2008年03月02日

「中国製ギョーザ中毒事件」で日本側が謝罪?

 中国公安省刑事偵査局の余新民副局長は、28日、北京で記者会見をおこない、中国製ギョーザ中毒の原因となった殺虫剤メタミドホスが、中国ではなく、日本国内で混入された可能性が高いと発表した。
 日本の警察当局が、中国側で混入した可能性が高いと判断したのは、未開封のギョーザからメタミドホスが検出されたからである。
 だが、余副局長は、実験の結果、ギョーザの袋の外側からメタミドホスが内側に浸透することが確認されたとして、日本警察当局の見解を否定、日本側が成分分析で「メタミドホスは国外製」とした判断についてもきびしく批判した。
 さらに、余副局長は、日本の現場への立ち会いや証拠物提供の申し入れに、日本の警察が協力的ではなかったとしたうえで「両国の警察は協力して真相を解明する必要がある」と強調した。
 まるで、今回の中国製ギョーザ中毒事件が、日本側によってひきおこされたかのような言い様だが、会見に同席した公安省物証鑑定センターの王桂強・副主任も、日本の業者から中国側に提供された袋を調べたところ「袋の内側より外側に多くメタミドホスが検出されており、袋の外側から浸透した可能性がある」と、日本サイドによる犯行をほのめかした。
 中国の世論でも、今回の中国製ギョーザ中毒事件を「日本側の陰謀」とする説がつよまっており、日本政府へ「犯人検挙」や「謝罪」をもとめる声まであがっている。
 中国公安省が、突如、強気に転じた理由は、日本政府が、外務省などをつうじて、「メタミドホスが中国国内で注入された可能性は低い」「メタミドホスが日本国内で混入されたのであれば謝罪する」というオフレコ・コメントをだしたからという。
 中国国内で、公安省の役人と付き合いのある日本の企業主からよせられた情報だが、事実であれば、聞き捨てならない。
 中国では、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」による事故が相次いでいる。
 ●今年1月11日、広東省仏山市で、メタミドホスが混入したスープ料理を食べた農家の4人が中毒症状。うち2人が重症。
 ●昨年12月17日、雲南省瀘西県で、メタミドホスが混入したもち米の団子を食べた住民23人が中毒症状。3人が重症。
 ●04年3月と4月には、四川省で調味料に混入したメタミドホスによって農民12人が中毒症状。2人が死亡。
 ●03年5月、広東省の電子部品工場でメタミドホスが混入した食品を食べた工員ら102人が中毒症状。
 中国では、誤って食べ物に混入するほど出回っているメタミドホスが、日本では、入手手段がなく、しかも、今回、検出されたメタミドホスとは成分が異なっている。
 日本の警察が中国国内で混入と判断したのには、十分な根拠があり、一方、中国公安省の発表は、袋の外部からもメタミドホスが発見された、というだけで、これまでの捜査や事実関係を疑わせるものではない。
 にもかかわらず、日本政府が、水面下で、中国側の言い分をみとめたとなると、あまりにも、売国的ではないか。
 日本政府は、これまで、中国のゴリ押し強弁にひたすら恐縮して、かつて、一度も、本格的な反論をくりだしたことがない。
 その結果、日本は、中国のプロパガンダの材料に使われて、世界の反日勢力から、攻撃をうけてきた。過日の米下院議院における「従軍慰安婦非難決議」もその一つだが、もっとも深刻なのが、南京虐殺のデッチ上げである。
 南京虐殺事件が虚構ということは、@二十万人の南京市民を三十万人殺すことはできないA事件直後、南京市民が三十万人にふえているB東京裁判でもちだされるまでだれも事件を知らなかったC蒋介石が否定しているD被害者の家族・親族からの訴えがないE南京市内にいた大勢の外国ジャーナリストが見聞していないF死体が発見されていないG証拠写真はすべてにせものG一日7千人、一か月間で三十万人を処刑して死体処理をおこなうのはアウシュビッツでも不可能――などの理由で、明らかだが、中国政府は、北京オリンピックにむけて、先月13日に中国・南京に「南京大虐殺記念館」を再開館して、この大嘘を世界に訴えようという構えである。
 日本政府は、南京虐殺事件が虚構であるという見解をしめさず、今回も、在上海日本総領事館が16日、「日本人の残虐性が強調された描き方で、恨みや反感をひきおこす懸念がある」として記念館館長や南京市幹部に配慮を申し入れたにすぎない。
「戦後日本の平和の歩みや、72年の国交正常化以降の日中関係の進展が十分描かれておらず、バランスを欠いている」(在上海日本総領事館隈丸優次総領事)というのでは、事実関係をみとめたも同然で、これでは、同記念館の朱成山館長から「理性的な展示で、平和へのメッセージが十分に表現されている」と一蹴されて、当然だろう。
 中国国内のネットでは、日本が、北京オリンピックを妨害するために、毒入り餃子事件をデッチ上げたという書き込みが急増しているというが、これが、南京大虐殺流のプロパガンダに使われる可能性も否定できない。
 なぜ、日本政府が、事実関係を明らかにせず、中国のゴリ押し強弁に弱腰なのか、理解に苦しむ。


posted by office YM at 22:30 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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