2020年12月21日

 反官僚の菅政権に期待するL

 ●<敵基地攻撃能力>だけが国家をまもれる
 民主党のバイデンが、アメリカの次期大統領になると、日米関係は、クリントン時代のように冷えこむだろう。
 なにしろ、クリントンは、中国を訪問した後、同盟国の日本に立ち寄ることなく帰国して、バッシングならぬパッシング・ジャパン(日本無視)の風潮をつくった大統領なのだ。
 民主党のオバマ大統領が、中国にべったりだったクリントンを名指しして「あの男が中国をのさばらせた」と公言したのは有名な話で、中国をWTO(世界貿易機関)に招き入れた(2001年)のは民主党のクリントンであった。
 そのオバマも、南シナ海の要塞化やウイグル問題、北朝鮮の核武装化、韓国の対日敵視政策には手をこまねくだけで、バイデンは、そのオバマ時代の副大統領だった男である。
 日本敵視政策は、ルーズベルト大統領以来、民主党の伝統で、対日経済封鎖や隔離声明(中国保護と対日制裁)から、第二次世界大戦、トルーマンの原爆投下、GHQによる日本占領までつづいた。
 日米関係が好転したのは、フーバーから20年を経過して、アイゼンハワーが大統領になった1953年以後で、ルーズベルトの謀略を告発したフーバーも、日米安保のアイゼンハワーも共和党だった。
 バイデンになんの期待もできないのは、民主党には、日本を、中国や韓国の下位におく侮日観が根強いからで、副大統領時代から日本をこばかにしてきたバイデンに追従すると、安倍前首相が築きあげて日本の国際的地位はたちまち地に墜ちる。
 日本の憲法は、日本の核武装を防ぐ目的で、アメリカがつくったというバイデン発言が、日本を軽視する姿勢のあらわれで、この一言に、戦勝国が、戦後秩序(ヤルタ・ポツダム体制=戦後レジーム)をつくったという思い上がりがみえている。
 いまこそ対米従属≠ゥら距離をおくタイミングで、バイデンのアメリカにつきあっていると、アメリカの属国扱いされて、国際社会における日本独自の地位など夢のまた夢となる。

 問題は、経済防衛と国家防衛、シーレーン防衛の3つの防衛である。
 ちなみに、日米安保は、アメリカ国防総省と日本防衛庁の軍事同盟で、民主党政権が、たとえ、日本に冷淡であっても、同盟関係の効力に影響はない。
 経済防衛の要点が、EPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)の強化にあるのはいうまでもない。
 資源のない日本は、かつて、経済封鎖(ABCD包囲網)によって、対米英戦争へふみださざるをえない状況へ追いこまれた。
 この危機の構造は、現在も変わっておらず、地下資源の輸入をとめられたら日本経済のみならず国民生活が破綻する。
 日本は、TPPの実質的リーダーで、RCEPの主要メンバーである。
「インド太平洋」構想の主要プレイヤーとしても、重要な地位を占めている。
 とりわけ、RCEP(2020年11月署名)は、わが国の貿易総額の約5割を占める経済連携協定で、日本経済の柱となるべき国際的とりきめである。
 これらのとりきめが、安全保障上の目処となるのは、平和的な通商・交易を可能にする条件こそが安全保障だからである。
 APEC首脳会談で、RCEPを締結したばかりの中国の習近平国家主席が「TPPへの参加を積極的に検討する」と表明したのは、バイデンが大統領になって、アメリカがTPPに復帰すると、アメリカがTPPの主導権をにぎる可能性がでてくるからである。
 いずれにせよ、RCEPとTPPを舞台に、日本と中国が、今後、アジアにおける主導権を争うことになる。
 2つ目の防衛は、国家防衛で、中国の核ミサイルが日本の大都市に、韓国の玄武ミサイルが日本中の原発に照準をむけ、北朝鮮の核ミサイルが日本全土を射程圏内におさめているとき、日本がとるべき防衛策は、日本をミサイル攻撃した国の首都へ、報復のミサイルを撃ち込む打撃力の保有である。
 核の先制攻撃も核戦争も、ミサイル戦争もおこりえないが、核やミサイルの保有や攻撃能力が外交力を左右する現実がある以上、専守防衛などの空想論は通用しない。
 国家にもとめられているのは専守防衛ではなく、防衛的打撃力で、打撃力というのは<敵基地攻撃能力>のことである。
 安倍前首相は、退任直前、日本の安全保障にかかる重大な談話を発表した。
「迎撃能力を向上させるだけで、国民の命と平和な暮らしをまもりぬくことができるのか」
 飛来する大量の弾道ミサイルを、自衛隊と米軍が協力して迎撃するが、すべてを防ぐことは不可能で、日本列島に次々と着弾する。
 自衛隊は敵の攻撃地点を攻撃することをアメリカに期待するが、アメリカは撃たない。
 専守防衛は、まったく、役に立たない机上の空論だったのである。
 次回以降、敵基地攻撃能力について、論をすすめていこう。
posted by office YM at 12:08| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする