2018年10月08日

 神道と世界最古の文明「縄文文化」64

 ●自主憲法制定と日米地位協定(1)
 風さゆる 冬は過ぎて まちにまちし 八重桜咲く 春となりけり
 これは、昭和二十七年四月二十八日、サンフランシスコ平和条約が発効して日本が独立を回復した折に天皇陛下が詠まれた和歌である。
 日本はそれまで旧連合国、現在の国連常任理事国の占領下にあって、言論は統制され、日本の伝統や国体、民族文化が破壊されかねない危機にさらされていた。
 日本が主権を回復したとき、陛下は、明治神宮と靖国神社に参拝された。
 独立回復をよろこび、明治天皇と戦没者にこれをご報告されたのである。
 日本に神風が吹いたというのは、結果として、国体が護持されたからである。
 この時点で、GHQ憲法は無効となっていたはずである。
 イギリスの植民地だったアメリカ、ナチスに屈したフランス、日本との合併下にあった朝鮮が、独立戦争や解放戦争、日本の敗戦によって、それまで隷属的だった法体系から開放されたのは当然で、日本も、そのとき、吉田茂首相が独立宣言をおこなって、憲法廃棄を宣言していれば、現在にまで尾を引く憲法問題は存在しなかっただろう。
 ところが、GHQ憲法を残し、日本をアメリカの庇護下におこうとした吉田茂は、社会党とつうじて、憲法の破棄ではなく、改正という方法論をえらんだ。
 吉田が目をつけたのが、各議院の総議員の三分の二以上、国民の過半数の賛成票を必要とする九十六条の改正条項だった。
 吉田はこのとき、社会党が、憲法改正の拒否できる三分の一票を獲得できるように裏工作をおこない、その社会党に改憲反対をけしかけた。
 以後、憲法議論は、閣議決定や多数決で可能な破棄ではなく、総議員の三分の二以上が必要な改正へふりかえられて現在に到っている。
 渡部昇一や石原慎太郎ら多くの保守論客が憲法破棄論を訴えたが、マスコミは完全無視して、憲法論議を、事実上、実現不可能な改正論へと固定化させた。
 自主憲法制定が党是だった自民党も改憲へと軌道修正した。
 そして、日本共産党が、党勢拡大のために9条護持を謳うにいたって、憲法議論は不毛なデッドロックにのりあげてしまった。
 改憲・自主憲法制定論者を「好戦主義者」とする共産党一流のデマゴギーが世論の一角を占めるにいたって、まともな憲法論議が成り立たなくなってしまったのである。
 
 日本は、現憲法下で世界6位の軍事力をもち、イージス艦6隻、空中給油機6機、準空母2隻を保有するほか、900キロ級の巡航ミサイルの導入までをきめている。
 これを現憲法に照らすと9条2項(「陸海空軍戦力を保持しない」)に抵触するのは子どもでもわかる。
 日本は、憲法を改正せずとも、否、憲法を改正しないほうが、日本は適正な軍事力をもてるのである。
 むろんこれは、アメリカの都合で、トランプが過日、日本が日米貿易摩擦を緩和するに足るほどの米製武器を購入すると上機嫌だったことから、日本の防衛費は、今後、増えつづけると予想される。
 軍事超大国アメリカにとって、日本は、同盟国であるよりも、武器を買ってくれる大のお得意であって、それ以上ではない。
 ナチスに屈服したフランス・ヴィシー政権の法を戦後、撤廃したのはドゴールだったが、ドゴールは「同盟国とは共にたたかうが、運命は共にしない」と名言を吐いてもいる。
 ところが、日本は、アメリカの同盟国であるよりも運命共同体たらんとしている。
 サンフランシスコ講和条約によって、主権返還とGHQの撤退が実現して、日米安保条約発効したが、憲法にリライトされた占領基本法と日米地位協定は旧態依然のまま残った。
 これが対米属国の元凶で、日本国憲法および日米地位協定の主体者はアメリカである。
 憲法と日米地位協定があるかぎり、日本は、アメリカの属国でありつづけなければならないのである。
 安倍首相の9条加憲は、9条二項で「陸海空軍を保持しない」と謳いながら自衛隊を合法化するというもので、これは、精神分裂症的な大矛盾だが、日米の特殊な関係をみればうなずける。
 
 アメリカは日本に最新の武器を売りまくるが、その武器が、対米緊張にむけられたら目もあてられない。
 日本の軍事力が脅威になった場合、アメリカは、日本にたいして、軍隊が存在せず、交戦権ももたないという九条の原則をまもるようにもとめる。
 九条があれば、日米摩擦が生じたとき、時の政権を9条違反でゆさぶることができるのである。 
 アメリカは、ロッキード事件を仕掛けて、田中角栄を抹殺した実績をもっている。
 日本の首相が、武器輸出にからんで賄賂を取ったというスキャンダルを朝日新聞や日本共産党に流せば、まちがいなく、反米政権はつぶれて、親米政権が誕生する。
 日本の政治家を収賄罪でひっかけるにも、9条違反が格好のフックになる。
 アメリカは、超軍事大国であると同時に大謀略国家である。
 CIAがそのくらいのシナリオを書き上げるのは朝飯前だろう。
 しかも、アメリカは、敗戦が決定的だった国に二発の原爆を落として、殺傷能力テストをおこなった有色人種蔑視の国家でもある。
 アメリカにとって、憲法と日米地位協定は、日本を支配下に置くための悪魔の切り札だったのである。
 次回は、テーマを、対米関係から憲法、日米地位協定、防衛、いわゆるA級戦犯、天皇の靖国神社参拝までひろげていこう。
posted by office YM at 00:29| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする