2018年01月15日

神道と世界最古の文明「縄文文化」28

 ●稲作文化と天皇(4)
 旧石器・新石器時代は、西洋の古代史における呼称で、日本の場合、旧石器時代以降の呼び方が縄文・弥生時代となる。
 日本は、明治以降、西洋から古代史を学んできたので、時代区分に西洋の基準を使う悪癖をいまなおひきずっている。
 西洋は狩猟民族なので、打製(旧石器)であれ磨製(新石器)であれ、動物を狩って、肉を切り裂く道具として、石器がもちいられた。
 日本にも旧石器時代があったことにされて、教科書でも、原日本人がマンモスを追って、日本列島へやってきたことになっているが、染色体などを調べても、ユーラシア大陸内部には日本人特有のYAP遺伝子は存在せず、日本人がユーラシア人より先に日本列島に住んでいたことがわかっている。
 西洋式古代史のウソを暴いたのが、三内丸山の縄文文化の存在だった。
 国の特別史跡に指定されている三内丸山遺跡は、5500年前から4000年前までおよそ1500年間にわたって500人ほどが定住していたとされる縄文時代の集落で、遺跡跡からは住居や墓にくわえ、大量の縄文土器や装身具などが出土している。
 またクリやゴボウ、ヒョウタンやマメなどの植物栽培の痕跡もみられ、狩猟中心の新石器時代の古代観がもののみごとにくつがえされている。

 新石器時代(紀元前8000年頃)は日本の縄文時代とかさなるが、両者は世界観がまったく異質で、際立っているのが、新石器時代から土器がまったく出土していないことである。
 土器の有無が新石器時代と縄文時代の決定的なちがいで、それが古代文明の東西の分岐点となった。
 人類は火を利用することを知って、大きな進歩をとげたが、同様に、土器の発明によって水を自在に扱えるようになった縄文人は、狩猟民族とは異なった新しい文明のみちを歩みはじめた。
 水を保存し、移動させる土器が、農業と海洋進出を可能にしたのである。
 三内丸山では、縄文時代、各種の農業栽培がおこなわれたことがわかっており、これが、のちの陸稲・水稲栽培へつながってゆく。
 そして、もう一つが海洋進出で、三内丸山遺跡から1メートル近いマダイや大型魚の骨が出土しているところから沖合漁業がおこなわれていたのは明らかで、その他、新潟県のヒスイ、岩手県のコハク、北海道の黒曜石がみつかっているのは、船団による地方遠征がおこなわれていたからであろう。
 伊豆七島の八丈島で縄文土器が発見されていることから、土器をつくった縄文人が、農業開拓者である一方、海洋民族だったことがわかる。

 1960年中頃、バヌアツ共和国でフランスの考古学者ジョゼ・ガランジェ博士が採取した土器のかけらが、日本の縄文式土器に似ていることに注目した篠遠喜彦博士がオックスフォード大学に分析を依頼した結果、土器がつくられたのは約5000年前で、ミクロパーライトという成分がふくまれていることから、青森県周辺でつくられた縄文式土器だったとわかった。
 また、エクアドル太平洋沿岸のバルディビアで数多く発見された土器が日本の縄文式土器に似ており、年代測定すると5500年前のものだという。
 エクアドルには縄文式土器のような高度な土器の前駆となる素朴な土器がない。
 そこから、アメリカ・スミソニアン大学のベティメガーズ博士は、約5000年前に縄文人が南米エクアドルへ移動してきたという仮説を提示した。
 5000年前、縄文人が高い航海技術を持っていたことは、三内円山遺跡で新潟県のヒスイ、岩手県のコハクがみつかっていることや八丈島で縄文土器がみつかっていることからも明らかである。
 当時の丸木舟は、脇に浮きを付けたアウトリガー方式と思われるが、実験で安定度を測定したところ、台風クラスの波をうけても転覆しないことが分かった。
 日本付近から黒潮がアメリカ大陸にむかって流れている。
 その黒潮にのると、6か月後、カナダ南部からアメリカ西海岸に到着する。
 日本付近を北上後、北太平洋海流となって東進する黒潮は、アメリカ西海岸を南下するカリフォルニア海流となって、赤道手前で北赤道海流と赤道反流に分かれる。
 赤道反流に乗り移った場合、次にぶつかる陸地がエクアドルあたりの海岸になる。
 一方、黒潮反流にのってフィリピンを迂回するルートをとれば、島づたいに南下して、エクアドルからバヌアツへもたどり着くことができる。
 日本からアメリカ西海岸やエクアドルまでも約6か月前後かかるが、食糧は船の影に集まる魚を取り、水は雨水を溜める土器があれば問題はない。
 粘土を焼いて、土器をつくった縄文人は、石器中心の文化をつくった西洋とはまったくちがったみちをあゆんで、日本文明をつくりあげた。
 日本文明の根底にあるのが縄文文化だが、その特質は、土器と農業とりわけ稲作である。
 次回から日本文明の特殊性へふみこんでいこう
posted by office YM at 03:02| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする