2024年09月21日

 山本峯章チャンネル 苦言直言第42回

 政権奪取や移民問題など政治的テーマにとりくむヨーロッパの右翼と文化防衛≠フ日本右翼
 いまヨーロッパで 極右政党が台頭している。
 これまでは万年野党で 日の目を見ることがなかった。
 ところが 現在 政権をにぎるところまでのびている。
 極右政党の主たる政策は移民のうけいれ反対である。
 移民を積極的にうけいれたドイツでは、人口の16%が移民になって、仕事を奪われた低所得者層の不満が噴出している。
 その結果 ドイツの地方選挙では右派政権「ドイツのための選択肢」が第一党に躍進した。
 イタリアでは右翼政党「イタリアの同胞」のメローニが首相に就任している。
「イタリアの同胞」はそれまで万年野党で 政権はながくもたないだろう すぐに瓦解するといわれていた。
 ところが 現在 メローニ首相の移民政策がヨーロッパ全土で注目を浴びている。
 メローニ首相の移民政策が高い評価をうけているのは イタリアにおしかける移民を隣国のアルバニアに迂回させるというユニークな方法だったからである。
 アルバニアはEUに加盟したい。イタリアはその後押しをする。その代わりに イタリアへおしかけてくる移民を一時的にあずかってもらおうというのである。そのための施設もイタリアが建設する。その施設で移民の適合性などをチェックして うけいれるかどうかの選択をおこなう。
 その結果、イタリアに入国する移民が60%も減った。
 イタリアのこの方法が EUの主要15か国にうけいれられた。
 極右政権として軽んじてきたメローニの移民政策をEUの主要国がわれ先に採用しているのである。
 ドイツとフランスは 人道や人権といって 有効な移民対策を打ち出すことができなかった。
 そのドイツもメローニ政策をマネるようになった。
 ヨーロッパにおしよせる移民はおびただしい数にのぼる。
 移民をそのままうけいれると政治的に大きな混乱が生じる。
 そこで ヨーロッパ各国は イタリア極右政党の移民政策を採用するようになったのである。
 日本で極右というと ヒトラーを連想して 警戒心をいだく。
 だが、日本の右翼とヨーロッパの極右は 成り立ちが異なる。
 メローニを極右と非難したのは 移民のうけいれに反対していたからである。
 移民のうけいれに反対すると マスコミは極右のレッテルを貼る。
 かれらは 極右ではなく 自国の文化や伝統、習俗や風習を大事にする保守派である。
 ヨーロッパではEU議会(27か国)が各国の諸制度をまとめている。
 だが 加盟27か国は独自の文化をもっている。
 したがって EUの政策と合致しないケースもでてくる。EUのとりきめと 各国の価値観が合わない場合もある。その意味で ヨーロッパ各国は保守的なのである。
 ドイツでは 地方選挙で 極右政党が勝つのではないかといわれている。
 げんに2州のうち1州は 極右政党が勝利をおさめている。
 この流れは当分つづくであろう。
 日本人はヨーロッパの極右がなんたるかを知らない。
 移民反対というと マスコミが反人権だ 反民主主義だといって騒ぎ立てる。
 平等や公平性をタテに極右だときめつける。
 かれらは民族主義ではあるが極右ではない。
 日本人は極右と聞いて 特殊な思想とカンちがいをする。
 だが実際は 歴史や文化 風習や習俗のちがいを主張しているにすぎない。
 ヨーロッパ全体を統一するEUの価値観と 個々の国々の価値観が同一とはかぎらない。
 くいちがう場合 EUからでていこうというヒトや国もでてくる。
 ヨーロッパから第一次 第二次戦争がおきている。
 ヨーロッパはつねに戦争の火種をかかえる危険ゾーンであった。
 国際連盟というものもできたがあまり役に立たなかった
 戦争を回避するためヨーロッパは 石炭鉄鋼共同体からECさらにEUへと発展してきた。
 日本の新聞はヨーロッパの極右と書いて煽るが 日本の右翼とはちがう。
 ヨーロッパの右翼は はじめから政権奪取を狙っている。
 したがって 選挙で勝って 議席をとることが優先される。
 日本の右翼は政権を狙うという思想はない。
 歴史のなかでつちかわれてきた民族の文化や伝統、価値をまもろうとする。
 政治(政体)ではなく 国体をまもろうとする。
 国体をまもることは、究極的には 天皇をまもることにつながる。
 日本の右翼が反共を掲げるのは 共産主義では皇室はなくなるからである。
 日本共産党が天下をとったら 天皇が廃されるからである。国民が望むなら天皇制を残すといっているがウソで かならず天皇は否定される
 イデオロギーや政治的な力学によって政体が変更されるのではなく、国体という文化構造を否定して革命を起こそうとする。
 日本は建国2600年の伝統国家で 世界でいちばん古い王室をもっている。
 二番目がデンマーク王室の1100年、イギリス王室が1000年である。
 イギリスは1642年代のピューリタン革命と1688年の名誉革命と二回の革命を体験している。
 名誉革命によるイギリスの立憲君主が近代王室のモデルとなった。
 フランス革命に100年先んじて伝統国家が誕生していたのである。
 日本の新聞か極右と書くのでヒトラーの再来と思うヒトがいるかもしれない。
 ヨーロッパの極右は 移民政策に防衛的で 自国の歴史や文化、伝統や習俗を大事にするヨーロッパの右派の政党なのである。
 日本の新聞の極右≠ニいうレッテル貼りにまどわされてはならない。

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posted by office YM at 20:19| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする