2023年08月27日

「自由主義」と「民主主義」の相克と調和17 

 ●LGBTブームに冷や水を浴びせた猟奇殺人事件
 札幌・すすきのホテルで首なしの死体がみつかった事件は、近年まれにみる猟奇殺人事件としてテレビで大騒ぎになったが、被害者が女装趣味のLGBTの男性と分かって、以後、テレビはピタリと報道をやめてしまった。
 これまでテレビは、LGBTに同情的、共感的だったが、LGBTがらみの殺人事件となれば、そうともいかなくなる。LGBTの醜い部分や反社会的な要素にもふれなければならなくなるが、マスコミにそんな覚悟はなかったのである。
 もう一つ不都合なことは、一部識者が危惧して、マスコミがデマとしてきた女性トイレのLGBTへの解放が、事件に小さからぬ影響をもっていたことがわかったからで、これも、マスコミが事件の黙殺する理由の一つとなっているだろう。
 会員制バーなどの常連だった被害者が、女子トイレへ居座ったのは、悪酔いした女性を介抱して、そのままラブホテルつつれこむためだった。女子トイレでの居座りを従業員から注意されると『ここはジェンダーを差別する店なのか!』と食ってかかる始末で、従業員は、女装して来店するジェンダー客への配慮もあって、対応に苦慮したという。
 マスコミは右翼や保守論客が「トイレで女性が襲われる」などの差別デマを吹聴しているとして批判してきたが、今回の事件によって、その保守論客が心配していたとおりのことがおきていたことがわかったわけで、マスコミはぐうの音もでない。
 トランスジェンダーの経産省職員が、女性用トイレの使用を制限されていた件で、最高裁が「トイレの使用制限をみとめた国の対応は違法」という判決を下して、これを、八木秀次や百田尚樹、門田隆将らが批判したのは、日本人の常識をふまえれば当然のことである。
 これにくってかかったのが元SM嬢にして作家の泉美木蘭で、小林よしのりライジングというメルマガで、八木秀次や百田尚樹、門田隆将らに罵声を浴びせかけて、多くのメディアやSNSがこれにやんやの喝采を送った。
 現在の風潮は、差別される被害者のLGBTに同情的、共感的であることが善で、毛嫌いする者は、時代遅れの悪となっている。したがって、多くの日本人は先を争うようにLGBTびいきになって、百田尚樹にような古いタイプの日本人を化石扱いにして得意になっている。

 ●アメリカ民主党の気候危機説とLGBT革命
 世界的なLGBTブームをひきおこしたのは、地球温暖化対策や脱炭素をうったえてきたアメリカ民主党で、一方、共和党はLGBTなどにはまったく関心がない。
 アメリカは、共和党と民主党で、国論が真っ二つに割れていて、とても一つの国など思えない。バイデン率いる民主党は「気候危機説」を唱え、脱炭素に熱心だが、共和党は「人類が絶滅する」という調子の民主党の気候危機説などぜんぜん信じていない。
 経済や安全保障を犠牲にする極端な脱炭素政策にも反対している。
「気候危機説」は、北極・南極の氷河の半分が解けて海面が上昇、多くの国や地域が水没するとうったえるが、淡水は、地球上の水の3%で、半分が氷河である。1・5%の氷河が半分解けてもわずか0・7%増で、海面にほとんど変化があらわれない。
 気候危機説をめぐって、欧米で過激な自然保護団体がテロ活動をおこなっているが、かれらの主張は、大半が極端な誇張で、虚偽や誤認も少なくない。
 典型がゴア元副大統領の「地球温暖化問題(ノーベル平和賞)」だが、トランプは「地球温暖化は嘘っぱち」と叫んで、大統領に当選した。
 ところで、なぜ、民主党は、共和党が同調できない争点を次々ともちだしてくるのであろうか。
 民主党が共和党に比べて、立脚基盤がぜい弱なのにくわえ、支持者が革命的でセンセーショナルな訴求に敏感なリベラル派だからで、今回のLGBTでも騒いでいるのは一部の民主党支持者だけである。
 一方、共和党を支持しているのは「保守派」と呼ばれる人たちで、アメリカ西部の農業地帯や南部の州に支持者が多く、奴隷解放の初代大統領リンカーンがシンボル的な存在である。
 共和党の支持者は、白人や敬虔なキリスト教徒をはじめ、石油産業、自動車産業、軍事産業などの軍産複合体や大企業、全米ライフル協会、ウォール街の金融業などに多く、いわば、アメリカ魂につらぬかれた政党といえる。
 決定的な支持基盤をもたない民主党は、共和党の失政に乗じて政権をとってきた経緯があって、その代表が、1929年の大恐慌のあとに登場したルーズベルトだった。
 民主党を支持しているのは、ニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコなど海岸部や都市部在住の「リベラル派」と呼ばれる人々で、IT企業従事者やインテリ層、女性などのほか、性的マイノリティや労働者階級、環境保護団体、公民権運動団体、有色人種などが多い。
 民主党支持者に「リベラルな風潮を好む」「多様性を尊重する」などの共通点があって、これが限りなく社会主義に接近して、保守主義との溝を深めているのは、ルーズベルト以来の伝統である。

 ●日本を敵対視してきたアメリカ民主党
 アメリカ民主党が日本を敵視あるいは蔑視してきたことを日本人は知らない。
 議会をとおさない対日最後通牒(「ハルノート」)をつきつけ、12万人もの日系人を強制収容所に拘束したルーズベルトは「ポツダム宣言」を日本につきつける前にすでに原爆投下の書類にサインしていた。
 そして、後任のトルーマンは原爆投下を命じるのにまったく躊躇がなかったという。
 2人とも中国びいきのばりばりの民主党員で、朝鮮戦争の折、原爆の使用を提案したGHQ(連合国軍総司令部)最高司令官マッカーサーを解任している。
 日本人の大量虐殺はよいが、中国人の大量虐殺はノーという論理である。
 パリ講和会議(1919年)で、日本は「国際連盟規約」に人種差別撤廃を明記するべきと発議して、多数決で日本案がとおったが、議長をつとめていたアメリカ大統領のウィルソンは「全員一致が条件」と難癖をつけて、日本案を否決した。
 ウィルソンも民主党で、国際連盟の創設に尽力してノーベル平和賞をうけた国際派とあって、日本には冷淡そのものだった。
 民主党のクリントンも「日米包括経済協議」「ジャパン・パッシング」(日本無視政策)で知られる反日的な政治家で、2016年のアメリカ大統領選挙で夫人のヒラリー・クリントンがトランプに勝っていたら、日本は、窮地に追いこまれていたはずである。
 大統領就任後の初のアジア訪問は、中国と韓国で、日本は入っていなかったからで、両クリントンにとって、日本は、中韓に次ぐ第三の国で「東アジアの緊張を高める存在であってはならない」くらいの認識しかもっていなかった。
 民主党が反日的なのは、革命政党にとって、伝統国家は嫌悪と侮蔑の対象でしかなかったからだった。

 ●民主党のリベラル・デモクラシーとLGBT革命
 反日的な民主党にたいして、共和党は、ペリー提督を日本に派遣したフィルモア大統領から、日露戦争の講和を日本に有利に斡旋して、ノーベル平和賞をもらったセオドア・ルーズベルトまで親日的で、マッカーサーも共和党寄りでなかったら占領政策はもっと過酷なものになっていたはずである。
 日本のメディアが、ニューヨークタイムズと提携関係にある朝日新聞を筆頭にして、こぞって民主党寄りなのは、日本に冷淡で批判的だからで、じぶんの国をわるく書くことが身上の大新聞にとって、引用しやすい情報源なのである。
 日本のメディアがCNNやニューヨークタイムズばかりとりあげるのは左翼的だからで、大方の日本人は、フォックスニュース、ブライトバートなど共和党寄りのメディアの名前すら知らない。
 日本の大手メディアは、民主党寄りのメディアの情報を垂れ流しているだけなので、日本人が知ることができるのは、つねに、アメリカという国の半分に限られる。
 アメリカ民主党が「現在のままでは人類が絶滅する」として、気候危機説を唱え、脱炭素に熱心なのは、民主党の考え方に現状を変える≠ニいう過激な革命思想があるからで、これに、LGBTがくっついて、LGBT革命というべき風潮がつくりだされた。
 性の自己同一性を、じぶんの意志で変更することは、生物にとって、究極の革命で、出産や育児、教育が放棄された世界は、希望なき暗黒社会というほかない。
 だが、性差や性役割をうけいれらない人々にとって、天国である。
 民主党は、性の自己決定ができない社会は、革命をおこして、変えるべきだというが、アメリカ民主党の目的は、性の解放ではなく、あくまで革命にある。
 革命政党である民主党は、伝統的な価値観をみとめることができないばかりか、これを悪として断罪しようとする。
 日本のLGBT騒ぎを煽ったエマニュエル駐日大使もシカゴ市長からオバマ大統領の首席補佐官などを歴任した民主党員で、バイデン大統領の肝いりで駐日アメリカ大使に就任した。
 そして、リベラル・デモクラシーやLGBT革命を叫ぶが、アメリカよりも文化的な日本で、アメリカ民主党の言辞にダマされるのは、アメリカに洗脳されているおばかさんたちだけである。

posted by office YM at 21:04| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする