2019年09月09日

恨(ハン)と反日をうんだ朝鮮半島の地政学的悲劇C

 ●反日をバネに南北統一をめざす文在寅の野望
 韓国の反日は、複合的な民族感情で、一筋縄ではゆかない。
 小中華思想にもとづく対日蔑視、中国の属国だった事大主義と恨(ハン)という情念、儒教の後進性と李王朝の腐敗と貧困、日本の属国になった負い目が重なって、反日という日本憎しの民族感情がうまれた。
 その反日感情を政策化したのが、戦後の初代大統領、李承晩だった。
 当時、日本から分断された韓国は、世界の最貧国へと没落して、日本時代を懐かしむ声が国中にあふれていた。
 独裁者として、最高権力を握った李承晩は、この声を封殺すべく、新聞社や教育機関を総動員して、日本時代が地獄だったとするデマゴギーをふりまいた。
 韓国の三大紙が、いまなお反日の宣伝塔となっているのは、その名残である。
 李承晩は、李承晩ラインを敷いて、日本の漁民3929人を抑留、29人を殺して、さらに、竹島を奪っている。
 李承晩は、民間人6万人余を虐殺した済州島「四・三事件」(1948年)の責任者で、1960年の退陣要求デモでは、警官隊に発砲を命じて186人の命を奪った。
 史上最悪の大統領、李承晩の反日は、独裁から目を逸らさせ、自国民の大量虐殺という惨事を隠蔽するためだった。
 この政策的反日を再現したのが、李承晩失脚から43年後、李承晩とは正反対の左翼政権だった。
 盧武鉉大統領と文在寅大統領秘書室長コンビによる「反日法」(親日派財産を没収する特別法)の公布と日本の原発を標的とした巡航ミサイル「玄武3」の配備がそれである。
 中央日報によると、盧武鉉は米韓安保協議会(SCM)で日本を米韓共通の仮想敵国にするように提案して、当時のラムズフェルド国防長官に深い不信感を抱かせている。
 日韓GSOMIAの破棄につづく竹島での軍事演習、日本を仮想敵国とする軍事予算の拡大(4兆円/日本5兆円)は、盧武鉉から文在寅へひきつがれた反日戦略の一環で、この段階で、日本は、韓国の仮想敵ではなく、正敵と位置づけられた。
 その先にあるのは、自由主義陣営からの離反で、文在寅は、保守派と親日勢力の一掃と大企業の国営化という社会主義化の方向へ舵を切ったのである。
 韓国経済を牽引してきたサムスングループの李在鎔副会長を逮捕起訴したのは、国有化の布石で、サムソンは、すでに、生産拠点をベトナムへ移し、他の有力企業も、いくつか、本社機能の移転を検討している。
 とくに、親日派企業は、反日法や司法につよい影響力をもつ国民情緒(法)によって、いつ、権力から摘発されてもおかしくない危機にさらされている。

 国家元首と行政府の首班を兼ねる韓国の大統領は、警察・検察・司法をふくめたすべての国家権力機関の長を任命できる絶大な権限をもっている。
 それが、李承晩がつくった青瓦台(大統領府)の独裁体制である。
 文在寅は、すでに、政府や官僚組織、軍隊にまで手をのばして、要職を左翼陣営で固めた。
 その仕上げが、゙国(チョ・グク)元大統領府首席秘書官の法務大臣起用である。
 文在寅は、゙国を使って、韓国で圧倒的な力をもつ検察を掌握、その゙国を次期大統領に据えるはらづもりである。
 検察をふくめたすべての権力を掌握して、文在寅後も、゙国を次期大統領にすえて、じっくりと韓国の社会主義化をすすめようというのである。
 
 盧武鉉から文在寅、゙国ら韓国左翼は、朝鮮半島の国家の正統性を北におく特有の歴史観、価値観の上に立っている。
 本来、北の社会主義者とともに、祖国統一をめざさなければならなかったのに、保守派が親日派と手を握ったために、分裂国家になってしまったというのである。
 したがって、国家を分断した親日派・保守派を真っ先に清算しなければならない。
 韓国左翼にとって、朴正煕の「漢江の奇跡」も日本の経済援助も、南北統一の妨害でしかなかったのである。
 文政権(青瓦台)の周辺には、共産主義者や北朝鮮の主体思想にカブれた極左や「日本は絶対悪、韓国は絶対善」を信奉する反日原理主義がごろごろしている。
 文大統領は、「光復節」で「2045年までに南北統一を実現させ、8千万人の単一市場と日本をおいこす平和経済を構築する」と謳いあげた。
 かつて、金日成が提案した高麗連邦構想の二番煎じだが、妄想である。
 韓国と北朝鮮の体制上のちがいは、資本主義と共産主義だけにとどまらない。。
 決定的なのは、近代国家と前近代社会のちがいで、北朝鮮は、金正恩の私物国家である。
 金正恩は、民主主義も自由主義も、人権も法の下の平等も、議会などの近代的制度もうけいれない。
 最大の問題は、独裁と普通選挙法の相違で、これは永遠に解決がつかない。
 現体制のまま、南北統一すれば、粛清によって、南の保守系が皆殺しになるか、それとも、金正恩以下、金一族が刑務所に送りこまれるかどちらかになる。
 そもそも、原爆やミサイルの共同管理がかんたんにゆくわけはない。
 米韓軍事訓練をきっかけに、突如、金正恩が、文在寅を罵倒しはじめた理由がそこにある。
 南北統一は、金正恩にとって、原爆を使って、南を屈服させることで、民主化でも自由化でも、まして、金王朝を否定する高麗連邦共和国でもなかったのである。
 金正恩が生きているかぎり、南北統一は100%実現しないと断言できる。
 それより可能性が高いのは、韓国の中国化で、文在寅の社会主義化がすすんでゆけば、韓国は、中国の一部となる可能性がでてくる。
 統一新羅から高麗、李王朝にいたるまで、朝鮮は、みずからすすんで中国の属国となってきた千年の歴史があり、小中華思想は、韓民族の誇りでもある。
 韓国が中国の一部なれば、朝鮮半島は、二国二体制で、南北が共存できる。
 文在寅が、金正恩から罵倒されても、韓国の社会主義化という方針にぶれがなかったのは、中国の一部になるという小中華へのノスタルジーがはたらいていたせいだったろう。
 韓国の「反日・離米」がつづけば、トランプの公約どおり、近い将来、アメリカは半島から撤退する。
 すると、東アジアの勢力版図は、劇的に、ダイナミックに変化してゆく。
 1950年にアチソン米国務長官が「共産主義を封じ込める」ために、宗谷海峡から日本海、対馬海峡、台湾東部、フィリピンへ抜けるアチソンラインという防衛線を設定した。
 北朝鮮が南朝鮮へ攻め入ったのは、当初、朝鮮半島がアチソンラインの外側にあったからで、北は、アメリカが朝鮮半島に介入しないと読みちがえたのである。
 アチソンラインがふたたび朝鮮半島の外側に引かれると、東アジアは、日清戦争以前の混沌とした状態になる。
 そうなると、日本は、赤化朝鮮や共産党独裁の中国と、直接、対峙しなければならなくなる。
 日米同盟の強化が望まれるが、中国と朝鮮半島、ロシアの3国に対抗するには、それだけでは、不十分である。
 安倍首相が提唱して、トランプ大統領やマンモハン・シン印首相が賛同する日米印同盟(インド太平洋構想)がその対抗軸として浮上してくる。
 太古の昔から日本を悩ませてきた半島問題には、大きな視野をもってあたらねばならないのである。
posted by office YM at 12:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする