2019年06月28日

マスコミ世論&タレント識者の俗論を撃つE

 マスコミ世論&タレント識者の俗論を撃つE
 ●愛子さまが天皇になられない理由B
 日本共産党は反天皇の綱領をもっている。
 その綱領に「一つの家族が国民統合の象徴となる天皇制は民主主義と人間の平等の原則に反する」とある。
「一つの家系が日本を象徴する制度が未来永劫つづくのは不合理(日本共産党小池晃書記局長)」というのである。
 天皇の地位が、親から子への直系相続にあると思っているのは、共産党や女系天皇論者だけではない。
 一般国民も、多くが、民法的な感覚で、直系長子相続が自然と考えている。
 そこから、女性宮家の創設や女性天皇という考え方がでてくる。
 天皇が男子に恵まれなかったら、女子が新天皇になってもよいではないかというのである。
 皇位の継承を男系男子に限っている「皇室典範第1条」を改定するうごきもある。
 すでになんどものべてきたように、女系では、先祖の血筋を継承できない。
 男性のY染色体は、世代を重ねても、純粋な形で男子に継承される。
 ところが、女性X染色体は、世代がかわるたび、交叉して、系統が変化する。
 女系男子が皇位を継承した場合、新天皇は、神武天皇ではなく、母方の夫側の染色体をひきついでしまうのである。
 家族や家系なら、直系長子相続でよいだろう。
 だが、天皇は、一系の王朝であって、家族でも家系でもない。
 直系長子相続では、神武王朝ではなく、天皇一家の家系になってしまう。
 現在、日本では、天皇が王朝であることが、まったく理解されていない。
 日本が世界から一目おかれる伝統国家で、それが日本の国際的地位を高めているのは、天皇が数千年の歴史を有する王朝だからで、天皇が、憲法によって国民統合の象徴とされているからではない。

 日本が数千年にわたってまもってきたのは、天皇一家ではなく、万世一系の神武王朝だった。
 それを象徴するのが、神武天皇の血統を大幹とする系統樹である。
 神武天皇の血統という幹から男系宮家という枝が四方へのびている。
 その一本の枝が第119代光格天皇から今上天皇(第126代徳仁)へつらなる閑院宮家で、8代にわたって、皇統として、神武王朝を継承してきた。
 第118代後桃園天皇が22歳で急逝して、直系の皇族に男子がいなかったため、1780年、光格上皇が、傍系の閑院宮家から9歳で即位した。
 光格天皇と先代の後桃園天皇とは8親等の隔たりがあって、直系長子相続の感覚からいえば、限りなく他人に近い遠い親戚だった。
 閑院宮家は、光格上皇から6代さかのぼった東山天皇の第6皇子が創設した宮家で、皇統の断絶を危惧した新井白石が将軍徳川家宣に建言して設けられた男系宮家である。
 一つの家系や家族あるいは直系では、皇統をまもることはできない。
 皇統が、神武天皇の血統をひく男系宮家という枝によって、まもられてきたのは、今上天皇が閑院宮家系だったことからも明らかだろう。
 かつて、皇位の傍系相続が三度おこなわれた。
(1)第25代武烈天皇から第26代継体天皇(9親等の隔たり)
(2)101代称光天皇から第102代後花園天皇(9親等の隔たり)
(3)第118代後桃園天皇から第119代・光格天皇(8親等の隔たり)
 親等は、直系長子相続を基準とする家族や家系の遠近の度合いをしめす。
 だが、祖先の系統をまもる王朝では、親族の遠近をしめす親等は問題にならない。
 問題になるのは男系宮家という枝で、王朝は、直系長子相続ではなく、男性宮家の世襲によって維持されてきた。
 王朝が男系相続となったのは、女系相続では、閨閥政治や政権抗争、独裁をうみ、内紛や政争、摩擦を避けられなかったからである。
 日本で、一つの王朝(皇統)が2000年以上、維持されてきたのは、古代国家の大連・大臣から律令体制における二官八省、摂関政治や院政、武家政治にいたるまで、天皇と権力の二元論が成立したからだった。
 権力が天皇を立てて、その下で、自律的に権力を操作したのである。
 社会も人間も、物と心、合理と不合理、聖と俗の両面をもっている。
 権威と権力、国体と政体、文化と軍事の二元論は、そういった二元的、多元的な世界に対応するもので、神武王朝=日本国家は、天皇と将軍の二人がおられたことによって、2700年の長きにわたって、体制を維持できたのである。
 ヨーロッパや中国、中東やアジアにおいて、権力や宗教は、一元的だった。
 その結果、圧政や恐怖政治、宗教弾圧、奴隷制度などが横行して、人々は塗炭の苦しみをなめた。
 民主主義や人権は、数千年におよぶ暗黒時代の反動で、チャーチルではないが、ファシズムよりはましという代物にすぎない。
 神武王朝は、古事記や日本書紀がつくりだしたフィクションだったかもしれない。
 だが、日本は、そのフィクションにどっかり腰をすえて、天皇と近代国家を運営してきた。
 日本は、民主主義や平等が人類の理想であるような不幸で貧しい歴史をもっていないのである。

posted by office YM at 10:55| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする