2020年11月19日

 反官僚の菅政権に期待するH

 ●GHQ民主主義からの脱却
 日本人は民主主義が一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)の産物であることを知らない。
 一神教は、正しいものが一つしかないとする一元論で、正しいほうが正統で、悪いほうが異端となる。
 中世の宗教戦争では、カトリックとプロテスタントが凄惨な殺し合いをくり広げ、異端裁判では、おびただしい人数の罪なき女性が火刑に処された。
 一神教においては、異端は、完全に滅ぼされなくてはならない。
 異端を滅ぼすことによって、正統が成りたつ構造に立っているので、正統は、異端を皆殺しにする。
 だが、その正統から新たな異端がうまれて、ふたたび、血みどろの争いがはじまる。
 この悪循環にくさびをうちこんだのが、市民革命の原理となった多数決≠セった。
 多数決なら、永遠につづくであろう正統と異端の争いに終止符を打つことができる。
 古代ギリシャでうまれた多数決(民主政)を批判したのがソクラテスで、多数決政治では衆愚政治になるとした。
 民主裁判で、死刑を宣告されたソクラテスは、毒をのんで自殺するが、弟子のプラトンは、哲人政治を唱える。
 政治をゆだねるなら、気まぐれで無知な大衆ではなく、英知をもった哲人のほうがましというのである。
 17世紀に、ルソーがよみがえらせた多数決の原理は、フランス革命の原動力となったが、一方、プラトンの哲人政治は、ヒトラーやスターリンの独裁に悪用された。
 現在、世界の国々は、多数決を採用して、これを民主主義と称している。
 だが、デモクラシーは、大衆による支配という方法論で、主義でも思想でもなく、まして、理想でもない。
 それどころか、民主主義は、窮余の策で、チャーチルではないが、独裁よりはマシという代物にすぎない。
 人類最大の難問が「個と全体の矛盾」で、いまのところ、民主主義が唯一の処方箋である。
 だが、49%の少数派が切り捨てられる「数の暴力」が最良の政治形態であるわけはない。

 キリスト教を正統と異端の一元論でみてきた西洋では、すべてを対立概念≠ナとらえる。
 国会は、与党と野党が対立している状態で、与野党の対立がなくなると、国会ではなくなってしまう。
 世界は、善と悪がたたかっている場所で、善あるいは悪だけの世界はありえないのである。
 一方、多元論、二元論の日本は分立概念≠ナある。
 八百万の神々がいて、民に幸をもたらす和魂(にきたま)がいれば、民を苦しめる荒魂(あらたま)もいる。
 対立概念の西洋では、一つのなかに、正統と異端、善と悪などの概念が対立的に存在している。
 裁判所も、検事と弁護士が、有罪と無罪を論争する場所で、裁判官は行司にすぎない。
 ところが、分立概念の日本では、すべてが、善玉か悪玉で、一つのなかに、善と悪が対立的に存在する状態はありえない。
 司法は神聖なる正義で、検察の起訴有罪率99・9%とあって、司法も検察も、非の打ちどころがない善玉である。
 憲法は、不磨の大典で、民主主義や国民主権は、天から授かった絶対無比の真理である。
 池袋暴走事故で、母子2人の死亡をふくめて11人を死傷させた飯塚幸三の無罪の主張にたいして、杉村太蔵は「民主主義において裁判で被告がじぶんの正当性を主張するのは基本的人権の一丁目一番地」と擁護論をのべ、慶応大学名誉教授の金子勝は、菅首相が日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否すると「反民主主義の体質を露呈」と騒ぎ立てた。
 西洋人が、他に選択肢がないので、やむなく採用した民主主義が、日本の民主主義者にとって、西洋からやってきた後光がさす有り難い真理なのである。
 民主主義と基本的人権、憲法9条を信仰するかれらは、当然、日本の歴史観にもとづく価値観や社会通念、習慣や習俗、日本人としての常識や道理、義理人情などにうとい。
 歴史や国体、天皇への尊敬心も薄いが、伝統もまもることは、改革を叫ぶことよりよほど知的努力がもとめられる。
 戦後のGHQ革命によって、日本の国是が、歴史に根差した伝統文化から、アメリカ民主主義へきりかわった。
 そして、民主主義や自由平等、基本的人権、平和主義が、戦後日本の唯一のルールとなった。
 大統領就任が確実なジョー・バイデンは、2016年、ヒラリー・クリントンの応援演説で、日本の核武装を匂わせたトランプを批判して「(トランプは)われわれが日本を核武装させないために憲法を書いたと学校で習わなかったのか」と発言している。
 日本人は、GHQがわずか10日で書きあげた「占領基本法」を神棚にあげていまもなお拝んでいる。
 いい加減に目をさまして、わが国の伝統的な価値や文化に立ち返らなければ、日本は、アメリカの精神的植民地になってしまうのである。

posted by office YM at 20:58| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする