●国体論をテーマに後醍醐天皇の里で勉強会
5月9日から3日間、月刊日本(主幹・南丘喜八郎)と村上正邦元参議院議員が、奈良県吉野で主催した勉強会に参加させてもらった。
テーマは、国体論で、佐藤優氏が3日間で4時限、のべ7時間にもおよぶ講座の講師をつとめ、招かれた平沼赳夫、西村真吾、岩見隆夫、津本陽、出雲井晶の5氏も、熱弁をふるった。
わたしは、今夏、発売される新刊「『情』の国家論」に、村上先生には、わたしとの対談、佐藤優氏には寄稿をお願いしているので、とりわけ、意義深いものだったが、それにもまして、印象に深く刻まれたのが、かつて、後醍醐天皇の皇居がおかれていた吉水神社での、村上先生の断髪式であった。
村上先生は、本ブログでものべたとおり、無実の罪で、不当な懲役刑を課せられることになったが、これは、検察・司法が、立法にたいする優位性を誇示するためのセレモニーで、平沼氏や西村氏をはじめ、式に臨んだ全員が、村上先生の無念はいかばかりかと、憤りを胸に、鋏をいれさせていただいた。
断髪式の前日、村上先生は、夜、遅くまで、わたしの新刊に載せる対談原稿に朱をいれられた。
村上先生が、収監を数日後に控えながら、泰然としておられたのは、ご自身の意思や強さにくわえ、日本の政界に、村上先生が待望しておられた、自民・民主に代わる保守新党結成のうごきがでてきたからであろう。
代表は、平沼赳夫、副代表が西村真吾なら、保守支持の有権者は、心をゆさぶられる。
わたしが、心強くかんじたのは、平沼氏の所信表明は、もとより、西村真吾氏の民主党からの離党宣言である。
西村氏は「現在の民主党は、かつての社会党で、正しい政治は、つねに、かれらの反対側にある」と明言された。
以前より、わたしは、西村氏が、小沢一郎氏と行動を共にして、民主党に党籍をおくことに、割り切れないものをかんじていた。
平沼氏と並んで国体主義に立つ西村氏が、国家も国体もなく、政局主義に走る小沢氏の陣中にあっては、ことばはわるいが、飼い殺し以上に、西村氏の政治生命が細まる一方ではないかと、危惧していたのである。
今回の勉強会のテーマは、国体論で、奇しくも、国体重視を掲げた保守新党結成の意思表明と重なった。わたしの新刊も、テーマは、国体である
ふしぎな偶然が重なったが、これも、佐藤優氏のことばを借りると、高天原のご意志がはたらいた、ということであろうか。
5月15日、村上先生は、多数の自民党議員、支持者と後援者らの見送りをうけて、収監された。
約2年後、村上先生が帰ってこられるまでに万全の体制をつくりあげるのが、残されたわれわれにあたえられた、高天原からの使命なのである。
2008年05月20日
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