2021年12月27日

 なぜ日本は中道政治≠実現できないのか9

 ●戦争シミュレーション≠ニ軍拡競争
 核は、防衛には最強だが、使えない武器で、使えば、世界の破滅である。
 戦争がおきるとしたら、通常兵器による局地戦だが、それも、実際におきる可能性はきわめて小さい。
 それでは、なぜ、世界の国々が軍拡競争に血眼になるのか。
 軍事力をベースにした戦争シミュレーションによって、たたかう前に勝敗が決するからである。といっても、ただのゲームではない。シミュレーションによる軍拡競争に負けると、実戦で負けたと同じような結末がもたらされる。
 インド太平洋軍のデービッドソン司令官が上院軍事委員会の公聴会で「通常戦力による米国の抑止力が崩壊しつつある」と警告して注目を浴びた。現在のペースでは、中国が6年後に台湾を解放して、20年後にはアメリカから世界覇権を奪うというのである。
 これも、戦争シミュレーションの結果で、アメリカが、将来、中国に負ける可能性があることを正式にみとめたのである。
 尖閣列島も、戦争シミュレーションで日米が中国に負ければ奪われることになる。その場合も、実戦なしで、コンピューターにデータをインプットすれば99・9%の確率で勝敗が判明する。
 増強される中国軍に対抗して、アメリカがシミュレーション戦争に勝利するべく、着々と手を打っているのは、いうまでもない。
 局地戦の主戦場になると思われる海洋では、アメリカ軍は、地上から中国の艦艇を攻撃する「地対艦」攻撃部隊を創設して、南西諸島やフィリピンなどに配備する。
 地対艦ミサイル攻撃には、海軍海兵隊だけではなく、陸軍もくわわる。海と陸の両方で、東シナ海と南シナ海に展開する中国海軍を無力化しようというのである。米空軍も、規模を縮小したグアム島の空軍基地にBー52H爆撃機の爆撃機部隊を復帰させて、中国ににらみをきかせる。
 さらに、日米豪印(クアッド)が結束する太平洋・インド洋では、イギリス(空母クイーン・エリザベス)をはじめオランダ(艦艇)、フランス(強襲揚陸艦)やドイツ(フリゲート艦)が日米海軍と共同訓練をおこなっている。
 日米豪印に英仏独蘭加をくわえた海洋国家群で、中国とロシアなどの内陸型国家連合を封じこめようというのである。

 中国海軍は、旧ソ連製の船体を改修した「遼寧」と国産初の「山東」の二隻の空母をもち、アメリカは、保有する空母11隻のうち、最強のロナルド・レーガンを第七艦隊(横須賀基地)に配備している。
 空母打撃群は、航空母艦を中心にミサイル巡洋艦やミサイル駆逐艦、攻撃型潜水艦、補給艦などによって構成されるので、一つの空母打撃群が一国の海軍力に相当するといわれる。
 アメリカ最強の第七艦隊のロナルド・レーガンが、南シナ海で、中国海軍の遼寧や山東に対抗しているが、中国海軍が三隻目の空母をもつと、米中の軍事バランスが崩れかねない。
 総合力はアメリカが上でも、局地戦では、投入できる戦力に限界がある。
 しかも、地の利もはたらくので、極東の米中軍事バランスが逆転する可能性はおおいにあるのである。
 そのとき、大きな役割をはたすのが、日本の空母打撃群である。
 日本の空母艦隊は「ひゅうが」「いせ」「いずも」「かが」の4隻体制である。
「ひゅうが」と「いせ」は対潜水艦用の航空母艦として、世界の最新鋭である。
 一方、ステルス戦闘機を艦載する「いずも」と「かが」は、航空母艦として本格的な機能をそなえている。艦載するFー35Bステルス戦闘機は、短距離離陸・垂直着陸できる世界の最新鋭機で、英国の空母クイーン・エリザベスも採用している。
 日本の空母打撃群は、空母の前後左右に、迎撃ミサイルを備えたイージス艦や駆逐艦、ミサイル巡洋艦、上陸用舟艇や補給艦を配置して、攻撃型潜水艦や対潜哨戒機が海と空から目を光らせる。
 日本の空母艦隊は、対潜水艦用のタイプとステルス戦闘機を艦載したタイプの組み合わせがベストで、このダブルの航空母艦が日本海や東シナ海の制海権を握れば、竹島を不法占拠する韓国や尖閣諸島に干渉してくる中国を牽制することができる。

 戦争シミュレーションのなかで大きな要素となるのが「敵基地攻撃能力」の保有である。ミサイル戦になる現代の戦争において、専守防衛(攻撃をうけたら報復する)という論理は通用しない。 被弾すれば、その時点で勝負がついてしまうからである。
 したがって、敵ミサイルが発射される前に先制攻撃≠ナきる体制ができていなければ、戦争シミュレーションの上で、互角の戦力をもっていることにならない。
 日本政府が、これまで、敵から攻撃を受けるまで武力の行使をおこなわないとしてきたのは、国家の自衛権や自然権、習慣法や国際法(国連憲章51条)を放棄したからでも、憲法九条に縛られているからでもない。
 国家防衛を核の傘≠ニいう名目のもとで、国家防衛をアメリカにゆだねる悪弊をひきずってきたからで、このなれあいを断ち切ったのが安倍晋三元首相だった。
 核の傘も自衛権の委託も、前時代的な迷妄で、そんなものは存在しない。
 安倍政権は14年、憲法解釈の変更を閣議決定して、集団的自衛権の行使を容認すると、翌15年、日米防衛協力ガイドラインの改正と安全保障関連法を成立させた。
 菅義偉前首相が安倍の安全保障路線を踏襲すると、岸田文雄首相が所信表明演説で「防衛には、敵基地攻撃能力もふくめてあらゆる選択肢を排除しない」と表明して、戦後レジームからの脱却がいよいよ明確になった。
 ちなみに、安倍路線を目の敵にするのが法曹界と左翼である。
 法律家と左翼は、ともに、教条主義者である。前者が条文主義者なら後者がマルクス主義者で、かれらにとって、法律の文章やマルクスのことばが唯一の真実である。
 法が「刑罰に裏付けられた主権者による命令(ジョン・オースティン)」ならマルクス主義は「暴力に裏付けられた主権者による政治」である。そのいずれも、人間の頭がひねりだした浅知恵で、国体や国家、文化や習俗という歴史がつちかってきた叡智とは比べるべくもない。
 しかも、ここでいう主権者は、国家ではなく、人民の権利(=国民主権)をあずかって、国家を倒そうとする、啓蒙思想という怪物である。
 啓蒙思想というのは、個人の自由や平等、権利を、天からさずかったものとして、それらをまもっている国家を、逆に、奪うものとして逆恨みする錯綜でルソー主義≠フことである。
 ルソー主義を信奉するのが、労組やマスコミ、日本弁護士会や検察庁である。
 外交や国家防衛で大きな成果をあげた安倍首相を「戦争が大好きな右翼」と罵倒しつづけ、検察庁にいたっては「桜を見る会」で秘書が小銭をごまかしたとして、いまだに、安倍逮捕に執念を燃やしている。
 法律家が、反日・反国家に走るのは、東大法学部の三巨頭、丸山眞男、大塚久雄、川島武宜が、ともに、啓蒙主義を代表する論者で、戦後民主主義のオピニオンリーダーだったことを思えばうなずけよう。
 閑話休題で、次回は、日本防衛の要となる極超音速ミサイルと世界一の潜水艦、現代のゼロ戦となる可能性をひめた国産ステルス戦闘機について語ることにしよう。
posted by office YM at 09:31| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする