憲法改正を棚上げして アメリカのグローバル・パートナーを宣言する岸田首相の軽さと 戦争の危機感に欠けている日本の独善的平和主義
岸田首相がアメリカの議会で 日本がアメリカとともに世界の命運を背負う覚悟があるような演説をぶちあげて わたしはおおいに驚かされた。
グローバル・パートナーとして アメリカの戦争に力を貸しますと言ったわけだが、わが国はどういう形で力を貸すというのであろうか。
力を貸すというのは安全保障のことと思われる。
日本が憲法を改正せずして どうして アメリカは孤立していない 日本がついているなどという安全保障上の確約ができるのか。
岸田のいうグローバルはどこまでをさしているのか。
尖閣列島までか 太平洋インド洋までか それとも中東ヨーロッパまでなのか。
いずれにしても 日本は海外派兵などできない。
中東戦争の折、日本は 憲法の制約があって 自衛隊を派遣できないとして 代わりに 一兆5千億円の戦費を負担している。
現在も当時と同じ状況がつづいている。憲法を改正していないからである。
自衛隊の法的根拠も 国連憲章52条の個別的・集団的自衛権に拠っている。
日本の憲法が、自衛隊の存在をみとめていないからである。
戦後の1952年 アメリカの司令官と駐日大使 岡崎外務大臣 吉田首相の4者が、日米安保体制において 戦争がおきた場合、アメリカに指揮権をゆだねると約束している。
これは密約として おおやけにされていないが 合意文書はアメリカの公文書館に保存されている。
岸田の今回の訪米と議会の演説は この約束を再確認するためにものだった。
アジアの安全保障を考えたとき アメリカ一国ではとうてい手に負えない。
韓国と北朝鮮の関係では 北朝鮮は韓国を敵国とみなすという。中国は台湾を軍事力で解放すると公言している。フィリピンは南シナ海の領海問題をかかえている。日本も尖閣列島の海域を中国に侵犯されている。
戦争の火種をかかえたアジアの国々はアメリカと同盟関係にある。
したがって これらの国々で紛争がおきれば アメリカは 安保条約をむすんでいる日本をふくめて すべて面倒みなければならない。
現在の中東の戦争、ロシアとウクライナの戦争も アメリカがスポンサーになっている。アメリカは 世界でおきている紛争や戦争のすべてを一国でバックアップしているのである
アメリカがいかに軍事大国であろうと負担が大きすぎる。
そこで アメリカは アジアの経済大国日本を 自陣にひきこもうというのである。
そろそろ国際社会の修羅場へでてこいよというわけである
休戦中の朝鮮戦争は アメリカ軍と韓国軍 国連軍が北朝鮮とにらみあっているが、指揮権は 韓国ではなく アメリカがもっている。
主権国家である韓国が 指揮権をアメリカにゆだねることに 疑問がないでもなかった。
ところが、日本でも 戦争がおきれば 指揮権は内閣総理大臣ではなく アメリカ大統領がもつことになる。
こういう重大な決定を国民に知らせないのは問題である。
岸田首相の訪米や議会のスピーチは 密約の再確認といわれる。
岸田首相のスピーチも 骨格はアメリカのライターが書いたという情報もある。
日本をとりまく空気も険悪になってきている。
この状況を国民に知らせて 危機感を共有すべきだろう。
対米従属も平和ボケも「アメリカがただでまもってくれる」として憲法改正に消極的だった吉田茂の負の遺産である。
日本は主権国家といいながら 対米従属からぬけきれないのは 憲法改正ができないからである。
横田基地の空域などを問題にする前に 憲法改正という 主権国家としてやるべきことをやるべきだろう。
自主憲法制定、憲法改正ができない日本に 主権をふりまわす資格ないのである。
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