と国の関係でもそうでしょう?」
 こういう主権意識の乏しい人物が首相をつとめていて、日本が、国益をまもれるわけはない。
 かといって、国益の追求よりも国際平和が大事、という民主党は、さらに、心もとない。
 日本政治の迷走は、保守政界再編が成るまで、今後、延々とつづくのである。


posted by office YM at 07:43 | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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帝国石油
Excerpt: ???何の説明にもならないよ。 ... 国民が中国を非難してるが・・非難されるべ...
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Tracked: 2008-07-17 16:15