2017年05月08日

 北朝鮮危機と米中関係B

 ●歴史が教える「朝鮮半島は疫病神」
 原子力空母カール・ビンソン率いる米海軍の攻撃空母群が朝鮮半島海域から離れるのがいまや時間の問題になりつつある。
 理由は三つある。
 一つは、北朝鮮攻撃に中国の同意がえられなかったことで、アメリカ主導で金正恩の打倒と朝鮮半島の再編という事態になれば、決定的に国益をそこねる中国が、米攻撃空母群出撃に待ったをかけたのである。
 二つ目は、ソウルを中心に数百万に被害が及ぶと予想される北朝鮮の反撃に韓国側が耐えられそうにないことで、従軍慰安婦問題を蒸し返すことしか頭にない韓国政府には、北朝鮮と事を構える士気も準備もそなわっていない。
 三つ目はロシアの圧力で、プーチンと電話会談したのち、トランプの口から威勢のよいことばが聞かれなくなった。
 トランプは、プーチンとの電話会談の直前、安倍首相と綿密な打ち合わせをおこなっている。安倍首相とプーチンは意志の疎通ができている。シリア攻撃で溝ができたトランプとプーチンのあいだに安倍首相が入って落としどころをさぐったというのが事実に近いだろう。
 習近平もジレンマに陥っている。
 中朝関係は、中国寄りだった北朝鮮の張成沢(国防委員会副委員長)の処刑以来、急速に悪化、習近平・トランプ会談以降、無煙炭の輸入や石油の輸出が制限されたほか、現在、経済支援が完全にストップしている。
 北朝鮮の国営メディアは、これまで数回、中国を名指しで批判している。
 これにたいして、人民日報系のメディアも「中国が(北朝鮮のために)戦う必要はない(王洪光/元南京軍区の副司令官)」と報じるなど、中国と北朝鮮の同盟関係は、いまや、崩壊の危機にある。

 中国は、北朝鮮という同盟国の造反と朝鮮半島へのアメリカの介入、北朝鮮へのロシアの接近という三つの難問に直面している。
 いちばん頭を悩ませているのはロシアの北朝鮮への接近だろう。
 ロ朝間では、すでに総事業費約250億ドル(約2兆9000億円)規模の鉄道整備・改修計画が合意済みで、ウラジオストクと羅先(北朝鮮北東部)をむすぶ定期航路も開設された。
 北朝鮮は、国内の金やレアメタル(希少金属)などの開発権益をロシア側に提供して、これを工事代金に充てるという。
 その先にあるのは租借地(港)の獲得と国家の死命を制する石油をもちいたロシアの飼い殺し外交≠ナ、羅先港は、租借化を視野に入れたロシアが建設したようなものである。
 朝鮮は、昔から支那にくっつきロシアにくっついて生きのびてきた事大主義の国で、日本が日清戦争で清国から独立させても、こんどはロシアになびいて日露戦争の原因をつくるという厄介きわまりない国である。
 併合して、アジアの最貧国から日本並みに豊かにしてやると「侵略された」「怨み千年」などとたわ言を並べ、米韓従軍慰安婦やベトナム戦争の組織的な強姦略奪を棚に上げ、日本へのいやがらせのため、従軍慰安婦像を建てまくるというクレージーな民族でもある。
 ロシアもそのクレージーさに手を焼いて一時疎遠になったが、最近、距離を縮めたのは、米・中接近にくさびを打ちこみ、地政学的な得点をえようという腹積もりからである。

 北朝鮮が原爆の小型化と大陸間弾道弾(ICBM)を完成させると米大陸のほか、北京やモスクワまでが射程内にはいって、一存で世界を震え上がらせてみせるという金正恩の妄想が実現することになる。
 米・中・ロが小競り合いをしている北朝鮮情勢のなかで、カギを握っているのがロシアである。
 中国が石油をとめても、ロシアがタンカーを羅先港に送り込めば、北朝鮮はかんたんに寝返る。
 事大主義の朝鮮人は、国家的権益や租借地の提供に抵抗をかんじない民族なので、北朝鮮がロシアの手の内に落ちるのは、時間の問題だろう。
 中国とロシアは蜜月関係にあるかのように見える。
 ところが、国境問題は例外で、かつてのダマンスキー島事件や新疆ウイグル自治区の軍事衝突(1969年)は、一時、全面戦争の危機に発展した。
 そして、現在は、中央アジアが火種で、最近、中国が提案した中央アジアの「反テロ協調体制」から外されたロシアの反発には根深いものがある。
 米・ロ・中が朝鮮半島情勢をめぐってそれぞれ微妙な立場に立っているわけだが、かつての宗主国日本は、静観の構えである。
 朝鮮民族の狂気を知っているからで、巨大な空母で威嚇すれば震え上がると読んだトランプは単細胞すぎたのである。
 懸念されるのは、中ロ紛争で、原因となりうる一つに北朝鮮がロシアに譲渡した鉱産資源の開発権益がある。
 北朝鮮には、中国との国境付近に、埋蔵量が東アジア最大級の茂山鉄鉱山や世界一のタングステン鉱脈のほか、亜鉛や銅、金鉱山までがうなっている。
 これまで中国は、電力や食料などの経済援助の見返りに同地帯の鉱産資源の権益を一手に握ってきた。
 北朝鮮がこの鉱産権益をロシアに譲渡すれば、どういう事態になるか。
 ロシア軍と中国軍が国境付近で悶着をおこす可能性すら生じかねない。
 朝鮮半島に首をつっこむとろくなことにならないのである。

posted by office YM at 10:29| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする