2020年09月23日

 反官僚の菅政権に期待する@

 ●常識と現実主義に立ったしたたかさ
 長期政権の記録をつくった安倍晋三前首相が、病気で引退した後をうけて、菅義偉(すがよしひで)前官房長官が内閣総理大臣(第99代)に就任した。
 自民党総裁選挙で、岸田文雄政務調査会長と石破茂元幹事長を大差で破ってのことで、世論調査の支持率も74%(日経新聞)と史上3番目の高さだった。
 菅内閣が、国民から高い支持をえた理由は、政治がわかりよいからである。
 菅首相は、就任後の初会見で、役所の縦割りや既得権益、悪しき前例主義の打破を表明したが、これこそ、国民が望んできたことで、しかも、官僚国家の弊害が深刻な日本にとって、現在、直面している最大の政治課題といえる。
一内閣一仕事≠フ観点からいえば、各省庁の政策一元化や、規制改革だけで十分な成果だが、そのほか、菅首相は、デジタル庁新設や「地方創生」などの新機軸を掲げている。
 これらが、すべて、コロナ対策と関連しているのはいうまでもない。
 マイナンバーを利用した給付金の支給が混乱したのは、官庁のデジタル化がすすんでいなかったからである。
 平成19年、社会保険庁と自治労が、パソコンの使用が労働強化にあたるとして、年金名簿入力をアルバイトにまかせっきりにして、5000万件の年金記録を消失させ、この失政で、自民党は、政権からすべり落ちている。
 だが、その後も、官庁のデジタル化はすすまず、コロナ対策では、厚労省や保健所が、ファックスで、情報をやりとりして、世界の笑いものになった。

 デジタル庁は、住民票から納税、健康保険などを、省庁横断的に一本化するマイナンバー(カード)の所轄部門である。
 担当大臣となる平井卓也は、スマートフォン向けゲーム(「あべぴょん」)を開発したデジタルやITの専門家である。
 これを期に、現在、世界の最下位にあるデジタルやITの競争力を増強してもらいたいものである。
 地方創生には「大阪都構想」から首都機能の地方分散、地方の雇用増大まで多々あるが、注目されたのが、コロナ対策である。
 大阪府の吉村洋文知事や東京都の小池百合子知事、北海道の鈴木直道知事らが、地方行政で、国政をこえた強力な指導力を発揮してきたのは、多くの国民の知るところである。
 住民投票で「大阪都構想」が可決されれば、ふるさと納税の主唱者で、松井一郎大阪市長と親しい菅首相が応援するはずである。
 菅政権から、地方の時代がはじまる可能性が高いのである。

 菅政権の目玉に、首相の指示の下で「行政改革目安箱(縦割り110番)」を設置した行政改革・規制改革相の河野太郎と、中国の神経を逆撫でする親台湾派で、安倍前首相の実弟にあたる防衛相の岸信夫らがあげられる。
 とりわけ、外務大臣や防衛大臣、国家公安委員会委員長をつとめてきた河野太郎は、これまで、歯に衣着せない物言いで、なんどか、物議をかもしてきた。
 豪腕で鳴る河野大臣が、硬直した日本の官僚体制にかける強引なゆさぶりに大いに期待したい。
 さて、河野太郎ら大臣については、次回、ふれるとして、菅首相の言動に目をむけてみよう。
 菅首相は、常識派で、抽象的な議論を好まない反面、ストレートな物言いでこれまで論敵をつぎつぎ片付けてきた。
 加計学園問題で、安倍前首相に噛みついた前川喜平前事務次官の内部文書を怪文書≠ニした菅官房長官(当時)は前川をこう切って捨てた。
「前川氏は、女性の貧困問題の調査のために、いわゆる出会い系バーに出入りして、女性に小遣いを渡している。これにはつよい違和感を覚える。杉田和博官房副長官からも厳しく注意をうけている」
 以後、東大出の前川をスター扱いしていたマスコミはぴたりと沈黙した。
 前川喜平をもちあげるなど、権力とたたかうと称して、記者会見で、愚問を連発させてきた左翼記者(東京新聞/望月衣塑子)にたいしても、菅官房長官(当時)は「あなたに答える必要はありません」と一蹴している。
 日本の政治は、政策と政権、空想と現実、保守と革新が入り混じって、国民にわかりにくいものになっていた。
 菅政権が、一定の支持率の下で、政策と現実、保守を一本の糸につなげると、日本の政治はかならず変わるのである。
posted by office YM at 09:29| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする