2024年11月10日

 山本峯章チャンネル 苦言直言第51回

 自民党は国民民主党の「国民の手取りをふやす」政策を受け入れて国民のための政党に脱却せよ
 石破内閣は不安定なスタートを切った。
 いままでの自民党なら選挙に負けたら首相退陣だった。
 233議席で過半数にもいかない弱小内閣だが 石破は辞めようとしない。
 心配なのは外交問題である。トランプ大統領は一国主義者で アメリカの国益しか頭にない。
 トランプにかぎらず 政権が安定しない国の代表に 各国の首脳は大事な話をするだろうか。
 自民党と公明党だけでは 政権を維持できない。
 政権を安定過半数にもっていくには 国民民主党とむすぶしかない。
 国民民主党は じぶんたちの政策を実現させたい。
 それには与党に参与するほかないのである。
 比例票は党にあたえられた票で 一方 選挙区の票は 人気や人徳などに左右される。
 候補者選挙区の票は 候補者個人にあたえられた票なので 党の勢力を評価することはできない。
 党勢を見るには 比例票で見るのが正しい。立憲民主党は 比例票がぜんぜんのびていない。たったの7万票である。野田があれだけ「カネと政治」の問題で自民を叩きまくって この結果である。
 立憲民主党の票が国政をうごかすということはありえない。大きな影響力をもつのは国民民主党で 前回選挙の得票数は240万票だったが 今回は2・5倍の600万票をとった。
 600万票のうちの250万票が自民党から流れてきた票だろう。
 250万票が流動的な票というひともいるがわたしはそう思わない。
 250万票が国民民主党の固定票とみるべき根拠がある。
 国民民主党は 憲法改正や安全保障など 大義のある政策をうったえなかった。
 国民民主党がうったえたのは 生活に密着したテーマだった。
 103万円の壁を178万までを引き上げるとした所得控除は 議論されることはあっても どこの政党も政策化できなかった。
 国民民主党は この政策を選挙戦のテーマにあげて 実際の政治に反映させようとした。
 有権者は 生活に密着したテーマに共鳴して 国民民主党に票を投じた。
 憲法改正は大事なことだが生活からは遠いところにある。
 だが 103万円の壁は 生活者にとって切実な問題である。
 103万円の壁で 税制の問題がでてきて 働くのをやめてしまう。
 178万円まで働くことができれば 個人にも社会にもメリットがある。
 国民民主党に票を投じた有権者にとって じぶんの投票が政治に反映されることによって大きな満足感をえた。
 したがって この600万票は 国民民主党から離れないのである。
 国民民主党は「トリガー条項」の凍結解除などほかにも国民の手取りをふやす政策を4つほど掲げている。
 国民民主党の103万円の壁を破る政策はかならずとおる。
 したがって 国民民主党の票は 来年の参院選でも 他党へは流れない。
 自民党は 選挙区でよほどがんばらないと 比例区で1450万票までおちているので苦戦を免れない。
 たとえ 自民と公明が233議席をとったにしても 安心とか絶対というレベルにはたっしない。
 日本の政治の形がかわって 少数派の政党が競い合う時代がきたのである。
 55年体制は 自民党と社会党の二大政党による保革対立の時代だった。
 その55年体制が終わった。二大政党制と唱えた政治家が 二大政党の体制を壊したのである。
 政党助成金は 二大政党制を否定する性格をもっている。
 自民党内で不満ばかりいっていた石破のようなよう男でも自民党から離れられない。
 自民党から離れて徒党を組んでも 事務所家賃や事務員の給料 政党のために運動費などおカネがかかる。
 政治家個人の歳費では じぶんの選挙運動で手一杯で 政党の費用をまかなうことはできない。
 ところが 政党助成制度では 徒党を組めば何億か 国からカネが自動的に落ちてくる。
 NHKから国民をまもる党も 自腹を傷めずに自由に政治活動ができている。
 政党助成金の効用で 前回は参政党ができ 今回は日本保守党ができた。
 少数政党が乱立する制度をつくったのが政治改革を叫んだ小沢一郎らで 二大政党制をつくるためというタテマエは大ウソだった。
 わたしは 政党助成金が少数政党が乱立する衆愚政治になると警告してきたが いまそれが現実のものになっている。
 ヨーロッパは少数政党による寄せ合い政権だが 日本の政治も二大政党ではなく 小党分裂の時代になってきた。
 そうなるように政府が仕組んだのが 政党助成金〜政党交付金だった。
 この制度があるかぎり 少数政党が乱立する政治がつづく。
 大政党による政治の時代にもどることはもうないであろう。
 
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posted by office YM at 03:42| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする