2023年10月22日

「自由主義」と「民主主義」の相克と調和26

 ●殉教思想やテロリズムの本質を知らない日本人
 イスラエル・ハマス戦争について、マスコミやネット上で、マスコミ論者の言いたい放題が洪水のようあふれている。
 ガザ地区のパレスチナ側から見て、ハマス側の攻撃にも、一応、理があるという善悪論≠ェさかんで、たとえば、橋下徹はハマスの片をもち、重信メイ(重信房子の娘)に至っては、ハマスの代弁者となって、テレビ(TBS『報道1930』)で、4分間の大演説をぶちあげて、怒り心頭に発したイスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使が、外国特派員協会で、TBSを非難する記者会見をおこなったほどだった。
 こういう偏向報道がまかりとおるのは、日本のマスコミは、左右対決という古い図式でしか世界を見られないからで、イスラエルとハマスの戦争に、日本人が得意とする善玉・悪玉論をもちこんでも話にならない。
 かつて、山本七平は、日本人と西欧人、ユダヤ人、アラブ人の思考の差異を峻別した(『比較文化論の試み(1982年)』が、そのなかで、正統と異端という考え方を示している。
 自然信仰の日本人は、物事を悪玉と善玉にわけるが、唯一神(ヤハウェ)を信仰するユダヤ教、キリスト教、イスラム教の世界では、善悪ではなく、正統と異端と分ける。
 そして、異端は、滅ぼされなければならないとする。善玉と悪玉が両立するのではなく、悪魔と天使を分けて、悪魔を滅ぼそうとするのである。
 中世ヨーロッパでは、十字軍の遠征から異端審判や魔女狩り、宗教戦争から近代のホロコーストにいたるまで、残虐な大殺戮がおこなわれて、ドイツ30年戦争では、人口が三分の二にまで減少した。
 善玉と悪玉なら、攻守所をかえることもあるが、正統と異端では、片一方が滅ぼされて、生き残ることはできない。
 これが、正統をまもるためなら殺戮や自死をえらぶ殉教文化≠ナ一神教の最大の特徴である。
 そのことがわからず、日本人が、世界を悪玉と善玉でとらえるのは、改革=善、守旧=悪とするマルクス主義にとらわれているからで、これは、思想的な幼児にひとしい。

 ●爆弾テロリストのシンパだったTBS報道部長
 TBS報道部は、過激派顔負けの極左報道をおこなってきて、数々の前科もある。
 役員の大半が全共闘世代で、現役のなかに、核マル・中核派の出身者もいるなど、TBS(毎日新聞系)報道部じたいが極左そのものなのである。
 日本の3大テロ事件は、乗客や駅員ら14人が死亡、負傷者数が約6300人にのぼったオウム真理教の地下鉄サリン事件、警察官2人と民間人1人が死亡、27人が負傷したほか12人がリンチで殺された連合赤軍のあさま山荘事件、8人が死亡、376人が怪我をした「東アジア反日武装戦線(大道寺将司)」の三菱重工業本社爆破事件であろう。
 TBS報道部長だった金平茂紀は、2017年、病死した大道寺将司を悼んで、東京拘置所まで足を運んで献花している。金平が大道寺につよいシンパシーを抱いたのは、三菱重工業の爆破に使われた高性能爆弾が天皇陛下のお召し列車を爆発するためにつくられたものだったからで、TBS報道部長の金平は反天皇テロリストのシンパだったのである。
 左翼TVキャスター5人衆(鳥越俊太郎、田原総一朗、金平茂紀、大谷昭宏、青木理)のなかで、金平はとりわけ極左だが、この5人に死亡した筑紫哲也や岸井成格らをくわえた朝日新聞(テレビ朝日)や毎日新聞(TBS)系の人脈が日本の世論をリードしてきた。
社会の公器≠ニいわれるマスコミが左翼の巣となったのは、スポンサー料と視聴率さえ獲得できればなにをやってもOKだからで、ジャニーズ問題からテロのハマス応援、反日工作までのやりたい放題である。
 かつて、TBSは、オウム真理教の「坂本弁護士一家殺害事件」の片棒を担いで日本中から非難を浴びたが、日本の左翼・反日マスコミは、テロと戦争の時代になって、ますます、危険水域に近づきつつある。

 ●劣勢の自由陣営に襲いかかる非民主国家群
 ガザ地区を支配するハマスが音楽フェスティバルの会場を襲って、数百人を虐殺、拉致したのは、音楽フェスティバルが、かれらにとって、悪魔(異教徒)の饗宴だったからで、いくら殺してもハマスは罪意識をかんじない。
 イラン革命によって、西洋的で開明的だったイランが闇黒のイスラム国家に変貌して、女性は、ミニスカートから、全身を黒い布で覆うチャド姿に着かえさせられた。
 そのイランで、マフラーを巻いて外出した女性が逮捕されて死亡した。これもジハード(=聖戦)というわけだろうが、コーランという男性中心の戒律によって殺されたのは、女性の人権や文化だけではない。
 イスラム原理主義が憎むのは、神の預言であるコーランにしたがわない西洋文明そのもので、この西洋文明のなかには、自由や平等、個人主義や民主主義のほか、性的な奔放から音楽、喜劇までがふくまれる。
 イランとパレスチナのハマス、レバノンのヒズボラがやろうとしているのは宗教戦争で、かれらの目的は、異教徒であるイスラエルの滅亡と、背後にいるアメリカへの決定的な打撃である。
 手段は、テロリズムで、スターリンの粛清やヒトラーのホロコースト、毛沢東の文化大革命、ポルポトの民族虐殺、アルカイダの「9・11事件」と同様の大ジェノサイドである。
 第三次世界大戦がおきるなら、集団的殺戮だけを目的とする大惨事となって数億人の犠牲がでるだろうが、これまで、共産主義やファシズム、戦争や民族紛争によって数億人がすでに生命を失っている。
 スウェーデンの研究所が「公正な選挙」「基本的人権の尊重」「言論の自由」「女性の社会進出」を基準に世界179か国を分類した結果、自由主義陣営に入った国は60にとどまる一方、非民主的な国がその2倍の119にのぼった。
 ロシアと中国、北朝鮮が、イランと連携して、ハマスやヒズボラ、イスラム国やタリバン、アルカイダのようなテロ組織を動員して、自由で民主主義的なアメリカやヨーロッパ、日本に攻撃を仕掛けてこないとはかぎらない。
 日本で、LGBT理解増進法をとおして、よろこんでいるが、こんな法律が通用しているのは、個人主義の北欧と、アメリカ文明の影響下にある国々だけである
 非民主主義の119か国は、同性婚をみとめていないどころか、同性愛が死刑になる国もあるが、自由主義陣営でも、半数以上は、同性婚をみとめていない。
 マスコミが、同性婚をみとめない日本は遅れていると騒いでいるうち、性的放埓さを神への冒涜とするイスラム過激派からロケット弾を撃ち込まれかねないのである。
posted by office YM at 12:43| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする