2025年02月27日

 山本峯章チャンネル 第67回

 石破は安倍外交を見習って 国益重視の対米 対中関係を築け
 石破とトランプの日米首脳会議が無難におわった。
 石破にたいする国内の評価はけっしてわるくない。
 印象に残ったのは あなたは安倍晋三のよき理解者であった 晋三はあなたを頼りにしていたと 事実と真逆のことを平然といってのけたトランプの発言である。
 トランプはなかなかの男だ
 アメリカは情報国家で 石場の反安倍の姿勢を知らなかったわけはない。
 さすがトランプは アメリカという大国をまとめ上げる能力をもった大人物である。
 アメリカ相手の外交はてごわいものになるだろう。
 安倍さんの功績はアメリカ抜きでTPPを実現させたことである。
 アメリカがTPPに参加していれば トランプの高関税政策は不可能だった。
 WTO(世界貿易機関)のルールを尊重するなら 自由主義の原則を破る高関税や保護主義的な経済政策はとれなかったはずだ。
 トランプとの会談で 石破がトランプに WTOのルールをまもってくださいと進言していれば 石破は世界的に評価される日本のリーダーになれたはずだが、なにもいわなかった。
 日本対米投資残は130兆円にのぼる。
 それに20兆円を上乗せして150兆円にするとトランプに約束した。
 二つめのアラスカ州の石油や天然ガスの開発協力や日本への輸出もとくに問題はない。 
 問題なのは三つ目で 日本の安全保障にかかる問題である。
 石破はアメリカから武器を買いまくるとトランプに申し入れた。
 岸田政権ですでに軍事費をGDP比2%に増額している。
 現在 自衛隊を募集しても予定の半数にもみたない。
 いまだに軍隊と憲法の問題が解決されていない。
 現憲法下では日本に軍隊は存在していないことになっている。
 自衛隊は警察予備隊の延長で 日本が外国から攻められたときに自衛としてたたかうという位置づけである。
 国際法のなかでは 独立国家の防衛がみとめられているので かろうじて国軍として機能しているだけである。
 石破は憲法改正を主張して 国軍をつくるといってきた。
 その言やよしだが 兵器を買うより 国民の防衛意識を高めたほうがよい。
 それには憲法を改正しなければならない。
 敵が攻めてきたら銃をもってたたかうかというアンケート(79か国による「世界価値観調査」)で日本は最下位の13%でだった。
 他の国では80〜90%の国民が銃をもってたたかうと応えている。
 国をまもるには国民の意識を変えていかなくてはならない。
 国民意識の基本になるのが憲法である。
 憲法を変えなければ 吉田がつくった対米従属という甘えの構造はなかなか直らない。
 アメリカは 今後 中国にたいして対決姿勢をとるだろう。
 日本は同盟国なので アメリカと歩調を合わせる。
 だが いつアメリカが日本を裏切って 頭越しに中国に接近するかわかったものではない。
 72年2月のニクソン・キッシンジャーの電撃的訪中が象徴的だった。
 72年9月 田中角栄があわてて訪中して 毛沢東と握手をした。
 ニクソン訪中時 中国側が アメリカは日本と日米安保条約という軍事同盟をむすんでいるではないかと質した。
 アメリカは中国に 日米安保条約は日本がふたたび軍国主義に走らないように監視するもので ビンのフタのようなものと説明している。
 これがビンのフタ論≠ニして 当時 話題になった。
 アメリカが国益を犠牲にして 日本を助けるということはありえない。
 対米従属はこういう背信のリスクをかかえている。
 安倍さんの中国外交を見習うべきである。
 中国は安倍さんに 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に入れといってきた。
 安倍さんは断らなかった。
 その代わりに条件をつけた。
 アメリカと日本が主導するアジア開発銀行(ADB)のように相手国の利益を担保する条項を設けてもらいたいと。
 中国はこの条件をみたすことができなかったので 日本はいまだAIIBに参加していない。
 日本と中国は隣同士で 長い歴史もある。アメリカに忖度して中国を敵視するのではなく 日中外交は 安倍さんのような余裕をもって 是是非非の対応をとるべきである。
 日本の国益にそった外交が大事で ふたたび 日本の頭越しに米中接近ということになれば 日本は世界の趨勢からとり残されることになるのである。

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posted by office YM at 12:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする