2018年03月20日

 神道と世界最古の文明「縄文文化」37

 ●天皇と国家「勅と法」(8)
 天皇の本質は、権威と権力、政体と国体、政治と文化などの二元論にあるといってよいだろう。
 天皇は権力をもたず、権力(政府)は、権威(天皇)を敬うという二元性がはたらくのが国家本来のすがたで、それが伝統国家である。
 国家は、現在という空間軸と、歴史という時間軸からできている。
 権力やカネ、法などのヨコ軸と、歴史や伝統、文化などのタテ軸が交差するところに用意されているのが天皇の地位で、天皇は中今(現在)の存在であると同時に、歴史的存在(皇祖皇宗)でもある。
 聖俗も二元論である。
 国家も人間も、理屈でわりきれる俗なる合理性と、理屈が通用しない聖なる非合理性をあわせもつことによって、はじめて、奥行きのある国家観や人格ができあがる。
 イエス・ノーを保留するあいまいさ、どちらでもよいという両立性も二元論といえるだろう。
 答えが一つしかない一元論では、イエスかノーしかないので、永遠に争いがつづく。
 棲み分けや共存、共栄の論理がなりたっている二元論・多元論の世界では、国家を転覆させるような内乱や革命がおきない。
 革命や民主主義は、一元論の世界のものだったのである。
 一元論が破綻するのは、世界や自然、歴史が多元的にできているからで、人間が頭のなかでひねくりまわす一元論は、じつは、どこにも存在しない妄想でしかない。
 西洋の宗教戦争や領土戦争、市民革命、海外侵略、帝国主義が凄惨だったのは、一元論に立っていたからで、一元論の世界観では、従わないものはすべて敵で、殲滅しなければならない。

 それが西洋の近代合理主義というもので、歴史というタテ軸が断たれている。
 戦後、アメリカから、近代合理主義が怒涛のようにおしよせてきて、日本的価値観が隅におしやられた。
 日本的価値観というのは、伝統のことで、戦後日本は、アメリカ民主主義一辺倒の国となった。
 民主主義は、一元論で、多数決にしろ力の論理にしろ、数に帰される。
 一方、伝統は、多元論で、文化にしろ芸術にしろ、質に帰される。
 いうまでもないが、政治は合理主義で、文化は反合理である。
 社会から政治、文化から皇室にまでおよんだ日本の西洋化は、結局、合理化ということであって、合理化して、残るのは、数の論理だけである。
 数は合理化できるが、文化や思想という質は、合理化できない。
 かつて、日本人は、合理化できるものと合理化できないものの両方をもっていた。
 合理主義をうけいれながら神にも祈ったわけで、その伝統が、新鋭ビルの竣工に際しておこなわれる地鎮祭である。
 敗戦後のアメリカ化・民主化によって、合理主義と伝統を同時にうけいれる高次な精神が失われて、日本人は、朝から晩まで民主主義を叫ぶ愚かな民族となった。
 賢明だった日本人が、49%の少数派を切り捨てる数の論理を万歳を叫んで迎えたのである。
 革命の方便にすぎない民主主義が至高の価値となった戦後、ついに、天皇にまで合理の定規があてられ、皇室までが民主化されるはめになった。
 権力と権威を隔てる二元論がゆるんで、天皇とヨーロッパの王政との区別がつかなくなってしまったのである。
 
 これが天皇の危機である。
 世界の王政がすべて滅び、滅亡を免れたとしても、英国のように形式を残すだけになったのは、民主主義という毒牙に伝統や文化を食いちぎられたからである。
 民主主義が猛威をふるっているかぎり、反共・伝統防衛の旗を降ろすことはできない。
 日本の民主主義は君民一体≠ナ、西洋の民主主義は君主打倒≠ナある。
 日本人が、人類最高法規と信じている西洋の民主主義は、現在進行形の革命用語で、ゆきつくところは、スターリンやヒトラーがめざした民主主義にもとづく独裁である。
 独裁者が民主主義(多数派)を権力のレジテマシーとするのである。
 かつて、右翼は共産主義を敵としたが、共産主義が滅びると、慢心と油断にひたって、右翼陣営はもぬけの殻同然となった。
 恐るべきは、正体がバレている共産主義ではなく、共産主義の隠れ蓑である民主主義のほうで、民主主義という一元論をたどってゆくと、人民政府という独裁体制があらわれる。
 軍部・軍属が天皇を利用して軍国主義をつくったように、左翼・反日勢力が民主のスローガンを利用して民主ファシズムをつくる。
 むかう先は、共産化と中国への属国化である。
 民主が唯一の正義となる国家は、天皇が唯一の正義だった国家と同様、危険きわまりないのである。
 天皇をまもることは、歴史をまもることで、右陣営がたたかうべきは、共産主義ではなく、民主ファシズムである。
 次回以降、天皇・国体防衛について、さらに論をすすめよう。

posted by office YM at 14:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする